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彼と私の物語  作者: 雨の日
カリネキア国の話

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11/24

私と彼の将来の話

2年の終わり頃になると、進路希望の紙が配られる。大学に進学する人、専門学校へ行く人、就職する人。3年はそれぞれ進路別にクラス分けされる為だ。 


「華は進学するのか?」

私の部屋で2人で進路希望の紙を眺めながら、悟が聞いてきた。

「うーん。とりあえず進学かなぁ、、、」

将来の事なんて、考えても分からなかった。今世の私には選択肢が多すぎる。

将来を見据えて進路を決める友人達に、何も考えていなかった私は焦りを感じていた。


「悟は、どうするか決めてるの?」

「俺は、教育学部のある大学にしようと思う。どの大学かはまだ決めてないけど」

「えっ!」

そこまで、考えていたなんて。悟も将来見据えて進学する派だなんて。私は頭を抱えた。誰か、私と同じ人いないの?将来の事なんて決めてないけど、とりあえず働くのもなぁって甘ったれた理由で進学する人、、、いないの、、、?


「教育学部って事は、将来は教師になるって事?」

「まぁ、そうだな。小学校か中学校か、、、高校の教師でもいいけど、それは進学してから決める」

「悟がそんな真面目に考えてたなんて、、、高卒で世間の荒波に揉まれるのが嫌でとりあえず進学しようなんて考えてる自分が恥ずかしいよー」

「いいんじゃないか?理由は何であれ、進学して学んでいけば何かしたい事が見つかるだろ」




私が今世で自分の将来の事をなかなか決められないのは、前世での私はいつだって決められたレールの上を歩むだけだったからなのかもしれない。

決められた仕事に追われながら終える人生が何度かあった。でも、一度だけ自分で進む道を選んだ人生があった。今世に生まれ変わる一つ前の前世だった。



アリアとしての生を終えた私は、とてつもない未練を残していた為か、以前の記憶を持ったまま何度も生まれ変わりを繰り返した。

それは、アリアの生きた世界であったり、まったく違う世界であったり。その度にジャックも生まれ変わっていないかと探したが、見つけられないまま何度も人生を終えた。

全ての人生を真面目に生きたとは思うが、正直ハッキリと覚えているのはアリアとしての人生だけだった。あとの記憶は、思い出そうとしても夢の中の出来事の様におぼろげであったから。



一つ前の前世の私は、アリアとジャックが生きた世界に産まれた。2人が死んでから数百年は経った世界だったと思う。

数百年前は貴重な人材だった魔術師はその時代では割とありふれた存在で、10人に1人は魔力を持っていたし、魔術師になるにはそれなりの強い魔力と実力が必要だったが、手の届かない存在ではなかった。

人々が魔力を持ち魔術師と呼ばれる人が増えたのと比例する様に魔物は増え、魔王と呼ばれる存在を無視出来なくなっていた時代、そんな時代に私は魔術師として生きていた。



前世って一つ前の人生って意味で言うなら、ジャックとアリアの人生は前前前前前前世くらいかな。ややこしいので全部前世って事で。

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