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第2章・第2話「監視の迷宮」
島の深部に進むにつれ、漂着者たちは迷路のように入り組んだ廊下と扉に直面した。赤いドローンの光が霧の中で揺れ、どの通路も常に監視されていることを告げていた。
橘英里香は壁際に身を寄せ、小声で仲間に指示を出す。「行動パターンを読みながら進むわよ。ドローンに感知されたらすぐ撤退」
坂本陽一は端末を操作し、AIオメガの断片情報から最適なルートを割り出す。「監視網が変化している。島は俺たちの行動を学習している…」
高橋は影の中で身構え、周囲を警戒する。「一歩間違えれば捕捉される。互いの信頼が命を左右する」
ヴェラの光体が揺れ、冷静に告げる。「迷宮の各ポイントには過去の観測記録が残されています。解析しながら進めば突破率は上昇します」
漂着者たちは慎重に進みながら、互いの存在を確かめる。赤い光が揺れる霧の中、島の監視迷宮は静かに、しかし確実に彼らを追い詰めていた。
坂本は端末を握りしめ、仲間に低く告げる。「油断するな。ここからが試練だ」




