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全ては竜の御心のままに  作者: 酢兎
竜争歴十六年 アルイスト連合国編
7/11

7

感情表現が出来ないから三人称視点のコレを書いたって話、しましたっけ

何にせよその予定だったコレですが、見ての通り今度は説明文長すぎ状態

あれ、三人称視点の小説ってこんなに説明多かったっけ

んなわけねぇじゃろがいっ!と突っ込みたい方、どうかお許し下さい

 イヴァンスが宿舎に戻ると遠巻きに宿舎を見ている者達が居た。恐らくイヴァンスの噂を聞いて来たのだろう者達は、イヴァンスが現れるとそれぞれ反応を示し喜びや驚き、不満等の感情を思い思いに浮かべていた。イヴァンスはそれに気付いている様子であったが、しかし何かをする事も無く宿舎へと入っていった。集まっていた者達もひと目見て満足したのか、それぞれが勝手に去っていった。


「害意が無いので無視しましたが問題無さそうですね。それでは寝るとしますか」


 宿舎の中から外の様子を窺っていたイヴァンスは、外が静かになったのを確認してから隊長室の隣にある寝室へと入った。そこは隊長室と同様最低限の物しか置いていないが、睡眠を取るだけの部屋とするなら十分な質があった。特にベッドなのだが…、何故かイヴァンスはベッドにある布団を取った後に隊長室に入り、そして部屋の隅の壁にもたれこみながら座り、剣を隣においてから目を瞑った。どうやらその体勢で寝るようだ。

 その理由もまたイヴァンスが野宿の長かった生活をしていたが故だ。西の大陸ではいつ何処でだって安心して休むことは出来なかったからである。

 …西の大陸が危険とされているのは何もドラゴンがいるからだけではない。十数年前、ドラゴンが西の大陸を根城にして少し経ってからある異変が起きた。なんとそこに元々生息していた陸型の魔獣に翼が生えたり、飛行型の魔獣が火を吐いたりと異様な進化を遂げていたのだ。理由は未だ不明ではあるが原因の一端としてドラゴンが関係している事が明らかだったために、それらの進化を遂げた西の大陸の魔獣を新たに『竜種』として認定された。竜種の魔獣は全てが凶暴化しており、常に竜種同士で争っている程でそれに巻き込まれれば無事にはすまない。そんな状況でゆっくりと休める訳もなく、常に警戒しながら休むしかないのだ。精神と肉体のどちらも消耗させられる場所は確かに、耐えられれば良い修行場所だろう。耐えられればの話だが。

 つまるところイヴァンスは常に警戒しながら睡眠をする為ににこうして寝ているのだ。既にそういう生活に慣れてしまったイヴァンスはこうして今も、警戒する必要等無い場所であってもこの睡眠方法しか出来なくなったのだろう。



 とはいえ早々何かが起きるわけもなく、何事も無いままに朝になった。


 宿舎から少し離れた空き地で、まだ仄暗い外で鍛錬をしている何人かのハンターの声も聞こえてくる。そして、その中にイヴァンスの姿もあった。


「ふっ!はっ!」


「おぉ元気がいいな!俺も負けてられんなっ!」


 辺りが薄暗くてよく見えないのもあるが、周りのハンターもまさか見慣れないイヴァンスの正体が噂の零番隊だとは思わず、新人が張り切っているなと関心している程度だ。

 鍛錬とはいっても、ただの空き地で行っている為素振りや筋トレ、ランニング等の簡単なものが主となっていて基礎体力作りが目的のもの。一部では人間同士での実戦練習も行っている様子もあった。



「一足お先に失礼します」 


「おう。またなっ!」


 朝日が見え始めた頃にイヴァンスは鍛錬をやめて、周りに声を掛けてから宿舎へと戻った後、浴室で水浴びをして汗を流していた。この水もまた魔法で貯蓄された物であり、魔法の使えないイヴァンスにとっては有限の資源である。今日明日で無くなる程ではないが、悠長にしていられる時間もあまり無い。…イヴァンスが言えば誰かしらが用意してくれるだろうが、イヴァンス本人はその事を思い付いておらず、如何にしてこの二日で勧誘を成功させるかだけを考えていた。


