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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
最終章 乱世の行く末
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許昌の戦い前日譚・馬正陣営

許昌にて、魯粛と賈詡が顔を突き合わせて食事をとっていた。

机には料理の他、筆と紙が置かれていた。


「ここは一つ、腹を割って話そうではありませんか、文和殿。」


「ご丁寧にありがとうございます。許昌は必ず我らでお守りいたしましょう。」


「いや、今日はその話ではありません。我ら二人の親交をただ深めようと思いましてな。」


賈詡が魯粛を見てきょとんとする。


「親交を深める?劉備がこちらへ進軍しておるのですよ。すぐにでも作戦を練る必要があるのでは?」


「いえいえ。それはまた後でよいのです。これは慢心でも油断でもありませぬ。」


「どういうことですかな?」


魯粛が筆を持つ。

目の前の紙に9マスの枠を書いた。


「私が考案した遊戯でもするとしましょう。このマスの中に交互に筆で碁石を書いていきます。先に三つ並んだ方の勝ちとなります。私が先攻の黒といたします。」


「遊戯…?一体何が狙いなのですか?」


「まあまあ。はい、中央をとりましたぞ。これは小生が有利ですな。」


魯粛は賈詡の問いに答えようとせずに遊戯を続ける。

賈詡は真意を確かめるために渋々付き合う。


「小生の勝利ですな。ではもう一度。」


「単純ながら奥が深いですな。」


賈詡も初めは渋々だったが、負け続けているうちに段々熱を帯びてくる。


「惜しい。あと少しで勝てたのに。」


「ここで右に置いてしまったのが悪手でしたな。さて、もう一度。」


魯粛は賈詡が勝てるまで続けるつもりだった。

賈詡もここまで来ると勝つことのみを考えるようになる。


何度か対戦した後に、やっと賈詡は魯粛に勝利する。


「負けてしまいましたか。自分で考えた遊戯で負けるとはここまで悔しいものなのですね。」


「しかしこのような老骨を捕まえていじめるなど…。そろそろ狙いをお聞かせいただいてよろしいですかな?」


「いやいや申し訳ない。少しあなたを試すような真似をしてしまった。」


魯粛は大きなため息を吐いた。

そして背もたれに寄りかかって上を向いた。


「小生はね、あなたが嫌いだったのですよ。天才的な頭脳を持ちながら、董卓や李傕、郭汜など、悪党どもに手を貸していたあなたがね。そして同時に羨ましくもあった。小生はその昔『狂児』なんて呼ばれるほど周りから疎まれていた。しかしあなたは様々な主君に仕えていながら、その全てで世渡りを上手くやってのけた。小生は自分が正しいと思うことをしているだけなのになぜか疎まれる。片やあなたは好かれて重用される。それが許せなかった。」


「…。」


「しかし親交を深めたいというのは事実です。我らがいがみ合っていればどれだけ精強な軍を率いていても宝の持ち腐れです。そこで先程の遊戯で、あなたの実力を測るとともに親交を深めようと思ったのです。」


「盤上の遊戯で、実戦の実力が測れるのですか?」


「そんなことは到底思っておりません。実力というのはあなたがどれほど小生に合わせられるかの実力です。」


「子敬殿に…合わせる?」


「はい。やっていくうちに文和殿も熱くなってきておりました。戦というのは全員の気持ちが一致していなければ成り立ちません。小生が遊戯に対して本気であることが文和殿にも伝わったようで嬉しいです。」


「それはあなたがこちらをその気にさせるのが上手いからですよ。私は意図せず乗せられていたのです。」


「まあ小生の実力も測っていたわけですがね。まあでもこれで気分が晴れました。文和殿は思っているほど悪い人ではないらしい。では本題に移りましょう。これで気兼ねなく作戦を練れるというものです。」


「子敬殿…いや子度殿は呼ばれないのですか?」


「敵を欺くにはまず味方から。まずは軍師二人で内緒話と洒落込みましょう。」


魯粛は不敵な笑みを浮かべた。


一方孟達は許昌の町を闊歩していた。


「あ、子度殿!お勤めご苦労様です!」


「あ、ああ俺か。おう、許昌は俺が守ってやるよ。」


商人から話しかけられた孟達は首を傾げて歩く。


「自分で変えた字だが、どうしても違和感あるなー。魯粛殿が呼ばれる度に反応してしまうし。」


孟達は魯粛と字が同じであったので、それを避けるために字を子敬から子度に変更していた。


「しっかしここもよく栄えてるなー。長安や洛陽も都の名に恥じぬ栄えっぷりだったが、ここも全然負けてねえじゃん。」


孟達にはある目的があった。

これから来る戦乱に向けての準備を密かに進めていた。

劉備は一筋縄ではいかない相手であることはわかっていた。

さらに諸葛亮や龐統が劉備についたとなれば敗色濃厚。

それをひっくり返すには奇策を用いるのがいいと考えていた。


孟達はとある路地裏に入る。

そこは大通りとは打って変わって薄暗く、仮にも朝廷の役人ともあろう人が入るような道ではなかった。


孟達はある場所で立ち止まり、そこにあった窓に向かって囁いた。


「例のもの、集まってるか?」


すると窓から厳重に封をされた木箱が差し出され、同時に手が出てくる。


「よくやった。報酬だ。」


孟達は木箱を受け取って手に金を握らせる。

そして意気揚々と路地裏を後にした。

その木箱の中からは不気味な音がしていた。


許昌は周りを城壁で囲まれ、その中に城と城下町が一体となっている。

魯粛、賈詡は、許昌の堅牢な城壁を利用した籠城戦を持ちかけることに決定する。

ただしただの籠城戦ではなく、相手の裏をかき、逆に兵糧攻めをする積極的籠城戦の方針である。


城に帰ってきた孟達へ魯粛、賈詡の二人は策を授ける。

それと同時に孟達も密かに進めていた作戦を二人に披露する。


孟達の奇策は採用され、この籠城戦の勝利を近づける。


天才集団を相手に、努力の三人はどのような戦を展開するのか。

時代を先取りしすぎた◯✖️ゲームです。

ボードゲームって古くから遊ばれててすごいなーと思います。(小並感)

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