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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
最終章 乱世の行く末
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赤壁の戦い

中華を南北に分断する大河、長江。

その流域、赤壁にて船団が向かい合う。

一方は劉表を総大将とした朝廷軍、一方は孫権を総大将とした江東反乱軍。

朝廷軍の軍師、郭嘉は既に道筋を見出していた。

反する張昭は、とある策を進めていた。

そのためには黄蓋、韓当、そして周瑜の働きが必要であった。


周瑜は本当に信用できる人員を集めて行動を既に起こしていた。


船団が対峙する少し前、郭嘉は周瑜と共に行動していた。

どちらの軍にも知らせていない二人だけの秘密の会合であった。


「よお周瑜。今回はよろしくな。」


「馴れ馴れしくするな。利害が一致しただけで、この関係は今回だけだ。」


「まあそう言うなよ。この戦が終わってからもいい関係であろうぜ。」


「早く本題にいけ。お互いの損害を最小限にしつつこちらが負けて張昭に罪を被せる。そのためにそちらはどう動くのか早く教えろ。」


「せっかちな奴だぜ。お前にやってもらうことは簡単だ。船の機動力をなくしてくれたらいいんだよ。こっちは火計をするから、船にできるだけ燃え広がるようにしてくれたらいい。」


「しかしこちらはそちらの本陣に強襲する快速船も用意している。それについてはどうするつもりだ?」


「そいつは大変だ。なら本陣近くに精鋭を置いとくか。大方黄蓋か韓当あたりだろ?」


「わかっているなら私が手を回さずともいいな。だがこれだけは注意しろ。お互いの損害を最小限に止めることを最優先にしろ。」


周瑜が郭嘉に釘を刺して去っていく。

郭嘉は子細を全軍に伝える。

こちらは火計。

この季節は風向きは相手の方である。

少し前であれば東南の風も起こっていたが、もうその心配もない。


周瑜が首尾よくやれば火計は大成功となる。

燃料を積んだ船の指揮は白に任せる。

こうして裏切り、策謀渦巻く戦が幕を開ける。


劉表は本陣にて防衛戦を敷き、白は火計船を率いつつ火計後は潜伏して奇襲、馬騰は火計が成った後騎馬部隊と共に向こう岸に突撃、馬超、馬岱は本陣周りを騎馬部隊と共に守備を固める。


そして黄蓋は快速船に乗り込み早速突撃を開始、韓当は船団に乗り込み交戦を待ち、周泰は本陣周りを警戒、周瑜は密かに船団を繋ぎ止めていた。


まず黄蓋の快速船が馬正陣営の岸へ迅速にたどり着き、強襲を開始する。

しかし本陣を守る騎馬部隊がそれを阻止、交戦を開始する。


そして黄蓋がこちらへ到着したことを見計らって郭嘉が合図を出す。


「火計船、出港だ!奴らを火の海に沈めてやれ!」


黄蓋がまだ出発していなかったら途中で阻止されていたかもしれなかったので、到着したことを見計らって合図を出した。

白はそれを見て昂る。


「やっべー。こんな大戦の大事な役、任されちまったぜ。こりゃ後世に名前が残りそうだな!」


黄蓋が来た速さと同じくらいの速度で突撃する。

その船には油が大量に積まれており、衝突の瞬間に白の合図で猛虎団が火をつける。


「野郎共!この炎で俺らに勝利をもたらすぞ!容赦はいらねえ!」


猛虎団と白は炎に包まれて姿をくらます。

炎はみるみるうちに孫権軍の船団を包む。

周瑜の計によって船団は身動きがとれず、なすすべもなく燃え上がる。


「よし、周瑜が上手くやってくれたみたいだな。白もよくやったぜ。あとはこっちの黄蓋をなんとかするだけだな。」


郭嘉は満足そうに孫権軍の船団を眺める。

黄蓋は向こう岸を見て戦慄する。

味方の圧倒的不利、自身の分断、そして敗北の二文字が脳裏をよぎる。


「やってくれたな貴様ら!」


黄蓋は馬超、馬岱へ怒鳴る。

しかし敵地で凄んでみても形勢は変わらない。

馬超は騎馬部隊で突撃し、そのままあっという間に黄蓋を捕縛する。


「敵将黄蓋!我らが捕らえた!」


「馬騰の倅もやるじゃねえか。あとはあっちをなんとかするだけだな。」


その状況を見て郭嘉がまた満足そうに言う。

周瑜は燃え上がる船団を見て笑っていた。


「これであちらの勝ちだな。あとは張昭に罪を被せるだけだ。」


張昭は事前にある策を考えていた。

その策とは、黄蓋の強襲に続いて船団を進めて一気に敵を討ち取ると見せかけて、別方向から向かわせた周泰が敵本陣を強襲し大将首をとるといったものだった。


周瑜はその策に目をつけ、黄蓋を単独で突撃させたことによって戦力が分散、結果鎮火が遅れた敗戦に至ったと難癖をつける。


孫権は張昭をうるさく思っていた節もあり、この機会に張昭を低い官位へと下げてしまう。

これにより更に発言権を得た周瑜が孫権へ撤退を申し出る。


しかし未だ兵の士気は高く、船も全て燃えたわけでもない。

船上の戦ならば孫権軍が優れており、そもそも黄蓋が捕虜になっている。

孫権はせめて黄蓋を救出してから撤退しようと言う。


ここも周瑜の思い通りとならなかった。

そして郭嘉にとってもまるで計算外であった。

さらに捕虜となった黄蓋も、捕縛されてもなお高い士気を保ち、隙があれば脱走しようと考えていた。


大勢は決したように思えたが、決着はつかない。

船上の戦いはまだ終わりが見えなかった。

東南の風って別に祈祷で起こしたものじゃないんですよね。

季節を考えたら普通に起こるものみたいです。

ちなみに今回は東南の風は起こらないです。

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