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ふたり並んで  作者: さく
10/11

反省男子

 試験の結果はぼろぼろだった。

 試験勉強がほとんど手につかなかったんだから、それも仕方のないことだと思う。


 あの翌日、ユウキは校門のところでわたしを待っていて、土下座をせんばかりの勢いでわたしに謝罪した。

 ユウキに抱きしめられたときの恐怖はまだ残っているけれど、ひとりでついて行ったわたしも悪かった。


 卒業アルバムを見せてもらいたいのなら、学校に持ってきてもらうなり、ユウキの家の前で貸してもらって持ち帰るなりできたはずだから。


 だからわたしも謝って、それで今回の一件はおしまいということにした。


 ユウキは、もう二度とあんなことはしないと約束してくれたのだから、それを信じようと思う。

 これ以上引っ張ったっていいことなんてないというのは、わかっている。

 あとはわたしの気持ちの問題だけれど……それも、時間が経てば解決するはず。


 ユウキがナカに対してとってきた行動も、ナカが言っていたように自分の目的のためだけだったとは思えない。

 でないと、ユウキが今、これだけみんなに好かれているはずはないと思うから。


 保育園や幼稚園のころから小学校、中学校と、ずっと集団生活を送ってきたわたしたちは、人を見る目も養ってきている。高校に入るころには、表面上だけ装っている人と、そうでない人との区別だってある程度できるようになっている。


 格好いい男子を前にきゃあきゃあ騒いでいる女子だって、それが顔だけなのか、内面も伴ってるのか、きちんと見極めている。

 女子の目を侮ってはいけない。


 恋は盲目って言うし、確かにそんな状態に陥ってしまうときだってあるかもしれないけれど、そんなときはそばにいる友だちが放っておかないはずだ。


 女子の絆は固いのだ。

 

 それはともかく、男子だって、十年近く集団生活をしていれば、いろいろな人を見てきているわけで、その間、いろいろな経験をしているはずだ。

 それらの経験から、人を見る目もやっぱり養われていると思う。


 だからナカだって、本当はわかっているはずだ。


 相手に好印象を与えたいというのは、少なからず誰にでもある気持ちだということを。


 ユウキがナカに声をかけたとき、その動機の全てが打算によるものだったとは、誰にも言いきれないはずだ。

 ナカのことを心配する気持ちだって、いくらかはあったんじゃないかと、わたしは思う。


 ユウキは、きっと、そんなに悪いヤツじゃないから。

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