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まだ始まってすらいねぇよ!!

「くっ、もう少し早く逃げる準備をしておくべきだった。そうすれば、あの漫画も持っていくことができただろうに。ちっ、悔やまれる。」

その少女の体は満身創痍なんだがちっとも傷のことは気にせずに、狭い路地を歩き続けた。足を引きずり、壁にもたれながら。彼女が歩いた跡は赤く滲んでいた。



雨、校舎から出ると雨が降っていた。天気予報でも言ってなかったので、傘を持って来ている奴なんて、学校に置いていってる奴ぐらいだろう。高校生にもなって置き傘をしてる数はとても少ない。そのため、ほとんどの生徒が帰れなくて困っている。

だが、僕は違う。傘を持っている。別に置き傘をしているわけではない。たまたま今日、持ってきたわけでもない。そう、僕は毎日、傘を持ってきているのだ。しかも二本。理由は単純、刀みたいでかっこいいから。


大体、バトル漫画なんかに出てくるキャラは少なくとも一人は刀を扱うはずだ。僕は、そんなありきたりなキャラにハマってしまった。かなりマニアックな漫画でタイトルは〔轟け!マンデイ!!〕である。このバトル漫画にも当然の如く剣士がいて、そのキャラクターの名前は、紗霧 樗吟(しゃきり ちょっきん)というものである。特徴としては、金髪、短髪でイケメン、隻眼、二刀流って感じである。衣服は大体、着物である。イケメンなんてのはもう諦めてる。だから僕は一時期金髪や隻眼の方を真似しようとしたところ、親にこっぴどく怒られてしまった経験がある。それ以来は一番真似できそうである紗霧の二刀流を真似て傘二本を持ち歩いている。


何がともあれ、いつも傘を持ち歩いていることが幸を成した。さぁ、学校を出よう誰にも傘は貸さないぞ!ダジャレじゃないぞ!僕は前に誰もいない校門までの道を通って校門を出た。






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