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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
第二章 躍進
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邂逅

「さて、どうしたもんかね。」


禰衡がつぶやく。


「好きなようにしていいとのことです。」


魯粛が答える。

目の前に広がる街は、とても都とは言えないほど荒廃しきっていた。

民家は壁が崩れ、道端には死体が横たわり、田畑は干上がり、都全体が生気を失っていた。


「どこから手をつけたらいいか。そもそもなんでここまで荒れてんだよ。ここの統治者は頭おかしいぜ。」


「その通りでございます。皇帝を簒奪した挙句、都をこんな状況にまで荒ませるとは。」


「まずは協力者を探すか。それか馬正達が安全に拠れる場所を。」


「ええ。しかしここで分かれるのは危険、離れずに行きましょう。」


二人は地獄を歩く。

姿は現さないが、建物の隙間からこちらを伺う存在の気配を感じる。


「正平殿、いかがいたしましょう。」


「大丈夫だ。気にせず行くぞ。」


明らかな敵意を示すその目線を気にせず禰衡は進む。

しかし進めど進めど景色はほとんど変わらない。


「ここまで酷いとはな。あんまり馬正には見せたくねえぜ。」


「伯常殿の弟君も来るのでしょう。さすがに幼児には刺激が強いでしょう。」


「だがこうもどこもかしこも地獄なら手の施しようがないな。」


すると眼前に大きな宮殿が見えてくる。

帝と、それを操る悪臣がいる宮殿である。


「警備の兵が大量にいますな。」


「民のことは知ったことねえけど自分だけは安全にってか。ゴミ野郎め。」


「ん?あれは…。」


二人の男が兵の目を盗んで城壁に工作している。

どうやら穴を開けようとしているようである。


「あいつら何者だ?警備兵じゃなさそうだな。」


禰衡と魯粛はその二人に近づく。

その足音を聞いて二人は武器を構える。


「おっと、いきなり敵意剥き出しかよ。残念ながら俺様たちは警備兵でも長安の者でもねえよ。」


「それなら尚のこと見られては困る。口封じに死んでもらうしかない。」


「待て待て、ここで交戦したら奴らに気付かれちまうだろうが。そんなこともわからないのかこの馬鹿野郎が。」


「…ならば場所を変えるか。その暴言の報復はさせてもらわなければな。」


「おい法正、目的を忘れたのかよ。」


「正平殿、ここは穏便にせねばいけませぬぞ。」


それぞれ隣の二人が諌めた瞬間、法正は禰衡を見る。


「お前が禰衡か。噂通りの毒舌野郎だな。」


「俺様の才能に嫉妬するのは大いに結構だが、俺様たちはこんなところで油を売ってる暇はねえんだ。その穴、利用させてもらうぜ。」


「貴様が馬正の共でなければ絶対に協力しなかっただろうな。」


「お前…馬正を知ってんのか?」


「知ってる…というか馬正を盟主として反李傕・郭汜連合を作ろうと思ってるんだ。つまり癪に触るがお前達の協力者だ。」


「なんだそれを早く言えよ。助かったぜ法正。」


「お前の暴言は消えないがな。あくまで馬正に協力するだけだ。」


長安の偵察隊は法正、孟達と合流する。

法正は宮殿襲撃作戦を禰衡と魯粛に伝える。

しかし二人はその内容に納得がいかず、法正も交えて議論が始まる。


その頃馬正はようやく郭嘉、項樊、華佗と合流。

劉表から贈られた餞別とともに長安へ急行する。

そして偵察隊の禰衡から伝令が送られてきた。


「協力者を得た。宮殿襲撃作戦を立てて待機する。」


この報に馬正は大いに喜ぶ。

地獄を改革する日は目前である。


そして東では袁術を総大将とした反乱軍が兗州を抜けて冀州へ差し掛かっていた。


袁紹軍は鄴城にて袁術軍を待ち構える。

しかし反乱軍はもはや巻き返せないほど術中にはまってしまっているのであった。


そんなことはいざ知らず、少しつつけば瓦解する信頼でできた軍は進む。

呂布、劉備、陳宮、張邈はそれぞれ勝利とは別の目的で動こうとしていた。

最近モンハンが面白いです。

ライズもやる予定です。

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