第十話:加護の泉と、逃げられない愛撫
そこは、世界樹の根元に湛えられた、乳白色に輝く神秘の泉。 立ち込める湯気は、吸い込むだけで意識がとろけるほど濃密な魔力を含んでいた。
「……っ、セフィロス様、やはり、ご一緒に入るのは……!」
薄い布一枚を纏っただけのエルナが、震える声で抵抗した。しかし、セフィロスは背後から彼女の肩をそっと抱き、耳元で切なげに囁く。
「私の魔力がなければ、この泉の圧力に君の細い身体は耐えられない。……私を信じて。君を苦しめるものは、指先一つ分も残したくないんだ」
その慈愛に満ちた(フリをした)瞳に見つめられ、チョロい……もとい、純真なエルナは「私のために、そこまで……」と、コクリと頷いてしまう。
泉の中に、二人の身体が沈む。 お互いの肌が触れ合う距離。水中で揺れるエルナの柔らかな曲線が、セフィロスの理性を千切れんばかりに引き絞る。
「……失礼。背中を流させてもらうよ。ここは、魔力の澱みが溜まりやすいんだ」
セフィロスは、震えるエルナの背中に、自分の大きな掌を這わせた。 薄い布が水に濡れて透け、彼女の白い肌に吸い付いている。
「あ、ん……っ。セフィロス、様……」
背骨のラインをゆっくりと、指先でなぞり上げる。ただの「洗体」にしては、その動きはあまりに執拗で、官能的だった。セフィロスの指が通ったあとに、熱い魔力の火照りが残る。
(……ああ。指先から伝わる、彼女の柔動。なんて細く、壊れそうな身体だ。これを今すぐ、私の腕で折れんばかりに抱きしめ、この泉よりも熱い衝動を注ぎ込んでしまいたい!)
セフィロスの内心は、もはや沸騰寸前の溶岩だった。 しかし、表面上はどこまでも「献身的な精霊」を演じる。
「……くすぐったいかな? でも、ここを解さないと、夜にぐっすり眠れないよ」
そう言いながら、彼はさらに踏み込んだ。 エルナの脇から腕を回し、彼女の胸元に指先を滑らせる。
「あ、ひゃいっ!? そ、そこは……っ!」
「……悪いところ(澱み)を、外に追い出しているだけだよ。……エルナ。私にすべてを委ねて。君のすべてを、私に預けておくれ」
セフィロスは、混乱しきったエルナの身体を、正面から抱き寄せた。 水中で密着する、男の硬い胸板と、女の柔らかな膨らみ。 エルナが羞恥で瞳を潤ませ、彼の肩に顔を埋めるのを見て、セフィロスは勝利を確信する。
(もう、君は私なしでは『浄化』さえままならない。その身体も、心も、私の魔力に慣らして、私以外を拒絶するように作り替えてあげよう……)
「……もっと、楽にしていいんだよ。……愛している、エルナ」
セフィロスは、濡れたエルナのうなじに、深く、深く、吸い付くような印を刻んだ。 泉の熱のせいか、それとも精霊様の甘い囁きのせいか。 エルナは、自分の身体が甘い泥のように溶けていくのを感じながら、彼の腕の中に自分から溺れていくのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
精霊王セフィロスと聖女エルナのラブラブライフを楽しんでいただけてましたら嬉しいです!
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新作:『君の静寂が愛おしい』〜殺された記憶を持つ令嬢が沈黙を選んだら、ヤンデレ騎士の最愛になった件〜
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かつて自分を殺した騎士に嫌われようと「沈黙」を選んだ令嬢。
けれど、感情が「音」として聞こえてしまう彼にとって、その沈黙はこの世で最も心地よい癒やしの旋律だった――。
今回は「お昼の12時」という新しい時間帯でのチャレンジとなります。
「朝・昼・晩」と、皆様の日常のどこかで私の描く「執着と溺愛」を楽しんでいただけるよう、全力で更新




