緊急自体
今回は2本投稿します
海戦が終わり、帝国艦隊を修理のため近くの港に寄港中
柏木「まずはお疲れ様」
渡辺「ありがとうございます。ただ聞きたいことが山ほどあるのでですが」
柏木「聞きたいことは分かる。なぜ陸軍が来たのか、なぜ廃艦になった戦艦が来たのかだろう。」
渡辺「はい、司令長官の私ですら知らなかったのですから誰の命令できたのですか?」
迷うことなく即答した
柏木「総理だ」
渡辺「は?総理の?しかし旧式艦は全部売却したはずでは、それに陸軍の砲兵が乗り込んでいた理由も分かりません」
柏木「陸軍が乗っていたのは陸軍が買い取ったからだ。」
渡辺「陸軍がなぜ?」
柏木は肩をすくめ、皮肉な笑みを浮かべた。
柏木「戦艦は資材の宝庫だ、溶かせば何十両の戦車を作ることも何百丁の銃を作ることもできる、主砲もそのまま使えば砲兵の道具になる。なら博物館に送るぐらいなら陸軍で使った方が有意義などと考えたのだろう、結果ばらす前に総理が見つけ出し、最後の仕事を果たすために動かせた」
渡辺「……それで、援軍に?」
柏木「そうだ。本来ならもう海に戻るはずのない老艦たちを、急造で修理し、砲兵を乗せて送り出した。近代改修を行ったといえど十数年物だ。あれでもう一度動いたのが奇跡だ。」
渡辺はしばらく黙り込み、やがて深く息を吐いた。
渡辺「……彼らには感謝してもしきれませんね。
まさか、海軍の最後を支えたのが、あの退役艦とは。」
柏木「皮肉なものだよな。だが事実、彼らが来なければ第三次海戦で我々は壊滅していた。」
渡辺「……総理は、この結末まで読んでいたのでしょうか?」
柏木は窓の外、修理中の艦隊を眺める。
柏木「さぁな、私には分からん。何せ老朽艦隊を動かす事実も直前で知らされたからな。」
柏木息を整えて
柏木「結果はどうあれ勝ったのに変わらん、君は東郷平八郎長官、山本五十六長官に並ぶ、偉業を成し遂げたのだ。誇りに思いたまえ」
渡辺はそれを聞いてもなお、どこか戸惑ったままだった。
渡辺「……そんな大層なものではありません。私は……ただ、全員を生きて帰らせたかっただけです。」
柏木は小さく笑い、言った。
柏木「だからこそだよ。そういう指揮官でなければ、あの地獄の海で艦隊をまとめ上げることはできん。」
渡辺はゆっくりと視線を外し、港に並ぶ傷だらけの艦隊を見つめた。
渡辺「……皆、よく帰ってきてくれました。」
窓の向こう、ボロボロの艦の中に、確かに誇りだけが残っていた。
そのタイミングで一人の兵士がその空間を破った
兵士「参謀総長殿!海軍大臣もおられましたか!本土から緊急連絡です。敵軍が本土に上陸しました。」
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