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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
最終章 乱世の行く末
38/54

戦とは

紀元210年。

中華全土は東西で二分されていた。

西を掌握する、安帝将軍・馬正率いる朝廷。

東は更に南北に別れ、北は袁紹、曹操の連合軍、南は孫権を筆頭とした江東同盟。

そして各地を放浪している劉備。


馬正、曹操、孫権、劉備。

四人の英雄が並び立つ。


東の南北の均衡が崩れてから10年が経った頃、西は朝廷が平定して力を蓄えているのに対し、東は長きにわたり戦乱が止まなかった。


と、思われていた。

馬正が最悪の場合と称した状況。

それが現実のものとなっていた。


曹操は袁紹傘下のため自由に動けないにしろ、それが逆に裏での謀略に一役買っていた。

孫権はそもそも自領のみが安全であればいい主義であったがある狙いがあって北と戦をしていた。

そして劉備は都を脱して荊州へ入り、天下一の頭脳を得てある目的のために動き出す。


三人の英雄は共通の目的を持っていた。


馬正の討伐。


それを気取らせないように全員が秘密裏に動いていた。

偶然にも全員が同じ目的に向かって。


10年間、全員が目的に向けてそれぞれで準備を始めていた。

東は全土で争っているという情報を西へ広めることによって、朝廷は偽りの安心の中で呑気に国内を固めると考えていた。


遡ること3年前、放浪の英雄、劉備が孫権へ合流する。

臥竜と称された天才、諸葛亮や鳳雛と称された天才、龐統、それらに肩を並べる徐庶といった十分すぎるほどの智略を得て。


劉備は曹操らとの同盟でもって馬正へ対抗することを提案。

しかし孫権も全く同じ思惑で、戦乱を長引かせることによってその裏で大戦への準備をしていた。


そして裏で孫権と曹操は密書によって内通。

袁紹や呂布らにすら気づかれないように裏で同盟を進めていた。


そして208年、袁紹と曹操は呂布へ向けて大軍を差し向ける。

徐州への大侵攻を開始した。

しかしこれは曹操の計略のうち。

袁紹へ進言して侵攻させることで内部への注意を疎かにさせて、油断しているうちに孫権と謀反を起こして呂布もろとも袁紹を討伐する。


劉備もそこに加わることによりその計略の成功は確固たるものとなる。

三人の英雄は手際良く冀州、徐州を占拠。

勢いのまま袁紹、呂布を討伐した。

長き戦乱によって袁紹軍の内部は既に士気が下がりきっており、曹操が謀反を起こした瞬間に大部分が寝返り、元から統率がとれていなかった呂布軍は逃亡兵だらけでまるで戦にならなかった。


そこで曹操、孫権、劉備は降将の張郃、顔良、文醜、張遼、陳宮などを登用。

袁紹、呂布、張邈やそれに続くものを処刑する。


冀州、青州、兗州は曹操、徐州、豫州は劉備、揚州、交州は孫権が領有することとなる。

こうして三人の英雄による強固な連合軍が中華の東を領する。


こうして中華を完全に東西に分断する戦いが勃発する。


「やはりこうなりましたね。」


馬正は一連の報告を書き終えてつぶやいた。


「10年前、劉備を逃したのは誤算でしたが、ここまで結束して向かってきてくれるなら手間が省けてむしろ助かります。」


最悪の場合。

しかしそれも想定内なら最良の場合。

10年前に話したことが今現実となっている。

曹操、孫権、劉備が徒党を組んでこちらと東西で対峙する。


黄巾の乱以来の、中華全土を巻き込んだ大戦が今始まる。


馬正は要所へ既に将軍を派遣。

細かく隊を組み分けし、侵攻があった地へ迅速に駆けつけるよう手配する。


対する連合軍は三方面同時侵攻作戦を画策する。


東西の雌雄を決する天下分け目の大戦。

その舞台となる場は洛陽、許昌、赤壁。

それぞれ曹操、劉備、孫権が西軍の領へ向けて進軍する。


対する朝廷は洛陽へは項樊、法正、禰衡、許昌へは孟達、魯粛、賈詡、赤壁へは馬騰、白、郭嘉、劉表を派遣する。


馬正は長安で帝と共に全体の指揮をとる。


天下分け目の大戦の火蓋が切って落とされた。

最終章開始です。

一気に時間が飛んでしまいましたが、これからクライマックスですのでよろしくお願いします。

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