「タレントが無理であれば何処かのハンターを引き抜くことになりますが…。あまりそれはしたくないですね」


 水浴びを終え、彼が気に入っている軽装に着替えてから宿舎を出る。正確には他の服が無いからで、その辺りも調達しなければいけない物だと思われるが、彼にその気があるかは怪しい所だろう。



 イヴァンスが宿舎から出て十数分、零番隊の宿舎から反対の場所にクレセールはある。


「見た目は宿舎と変わり無さそうですね。耐久性のある作りになっているぐらいですか。修繕の様子も見えますし、色々とあったのでしょう」

 

 ただ、修繕自体はこの国全体の特徴ではある。いくら移動要塞のアルイストといえど襲撃は何度もされているからだ。ドラゴン勢にとって対ドラゴンを掲げている本拠地なのだから煩わしいのは当然で襲撃もまた然り。その際に民家や施設が被害にあるのは仕方のない事であり、それらには修繕のあとが残っている。ツギハギのようなくっきりとしたものではないが、見る人が見れば分かる様なものだ。後、木造なのは急ごしらえの零番隊宿舎だけであり他の宿舎や建物は耐久を意識している造りである。

 朝早い時間であるがどうやら入り口は開放されているようだった。朝早くから教育予定でもあるのか、ちらほらとタレントらしき人達も居た。イヴァンスは入り口付近の警備員らしき人物へと話しかける。許可を取りに行くつもりだ。


「すみません。クレセールを見学したいのですが、よろしいでしょうか?」


 イヴァンスは警備員に胸元に付けている紋章を見せながらそう言った。


竜討伐隊ドラゴンバスターズの方なら自由に入場しても構いません。ただ、一応目的をお聞かせ願っても?」


「クレセール内の見学です」


「そうでしたか。まだこの時間はタレントの人数は少ないですが、見学には丁度良いかもしれません。ごゆっくりどうぞ」


 警備兵は納得してイヴァンスへと入場を促す。ちなみに、彼の言う通り紋章を見える位置に付けてさえいれば自由に入場が可能で、態々許可を貰う必要は無い。彼も変な事を言うイヴァンスを新米ハンターだと思い、一応質問しただけだろう。

 

「昨日の資料にクレセールの見取り図もあって助かりましたね。早速第一棟に向かいましょう」


 昨日、イヴァンスが読んでいた資料にはクレセールについての事も書かれていた。見取り図もそうだがクレセールでの制度についてもだ。そのお陰でイヴァンスも多少の予備知識を持ってクレセールに向かえた訳だ。

 クレセールには三年間の教育課程があり、それぞれに一課生、二課生、三課生と分かれている。そしてその課生ごとに建物や敷地が用意されていて、イヴァンスが向かっている第一棟は一課生の場所だ。



「青い花ですか。あまり植物には詳しくないので何の花かは分かりませんが、綺麗ですね」


 第一棟の壁には青い花が沢山描かれており、とても綺麗だ。同じ花で同じ色ばかりなのが少し寂しく感じるがそれもまた味がある、のかもしれない。


「それはスィーナっていう花ですよ」


 イヴァンスの呟きを聞いていたのか、花の名前について後ろから答えがきた。イヴァンスもそれを聞き後ろへと振り返る。そこには二課生に支給されている黄と白で彩られた制服を着た少女が居た。長いが整えられてる蒼い髪の隙間、その少女の緑の瞳がイヴァンスを見た途端に、分かりやすくおどおどと挙動不審になった。


