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彼と私の物語  作者: 雨の日
エピローグ

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24/24

これからの私たちのエピローグ

「華?寝てるのか?」

悟の声が聞こえて、私の意識が浮上した。

悟の家のリビングで進路の話をして、そのまま漫画を読んでいたのに。

「あ…寝てた」

へへへっと照れ隠しで笑いながら姿勢を正す。

口開けて寝てなかったかな?変な顔見られちゃったかも。

手鏡を取り出し前髪を直すように見せかけて、よだれが出ていないか確認した。


悟は時計を見て、読みかけの文庫本を閉じた。

「もうすぐ母さんが帰ってくる。今日は華が来るって言ってあったから、煮込みハンバーグにるすって。食べて帰るだろ?」

「やった!おばさんのハンバーグ大好き!」

お母さんに、悟の家で食べるって連絡しなきゃ!

私はスマホを取り出した。家が隣なのに、わざわざスマホで連絡するなんて、と言いたげなお母さんの顔か浮かんだ。




(あの記憶も、思い出しそうなのか…?)

鼻歌交じりにスマホをイジる華を見ながら、俺は不安になった。

華は前世の記憶があるといっても、全て覚えている訳じゃない。何十回もの生まれ変わりの中で、すでに色んなことが朧気だ。ジャックとアリア、2人の出会いと生活。それぐらいしか覚えていないし、それでいいと俺は思っている。


だけどさっき、華は寝言で「赤ちゃん…」「抱っこ…」と呟きながら涙をながしていたのだ。


思い出してほしくない、と悟は思っている。思い出せば、華は自身を責めるだろう。

俺と子供を、殺す手助けをしてしまったと。

何度も色んな世界を探してくれていた華を俺が責めるわけないのに。

ずっと狭い世界で子どもと2人彷徨っていただけの情けない男だと、責めてほしいくらいなのに。


思い出したら華は泣くだろうか?

泣いて、悟に謝るのだろうか?


今度こそ幸せにしたいんだ。

2人で幸せになりたいんだ。

子どもと3人で幸せを作りたいんだ。


口下手な自分は、上手く伝えられないかもしれない。

でも、ちゃんと言葉にして言いたいと思った。


「なぁ、華」

「うん?」

「大学卒業したらさ、結婚しよう」

「…へ?」



「ただいまー」

「あ、おばさん!おかえりなさーい。お邪魔してまーす」

「あら、華ちゃん。顔赤いわよ?お熱ない?」

「え!?だ、大丈夫です!ちょっとさっきまで寝てたからかなー!?」

母さんが帰ってきて、華と2人で賑やかになる。


「ちょっと悟!アンタ華ちゃんにハレンチな事したんじゃないでしょうね!?」

「別に…話してただけだし」

「下ネタ話してたのね!?下品!」

「なんでそうなるんだ…」

プリプリ起こる母さんに風呂掃除を申し付けられて、俺はソファから立ち上がる。


後ろで華と母さんの声が聞こえる。

どうやら、2人で作るらしい。

「菊池家の味を教えるわ!華ちゃんがいつお嫁に来てもいいようにね♪」

「ふぇっ!?」


華の間抜けな返事に笑いを噛み殺し、俺は部屋を出た。


これで一応完結になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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