第一話 元気なトヨさん
おばあちゃんのトヨさんは、いつも元気いっぱいです。
犬のミミちゃんの散歩、掃除、洗濯、ご飯の支度まで大はりきりでやっています。
孫の奈々ちゃんは、大人しくて自分の思っている事の半分も言えません。そんな奈々ちゃんは一緒に住んでいるおばあちゃんの事が苦手です。
ある日、お友達の家で遊んでいる奈々ちゃんを、おばあちゃんが迎えに来ました。帰り道、おばあちゃんが「奈々ちゃん、今日はお友だちと何をして遊んだ?」と聞きました。奈々ちゃんは「えっとね、画用紙に絵を描いたりしたよ」と答えました。
家に着くと、おばあちゃんは、奈々ちゃんのお母さんと一緒にせっせと夕飯の支度に取り掛かり始めました。奈々ちゃんはお友だちの家で描いた絵を誰かに見てほしくて仕方ありません。絵を持って台所と廊下をウロウロ行ったり来たり…でも誰も忙しそうで奈々ちゃんには気づきません。奈々ちゃんは絵を見てもらう事を諦めました。
夕飯が終わって奈々ちゃんは絵本を読み始めました。すると、おばあちゃんが「奈々ちゃん、お風呂に入るよ」と大きな声で呼んでいます。奈々ちゃんは絵本を読みたかったのですが、それも言えずに「うん」と返事をすると、おばあちゃんとお風呂に入りました。そんな時、いつも元気なおばあちゃんが嫌だなと思ってしまうのです。おばあちゃんは、奈々ちゃんが風邪をひいた時、とても心配してメロンを買ってきてスプーンで食べさせてくれました。運動会で奈々ちゃんが走る時は大きな声で応援してくれます。そんなおばあちゃんが大好きなのに、嫌だと思ってしまう自分が悲しくなるのでした。




