「鞄からどんどんぱんつが出てくる呪いをかけてやる!」
例えば、ここに下着があるとする。それも大量にだ。
特に女性物のパンツ(この際パンティーでもいい)と仮定しよう。
実際にあるとして、いや、あるわけじゃないんだが、とにかくそれが目の前にあるのを想像してみろ。
9割9分、普通の男性諸君ならそれが天国だと感じるだろうが、俺はそうは思わない。
・・・現実に、目の前に、大量にある俺からすればうんざりを通り越して呆れる他ない。
『鞄からどんどんぱんつが出てくる呪いをかけてやる!』
幼なじみ(面と向かっては言わないがそこそこ可愛い)が今日の学校の帰り
イジられまくって涙声になった時に言い放った呪いの言葉が
ひょんな事でヒマな神樣に届いてしまったらしい。
そうこうして、家に帰った俺が学校道具を取り出そうとして鞄に手を突っ込んだら
え?俺だってこんな枚数持ってないよ?みたいな枚数が出てきた。
普通、普通じゃない、普通、スケ、スケスケ、まあその・・・うん
と言った色とりどり、種類も豊富と。
「これどうすんの・・・どう見てもその辺に廃棄も隠すも出来ない数なんですけどコレ。てかどうやっても入りきらないんだが・・・」
素直に喜ぶことも出来ないまま、胡座をかいて処分方法を考えていると、玄関を盛大に叩く音が聞こえる
それも、さもぶち破らんばかりに扉を叩・・・ぶち破って来た。
そして勢い良く俺の部屋がある2階へ駆け上がってくる。
「ちょっと!私が着けてたぱ・・・パン・・下着知らない!?」
息を切らして怒鳴った幼なじみは4つ5つ深呼吸をすると、俺が手元に持っていたあるモノへ
ゆっくりと、視線が向かう
「おう、オマエが変な呪いかけるから何かパンツがたいりょ」
「私の下着!これも!・・・これも!」
持っていたもの、まあつまりパンツだ。・・・を引ったくる様に奪うとヤクザキックをかましてきた。
俺、何も悪くないはずなんだが・・・
―――その時、”着けていたか”は幼なじみの為に、秘密としておく。