召喚者は脅すついでにヒロインポジションの女の子を攫っていく訳です
「む、むむう・・・ここはどこじゃ?」
おっさんの一人が目を覚ました。
生きているのは、俺が障壁を破壊した後、新たにバリアを展開してあげたのだ。
その名も完全遮断
効果はその名の通りこれを破く事は絶対不可能、安全安心なのです。
だから誰も死んでないし、けがもしてない。
その後に魔法でぐるぐると縛り上げたらあら不思議、人間簀巻きの出来上がり。
おっさんは自分が拘束されている事に気付くと、俺を怒鳴りつける。
「貴様!今すぐにこれを解「えっ?ドラゴンブレス?」いえなんでもないです、許してください。」
おっさんは俺が魔法陣を光らせると、簀巻きにされたまま頭を思いっ切り地面に叩きつけ俺に土下座をする。
うん、ちゃんと恐怖を刻み込んでいるようだね。
そうじゃなかったら第2ラウンド目が始まるところだったよ。
他の人たちもおっさんに続き目を覚ましていった。
「よしよし、全員起きたみたいだね。」
これから、この世界についての情報を聞き出したいと思う。
すると、ローブを被った人の一人が声を出す。
「貴方は一体何者なんですか?」
へ?今の声、男にしては音程が高すぎないか?
「ちょっと、今発言したの誰?」
だいたいの人が目をそらす中、ローブを被った一人だけが俺をまじまじと見つめる。
その頭に被ったフードを脱がせると、金髪の美少女がいた。
18歳ぐらいだろうか、俺より少し歳上みたいだ。
ぐふっ⁉︎
マジで可愛すぎる!
俺はその子の縄を消して、手を握った。
「ねえ、きみ!名前は?俺は佐々木悠太郎、17歳!出来れば、ユウって呼んで欲しいな!で、好きなものは超絶可愛い君の笑顔!」
俺の怒涛の自己紹介に少し引かれてる気もするが、その子も自己紹介をしてくれた。
「わ、私はシャルルです。そ、それで宮殿魔導師をやっています。」
「歳は?何歳?」
「えっと、18です。」
「好きな食べ物!」
「ハンバーグ...です。」
「おぉ!じゃあ、最後に笑顔で一言!」
「えっ、一言ですか?えっと、ふ、不束者ですがよろしくお願いしゅます。」
シャルルはニコッと苦笑いをする。
可愛い!可愛すぎる!
名前も可愛いし、ハンバーグ好きってところも可愛い!
一言も最後に舌を噛んだところが最高に良い!
「あの・・・どうしてそんなにお強いんですか?貴方の世界には魔法という概念が無いはずなのに・・・貴方は何者なんですか?」
「うん、確かに魔法は無いよ。でもこういう類の物語はあってさ、魔法とか魔術とか色々出てくるんだよ。だからそれのマネをしただけ」
「じゃあ、私を弟子にして下さい!弟子にしてくれたら、私ができることならなんでもやりますから!」
シャルルは胸のまえで手を組み懇求してくる。
私なんでもやりますから!
いったいなんて素敵な言葉なんだ。
シャルルにあんなことやこんなことを・・・グフフフッ、そういうことなら弟子にするなんておやすい御用だ。
まあ、俺の弟子になったところで強くなれるのかは知らないけど。
「いいよ、弟子にしてあげる。」
企んだした心をうまく隠しながら許可を出した。
「え、良いんですか!ありがとうございます!」
「そのかわり、約束はちゃんと守ってよね」
「はい!私、一人暮らしをしていたので、掃除に洗濯料理などは得意なんです、任せてください!」
あは…は、そうだね、家事や雑用を・・・・・・なんでだろう、数秒前の自分をぶん殴ってやりたい。
この子の笑顔を見てるとやっぱりなしとは言えないかった。
「よし、さっそく行こうか。シャルル、どこか誰も来なそうな静かな場所ってない?」
「はい、でしたらこの国をでて東側にかなり行くとアパルトという場所があります。誰もいない未開発の土地ですよ」
「じゃあ、そこに行ってみようか」
「分かりました、さっそく馬を準備させます」
「いやいや、転移魔法を使おう、多分使えるから」
なんとなくできる気がする。
「そんなことも出来るんですか!後で私も教えて貰わないと!」
「じゃあ、行こうか」
俺はシャルルと手を繋ぎ、足元に魔方陣を作る。
「おっと、おっさんたちを解放するの忘れるところだった」
俺はおっさんたちを縛っている魔法を解く。
危ない危ない、全く話に入って来なかったから危うく放置するところだった。
つーか、いつまで怯えてんだ。いや、脅したの俺だけどさ。
「じゃあな、とっつぁーん」
「はっ、はい!お気を付けて」
うーん、残念だな、そこは「待てー!ル○ンー!」とか言ってきてほしかったな。
俺とシャルルはアパルトへと転移した。