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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
第三章 安帝将軍
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盤上の問答

ある程度落ち着いた都で禰衡と郭嘉は碁を打っていた。

相変わらず禰衡が押されている。


「いい加減学んだらどうだ?お前の戦術じゃ俺には勝てねえよ。」


「うっせえよ奉孝!ここから巻き返すんだよ。天才の俺様に負けはねえ!」


「その割には今まで俺に勝ったことねえけど。」


「過去のことなんて知らねえな。今勝つから帳消しだ!」


しかしお決まりの流れ。

禰衡は散々に負けた。


「くっそ負けた!なんだよお前!もうこれで稼いでいけよ!」


「だが少しずつ強くなっているな。まあ俺に勝つなんて100年早いがな。」


「そうだな。禰衡には碁の才能がないな。」


いつのまにか法正が碁盤の横に立っていた。


「なんだお前!天才に向かってなんてこと言うんだ!それにお前は江東に行く準備をしてたんじゃねえのか?」


「実力のない馬鹿ほどよく吠える。出発予定より早く準備が済んだんだ。」


「お疲れ様。この国の未来のためにもいい外交を頼むぜ。」


「ああ。誰かさんとは違って角が立たないからな。」


「おい天才の悪口か?才能に嫉妬してんのか?」


「ここまで散々に打ち負かされてる奴に才能なんて感じないな。」


いつものごとく二人が険悪になる。

郭嘉はそんな二人を楽しそうに眺めている。


「そこまで言うならお前がやってみろよ!当然奉孝に勝てんだろ!?」


「お前には余裕で勝てるだろうがな。郭嘉、一局お手合わせ願う。」


「たまには別の奴とやってみたかったんだ。受けて立とう。」


二人が向かい合う。

禰衡が横から不満そうに見ていた。


郭嘉と法正の実力は拮抗していた。

一進一退の攻防が繰り広げられていた。


「強いな法正。気を抜いたらすぐやられそうだ。」


「お前こそな。才能のない奴とばかり打って腕が錆び付いていると思っていたぞ。」


「いちいち嫌味な奴だな。いつか俺様の才能を見せつけてやる。」


実力は同等と思われたが、結局郭嘉が勝利した。


「負けたか。やはり郭嘉には勝てなかったか。」


「いや、お前も強かった。いい勝負だったな。」


「おい結局負けてんじゃねえか。奉孝に勝てなかったら俺様と同等だな。」


「なら俺と勝負しろ。哀れな無能に現実を教えてやる。」


「ああ!?望むところだ!」


二人は対局を始めるが、案の定法正が大勝する。


「負けた…。天才の俺様が…。」


「お前はいつもそうだ。碁に限らず、大局を見ようとしない。目先の利益に囚われるからこそその傲慢な態度で人を遠ざけるんだ。」


「まあそれが禰衡のいいところでもあるんだがな。しかし法正の言うことは聞いといたほうがいいと思うぞ。」


「奉孝まで…。なんだってんだ畜生。」


「俺は新参とはいえ馬正殿に仕える身。同じく馬正殿に仕えるのであれば主君の顔に泥を塗らんように、その傲慢さは控えろ。」


「俺様はこれでやってきてんだよ!お前なんかに意見されてたまるかよ。」


禰衡は碁盤を叩いて去っていった。

法正が座ったまま大きなため息を漏らした。


「ふん。それがわからんから碁すら満足にできんのだ。」


「まあ急には無理だろう。お前もお前で気持ちはわからんでもないだろう?」


「さあな。俺は俺を馬鹿にした奴に報復しただけだ。」


「なんというか…。いや、なんでもない。」


郭嘉は似た者同士だなという言葉を飲み込む。

執念深い法正の性格はわかっていた。


「参謀がこの調子ではこの先心配ですな。戦では息が合っていてもいずれ綻びが出ますでしょうな。」


賈詡が入ってくる。

馬正による監視の期間を終えて自由に行動できるようになっていた。


「全くだ。あいつに処世術を教えてやってくれ。」


郭嘉が賈詡へ言う。


「その必要はないでしょう。先程の孝直殿の諫言により正平殿は考えが変わったでしょうな。」


「それならいいがな。俺に感謝してほしいな。」


「それに関しては正平殿も感謝するでしょう。しかしやりすぎはいけませんぞ。」


法正が下を向く。

少し反省すべき点があったと自覚していたようだ。


「年の功ってやつだな。敵対していたとはいえ、お前から学ぶことは多そうだ。」


「そんなに持ち上げられても困ります。私はできることを精一杯するのみであります。」


賈詡は一礼し去っていく。

法正は目線を上げると何も言わずに部屋を出て行った。


「なんか弟が喧嘩してるのを傍観してる兄みたいな気分だ。賈詡はさながら父だな。だが賈詡の言う通り、確執があれば戦にも影響が出そうだな。気をつけねばな。」


郭嘉は独り言を言った。


部屋を出て行った法正は禰衡の元へ向かう。

禰衡は人通りが少ない場所にある道場に立っていた。

誰もいないことを確認してあることを始めようとしていた。

禰衡ってYouTuberしたら炎上系として数字稼げそうですよね。

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