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くだらない僕の。

キミと。

作者: ブリオニア

あの頃 ボクらは バカみたいに笑ってた

なにが可笑しかったのか

なにが楽しかったのか

もう 思い出せないけれど


もう何年経つのだろう

今だって 可笑しければ笑うし

楽しければ笑う

それでも 何かが違うんだ

何が違うのか 分からないのだけれど


「馬鹿だなぁ、そんなの決まってんじゃん」

久々にあった君は 昔のまんま

「俺がいないからだろ」

全く君は どれだけ自意識過剰なんだい

「なに言ってんだ 事実だろ」にやっと笑う君に つられてボクも笑う


それからボクらは他愛のない話ばかりしてた

勉強とか

部活とか

テレビとか

誰かの恋愛話とか

どうでもいい話ばっかり

それでもぼくらはバカみたいに笑って

気がつけば 夜の帳が落ちていた


「なぁお前は?」

「何?」

「好きな奴とか、いねーの?」

「ボクの好きな人は今も昔も一人だけだよ。知ってるでしょ」

「まだ好きなのかよー…、もう何年だ?」

「そんなの忘れちゃったよ」

「……だったら、もう…そいつのこともさ」

君は珍しく言い淀んだけど

君の言いたいことは分かってた

だからボクは遮って

君に別れを告げる

「また来年、この日この場所で」昔と変わらない姿の君に

また一つ歳を重ねるボクが

別れないための 別れの言葉


お願い

これはボクの我が儘だから

君はいつものように偉そうに笑っていて

来年も

再来年も

ずっとずっと先も

ボクとバカみたいに笑ってよ


月明かりの下

手向けた花に

君への思いを残して

ボクは─…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日常の切なさに酩酊しました。 僕たちはどうして大きくなってしまったんだろう。 いつまでもいつまでもくだらないことで笑っていたかった……。 ありがとうございました。
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