第十七話:精霊たちの秘密、愛の贈り物
エルナが世界中の人々を癒やし、多忙な日々を送る中。 セフィロスが仕事で聖域を離れた隙を突き、下級精霊たちがエルナの元へ集まった。
「聖女様! いつも私たちを大切にしてくれてありがとう!」 「私たち、お返しがしたいの!」
彼らがエルナを連れて行ったのは、世界樹の最深部にある、精霊たちですら滅多に立ち入らない伝説の回廊だった。 そこには、精霊たちが何日もかけて編み上げた、「光の糸のドレス」と「万年雪の真珠」で飾られた祭壇が用意されていた。
「これは……?」
「結婚式の準備だよ! 王様は独占欲が強いから、自分だけで地味に済ませようとするかもしれないけれど……私たちは、世界で一番綺麗なエルナ様を、みんなでお祝いしたいの!」
精霊たちの純粋な「恩返し」に、エルナの目から涙が溢れた。 かつては石を投げられ、泥を啜るような扱いを受けていた自分が、今、この清らかな種族たちに心から祝福されている。
そこへ、予定より早く戻ってきたセフィロスが現れた。
「……何をしている、私のエルナを囲んで」
殺気立つセフィロスだったが、精霊たちが必死に作り上げた「結婚式の舞台」と、それを見て幸せそうに泣くエルナの姿を見て、ふっと毒気を抜かれたように息を吐きだした。
「……やれやれ。私の計画では、二人きりの密やかな儀式にするつもりだったんだが。……たまには、君たちも気が利くじゃないか」
セフィロスは、エルナの肩を優しく抱き寄せ、彼女の涙を指で拭った。
「……エルナ。皆がこれほど望んでいるんだ。……世界で一番、贅沢で、誰にも邪魔されない誓いを立てよう」




