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最終章 新しい物語の始まり
春。
地方の小さな村の学校で、少女たちが歌を歌っていた。
薔薇は高く、泥は低い
でも風は、どちらにも触れる
誰もが、空を見上げられる
誰もが、光を掴める
教室の前でアルガは静かに耳を傾ける。
隣には、シャーロットが立っていた。
「昔はあなたを憎んでいたわ。でも今は感謝しているの。ありがとう」
シャーロットは彼女の手を握る。
「私たちの戦いはまだ終わってない。でも、もう一人じゃない」
遠くの丘から新しい薔薇の苗が運ばれてきた。
それは*赤と白の薔薇が交ざり合った、二色の花だった。
「これは?」
「交配種だよ。貴族の薔薇と野に咲く平民の花を交わして生まれた──『和解の薔薇』」
アルガはその苗を手に取り、微笑む。
「……悪役令嬢の物語はここで終わりね」
「でも*新しい物語は今、始まったばかり」
風が吹き、薔薇の花びらが空へ舞い上がった。
それは過去の憎悪を運び去り、未来への希望を運ぶように。
──身分などこの世で最も意味のないものだと、彼女は今、心の底から信じていた。
THE END