「あ、いやこれは失礼。何か怖がらせてしまったかな」


「いえっ!そんな事ない…です」


 今なお挙動不審な彼女を見て何も問題ないと思う人物は居ない。原因は言わずもがな、イヴァンスであり、更に言うならば彼が付けている竜討伐隊の印章を見たからだ。詰まるところ、少女は緊張していた。


「…それにしてもスィーナですか。ご迷惑でなければ、由来等を知っているのでしたら教えてもらいたいのですが、どうでしょう?」


 イヴァンスもその原因に気付いているが少し考えた後、あえて触れずに少女へと話しかける。少女はイヴァンスからの質問に慌て、深呼吸をして落ち着いてからゆっくりと話し始めた。


「わ、私も詳しくは知らないんですけど。私達タレントは所謂世界を救う者、救世主ともいえる竜討伐隊の見習いという立ち位置にあります。なのでその…、緊張してしまったりとか気負い過ぎてしまう人が多いんです。特に一課生が。ですので、一課生の印章はそれを払拭させる為にとスィーナの花になっているんです。スィーナの花言葉は『明るい』『元気』等の意味がありますから」


「なるほど、そういう理由でしたか。ありがとうございます。助かりました」


 少女の緊張が無くなることはなかったが、話をしたお陰か多少は落ち着きを取り戻していた。それを確認したイヴァンスは何か思案している様子だ。

 

「あの」


「おっと、すみません。少し考え事をしてしまいました。お話中に失礼なことをしてしまいましたね」


「いえ、そんな。全然大丈夫です!あぁと、そうじゃなくて。あの!」


 黙っていたイヴァンスに声をかけた少女は、先程の様に緊張している様子だ。


「失礼な事をお聞きしますが、ここには初めてのご来訪でしょうか?」


「…ええそうです」


 イヴァンスの返事を聞き少女はそこで一息つく。いや、更に深呼吸も始めた。それほどに言うのを躊躇うような内容なのだろう。


「ということは、う…噂の零番隊の方でしょうかっ!!」


 少女は緊張のしすぎで声が大きくなってしまっていた。少女の元々の声量が小さいのが幸いというべきか、目の前に居るイヴァンスにとってそこまで気になる大きさでは無いようだった。


「クレセールに通うのが義務であるハンターが、花を知らないどころか来訪するのも初めてというのはおかしいですよね。いやはや、失態です」


 少女の質問に答えるようにイヴァンスは自らの失敗を語る。イヴァンスの反応を見て、質問した本人である少女も、まさか本当に噂の人物だったとは思っていなかったのか、どうすればいいか混乱している様子だ。


「ご指摘の通り、私は零番隊のイヴァンス、イヴァンス・ロアと言います。貴方の名前をお伺いしても?」


「わ、私はタレントニ課生のディーネ・アクロンです。よろしくお願いしますっ、イヴァンス様」


「様なんてそんな仰々しい呼び方をしないで下さい。私は最近までただの流浪の民、そう言われるのは慣れてないのです。どうかお気軽にヴァンと」


 先程、ディーネが言ったように竜討伐隊は人類のとっての救世主である。その救世主の頂点とも言える隊長にこう言われてしまえば、誰もが戸惑ってしまう。勿論彼女も例外では無く、動揺しているのは誰からも一目瞭然だろう。…彼女の場合は最初からずっと動揺しているようだが。


「う、うぅぅ。でしたらヴァンさん、とお呼びします」


「よろしくお願いしますね、ディーネさん」


 イヴァンスはディーネに手を差し出す。それが意味する事を察したディーネはやはりどうするか悩んだ様子だったが、流石に何も反応しないのは失礼だと思ったのだろう、恐る恐るイヴァンスの手を掴んだ。イヴァンスは笑顔であるが、ディーネはイヴァンスの顔を見ることが出来ずに俯いていた。


久しぶりに書くとやっぱり設定とかぶっ飛んでますね

せめてメモぐらいは取っておくべきだったなぁと過去の自分を殴りたい気分

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