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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
第二章 躍進
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狙い、絞り、撃つ

馬正一行は荊州に到着する。

早速劉表のところへ挨拶に行った。


「お久しぶりです、景升殿。この度はご面倒をおかけして申し訳ありません。」


「よい。まさかあの袁術を動かすとはやるではないか。この混乱に乗じて袁紹殿を勝利に導かんとな。しかし曹操殿と敵対してしまったのは厄介であるな。」


「それにつきましては私に策がございます。私だけが曹操殿と敵対するなら良いですが、景升殿にもご迷惑をおかけするなら話は別です。ここは一つ、私を荊州から追放してください。」


「書状が来た時点である程度は予想しておった。しかし父君や弟たちも巻き込むことになろうぞ。」


「はい。その点は既に話をつけております。共に長安へ向かい、帝と都を奪還する手筈です。」


「ふむ。では準備の期間がいるな。表向きは追放したこととする。後で使者に餞別を持たせよう。」


「お気遣い、感謝いたします。景升殿、お達者で。」


「うむ。また会う日まで。」


こうして馬正一家は荊州を表向きは追放されることとなった。

荊州に留まっていればいずれ袁紹や曹操が攻めてくる。

袁紹派の劉表としては敵対するのは避けたい事態であった。


「さてと、長安へ向かおうか。父上と弟たちを迎えに行かないとな。」


生まれ育った屋敷へ向かう馬正。

既に書状を送り、項樊と郭嘉を向かわせていた。

禰衡と魯粛には先に長安へ向かわせて偵察を頼んでいた。


「お久しぶりです。項樊、馬伯常殿の命にて帰参いたしました。」


「久しいな、項樊。書状は届いている。今すぐにでも出発できるぞ。それよりも隣の御仁は?」


「申し遅れました。私は郭嘉。字を奉孝と申します。」


「おお、あの秀才として名高い郭嘉殿か。よくぞ参られた。」


「私も馬正殿の補佐として、豫州よりお供させていただいております。此度の作戦、参謀としてお力添えさせていただきます。」


「これは心強い。剛力の項樊と秀才の郭嘉殿が共に来られるとは。」


(…馬正のこと馬正殿なんて初めて行ったぜ。ていうかこんだけ飲み込みが早いって、どんな書状送ったんだよ。故郷から離れるってのに旅行気分じゃねえか。)


「伯常は後に合流するということでよろしいかな?」


「その手筈です。劉表殿に話をつけてきて、もうすぐこちらへ着く頃ですが、先に行ってくれて構わないと言われておりますので。」


「では一足先に行くとするかな。育ち盛りが四人もいるので一苦労だな。」


馬正の父は馬正の弟たち四人を馬車に乗せ、従者数人と共に故郷を後にする。


馬正は華佗とともに先に出発した者たちを追う。


「そういえば劉表殿が餞別をくださるって言ってたっけ。元化殿、先に父上のところまで行ってください。私は劉表殿からの使者を待ちます。」


「承知しました。馬正殿も速やかに合流くださいませ。」


馬正は華佗と分かれた。

馬正が父の住んでいた屋敷の前で待っていると、一人の男が近づく。


「劉表殿の命で参った。黄祖と申す。馬伯常殿とはおぬしか?」


「いかにも、私が馬正でございます。あの孫堅を討った英雄とお会いできて光栄でございます。」


「ふむ、まだ未成年というのに礼儀も弁えているとは。おぬしならば帝と都の奪還、叶うであろうな。劉表殿からの餞別だ。必ずや勝利されますよう。」


黄祖の後ろには大量の物資が詰め込まれた車があった。

それも食料のみならず、一級品の武具まで入っていた。


「こ、こんなにたくさん!?よろしいのですか?」


「漢に二言はない。それに今の会話でおぬしの大器がわかった。いや、曹操を破った時点でその名声は天下に轟いておる。わしからの気持ちも入っておると思って受け取るがいい。」


「黄祖殿、心よりの感謝申し上げます。必ずや計画を成し遂げ、荊州に、いや天下に平穏をもたらしましょう!」


「ああ。おぬしの躍進、心より祈っておる。」


黄祖より支援物資をもらった馬正は、先行している者たちに追いつくため駆ける。


準備は整った。

馬正の快進撃が始まる。


そして長安では黒い影が二つ暗躍していた。

最近腹痛が多いような気がします。

消化管が仕事してない気もします。

連載は大丈夫です。

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