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彼と私の物語  作者: 雨の日
今の私たちの話

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7/24

私と彼の関係

「悟君、また告白されてるみたいだよ」

部活中、みっちゃんがニヤニヤと笑いながら私に告げた。

「ふーん」

と、気のない返事をする。

「えー、気になんないの?正妻の余裕ってやつ?」

「そんなんじゃないって!今集中してるから、この話はおしまい!」

そう言って絵のデッサンの続きを始めた。けれど、それ以上は何故か作業が進まなかった。部活終わりに私のデッサンを見て、再びニヤニヤしたみっちゃんに胸の内を見透かされている様で少し腹立たしかった。その憎たらしい笑みに向かってチョップを仕掛けても彼女は華麗に私の右手を避けるのだった。


サッカー部の彼氏の元は向かうみっちゃんと別れ、私は校門へ向かう。

2人の関係を考え始めて、気づけば一年も過ぎていた。この一年で急激に背の伸びた悟は、急にモテ始めこの頃は女子に告白されることも多くなっているらしい。らしい、のは悟本人に確認した訳じゃなく主に情報屋みっちゃんから知らされた話だから。

元々、顔の作りは良かったのだ。これは惚れた贔屓目ではなくて、事実。悟のママは涼しげな目元が魅力的な美人だし、パパもスーツの似合うスタイルの良い渋いイケオジだ。どちらに似たってクールな雰囲気漂うイケメン顔になる。身長だけは、中学生まで私と同じくらいだったので、やたらと彼氏のスペックを気にする一軍女子たちのお眼鏡には敵わなかったってだけで。



門の前に自転車を停め、柱に寄りかかりながら本を読む悟を見つける。一つ下の学年の女子2人が悟を見てキャアキャア言いながら横を通り過ぎるのを、面白くない気持ちで見ていた。


「本田さん」

不意に名前を呼ばれ振り向くと、違うクラスの男子がいた。名前は、、、

「木村君?」

そう呼ぶと彼はパッと表情を明るくして

「そう!木村!三組の!知っててくれたんだぁ」

「一年のとき、同じ委員だったからね。どうしたの?何か用事?」

そう聞くと木村君が緊張した顔で「実はね、、、」

と話し出した時

「華」

いつの間にかそばに居た悟が声をかけてきた。

「帰るぞ」

そう言って、私の手を握り門の方へ強引に進む。

「えっ、ちょ、」

転ばない様に方向転換して、私も悟に着いていく。

「ごめん、木村君!用事は明日聞くから!」

じゃあね、と木村君に手を振ると木村君は泣きそうな顔で手を振りかえしてくれた。

握られた手の力が強くなった。


「ねぇ悟、歩きにくくない?」

私の右手と悟の左手は握られたまま、右手だけで器用に自転車を押す悟に声をかける。

「別に」

そう悟は言うが、時々自転車はバランスを崩しその度に悟は右手一つで軌道修正していた。

「手繋いで帰るなんて、小学生以来じゃない?」

「そうだな」

「そうそう、いつの間に辞めたんだっけ」

「2年の時、高学年の男子に揶揄われて華が鼻水垂らして泣いた時」

「あーあの時!いや、鼻水は垂らしてないよね?」

「垂らしてた」

悟の眉間の皺に目をやる。

「、、、なんか怒ってる?」

「怒ってない」

「顔が怖い」

「元々こんな顔だ」

そんな問答の中、ふと思い出して

「木村君、何の用事だったのかな?三組って言ってた。悟、同じクラスだよね?なんかあったのかな?なんか最後、泣きそうな顔だったんだよね」

と悟に聞いた。

「そんなもん知るか、、、、いや、明日代わりに聞いといてやる。もうアイツを気にする必要ないぞ」

「あ、そう?じゃあヨロシクー」

そう軽くお願いすると、悟はため息を吐いた。

「華、お前は本当に、、、バカだな」

「急な悪口!」



次の日から悟は、自転車ではなく歩きで迎えに来て2人で手を繋いで帰る様になった。

木村君の用事は、大した事ではないので忘れてくれ、との事だった。



精神年齢は肉体年齢に引っ張られるので、2人が生きた年月の割に精神的に幼いのは当然だという盛大な後付け設定。


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