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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
最終章 乱世の行く末
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洛陽会戦前日譚・馬正陣営

曹操、劉備、孫権による三方面同時侵攻作戦。

対する朝廷は各地に精鋭を派遣する。

三方面のうちの北、洛陽は馬正の一番側でずっと護衛をしてきた用心棒・項樊、執念と報復の知者・法正、そして傲慢だがその智勇は天下に轟く天才・禰衡が向かう。


洛陽はかつての都であったが、董卓が虎牢関の戦いで連合軍に敗れた際に焼き払われた。

しかし馬正はこの10年で長安のみならず洛陽も完全に復興。

更に主要な道の関を強化、増設。


10年という年月は東の同盟を強固にするのに十分な時間であったが、それと同じく西の防備にも十分すぎるほどの時間であった。


東の反馬正連合軍は小細工はなしで三方面に標的を決めて総攻撃を仕掛ける。

洛陽は曹操軍が袁紹、呂布らの残党を吸収して大軍勢となり攻勢をかける。


小細工がないことが明らかにわかる動きをする曹操軍。

それを見て項樊、法正、禰衡は洛陽に戦力を集中させる。

相手の参謀は荀彧。

一筋縄ではいかないことはわかっている。

さらに指揮官として夏侯惇、夏侯淵、楽進、于禁、曹仁、曹休…名声を轟かせた錚々たる面子を上げ始めたらきりがない。


法正、禰衡は並の策では看破されるのはわかっていた。

かといって奇策を用いても桁外れの大軍に通用するかは未知数。

剛勇、項樊はある意見を述べる。


「お二方、少しよろしいか。」


「どうした。」


「私を捨て駒として用いてくだされ。陽動程度なら働けます。その間に退路を断って持久戦を持ちかけてはいかがか?いくら大軍といえど所詮遠征軍。兵糧攻めで瓦解することなど目に見えております。」


「却下だ。お前が要だ。いい加減自分の実力を自覚しろ。」


「法正の言う通りだぜ。もし陽動でお前が死んだらそのあと残された俺様たちはどうしろってんだ?」


「私ごときにそのような価値はありませぬ。伯常殿の天下が目前に迫った今、命を捨てて勝利を目指す時でございます。」


「だぁから馬鹿は嫌いなんだよ!」


禰衡が大声を張り上げて地面を蹴り上げる。


「いいか!一回しか言わねえから耳かっぽじってよーーっく聞けよボンクラ!てめえは!馬正軍、いや中華全土で間違いなく最強の将軍だよ!ここまで言って価値がわかんねえなら本物の馬鹿野郎だこんちくしょう!」


禰衡が項樊の胸ぐらを掴む。


「禰衡、お前怒りっぽくなったな。」


「ああ?俺様間違ってること言ってっか?」


「言い方は最悪だが内容は全面的に賛同する。天下一の武と天下一の頭脳。それが洛陽に集められたとならばそれを軸に作戦を考えなければいけない。項樊、お前は最強だ。何度も言わせるな。お前だけは死なせない。あと俺と禰衡もついでにな。」


「俺様はついでってか。だが今回ばかりはそうだな。いいから自分が最強って自覚を持って馬正のために洛陽を生きて守れ。馬正も絶対同じことを言うはずだ。」


「孝直殿…正平殿…。武のみしか取り柄のない私がそこまで求められてよろしいのでしょうか。」


「何回も言わせんな。禰衡も俺も、なんなら敵もそう思ってる。お前が最強ってことは相手にも伝わってるんだからそれを利用してやる。」


「最強…。」


「だからそれを誇れ。そして驕れ。お前はそれで真の強さを手に入れる。」


「禰衡、この状況でいいことを思いついたんだが…。」


「お前のいいことってのは大抵よからぬことだよな。多分俺様と同じこと考えてるぜ。」


禰衡と法正は数人の兵を呼び寄せてとある作戦を実行する。


項樊は主君を幾度となく救った戟を見つめて決意を新たにする。

あの禰衡と法正に最強とまで言わしめた武。


「少し自惚れても…よろしいか。」


項樊の中で眠れる才能が目覚めつつあった。


曹操は圧倒的な大軍を率いて洛陽へ迫っていた。


戦が始まる。


次代を掴む戦が。

自分で書いててすごい緊張感です。

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[一言] やばなってきたな。
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