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令和の反三国志〜後漢のヤバい奴らを集めて王朝再興を目指す物語〜  作者: さきはるザメロンパン
第二章 躍進
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君主の明暗

「劉備と呂布と張邈が袁術につき、曹操と袁紹の連合軍に対して反旗を翻す。兗州のほとんどを吸収した劉備と呂布は数的有利を生かし、勢いのまま冀州へと攻め込む…。」


鋭い目をした青年が暴政の都を歩く。


「しかし策もまともにない急造の反乱軍は統率の取れた軍に歯が立たず、混乱の内に大将が討たれて散り散りとなる…まで読めたな。」


青年はある屋敷の前で立ち止まる。


「全く出来過ぎだ。これが全てあの馬正とかいう奴の仕業だとしたら末恐ろしい。自分が曹操を釣り出すだけで小さな反乱は起こっただろうが、少し働きかけるだけでここまで大きな戦を起こすのだからな。そう思うだろう?孟達。」


屋敷の塀の影から一人の男が出てくる。


「でけえ独り言かと思ったぜ、法正。それで、お前が直々に頼みに来る相談事ってのはなんだ?」


孟達。字を子敬。法正と同じく司隷出身。弁舌に優れ、また武術や軍事にも秀でているが、例に漏れず性格に難がある。


「そろそろ俺の目的を果たす時だ。この地獄をぶち壊すんだよ。」


「そう言ったって兵も地盤もねえ俺たちが奴らを倒せるか?」


「察しが悪いのは相変わらずだな。うってつけの手勢がこっちに来てるんだ。」


「えーと、さっき言ってた馬正ってやつか?そいつがどうかしたのか?」


「そいつらは曹操から逃れるって名目でこの長安まで来ようとしてる。だがこの腐った都に落ち延びる物好きがどこにいるんだ。恐らくは俺と目的は同じ、長安と帝の奪還だ。」


「つまりそいつらに協力してもらって李傕と郭汜を処するってわけか?」


「ああ。そのあとは馬正に仕えて天下取りの手伝いでもなんでもすればいい。こっちが先に利用したんだ。そいつの目的を果たすまでの恩返しぐらいはするさ。」


「もう策は考えてあるのか?」


「当たり前だ。まず馬正を迎える準備をしなければな。行動は明日の朝。抜かるなよ。」


「任せとけ。腕が鳴らあ。」


策略家・法正、猛将・孟達。二人は密かに反旗を翻す。


一方、冀州では曹操軍の参謀である程昱と荀攸、そして曹操の側近である荀彧に加え、袁紹の参謀である田豊、猛将の張郃といった面々が作戦会議を開いていた。

しかしほとんど相談することなく会議は終了する。

満場一致で作戦が決まったからである。


全体の指揮は田豊、軍ごとの指揮は荀彧や程昱、荀攸に任され、現場の指揮は張郃を責任者に置き、綿密な作戦の元動くこととなる。


対して袁術軍は完全に増長していた。

劉備、呂布らが袁術に合流してからというものの、連日宴を開きろくに作戦を立てるようなこともしなかった。


劉備、陳宮、孫策はその状況に不満を持ち、宴に参加してもすぐ帰るような態度を見せる。

それを見た袁術、呂布、張邈は不満を持ち、すぐに帰らせなかったり、帰ったらまた呼び戻すなど、無理やり親交を深めようとしてむしろ悪化させていた。


袁術陣営は戦う前から崩壊しており、劉備、孫策といった知者は密かに大戦のどさくさに紛れて離脱しようと画策する。

陳宮は呂布を説得して袁術を捕縛し、それを手土産に袁紹へと降ろうとも考える。


もはや勝敗は始まる前から決まっているようなものであった。


奇しくも袁術軍が冀州へ出兵する日と、法正が裏工作を始める日が重なる。

馬正一行は既に荊州へと踏み込み、まもなく劉表と会うところであった。

なんか日常編みたいな話も描きたいんですけど、描き始めたら次々進んじゃうのでなかなか無理なんですよね。

ていうか状況的にだらだらしてる場合ではないので。

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