機密情報
もうすぐで年内終わる
ドアをノック
柏木「失礼します。」
佐々木「入れ、どうした?」
柏木「先ほど戦果が出たので報告しに来ました。」
佐々木「戦果だと?どのくらいの被害が出た?」
柏木「はい。敵第12方面軍は、陸軍上陸後に全面降伏しました。陸軍側の交戦記録はゼロです。」
佐々木は一瞬、言葉を失った。
佐々木「……は?待ちたまえ、我々の海上支援だけで決着がついたということか?」
柏木「その通りです。前線の敵兵士は全滅、あるいは降伏済みで、陸軍はまだ戦闘を開始していません。」
佐々木は深く息をつき、椅子にもたれかかる。
驚きと安堵、そして少しの戸惑いが入り混じった表情だ。
佐々木「なるほど、つまり、海軍のミサイル艇艦隊が、陸軍より先に決着をつけたと。」
柏木「はい。全艦140隻による一斉射撃で、敵戦線は文字通り消し飛びました。被害は敵に限らず、陸軍が到着する前に決着がついた形です。」
佐々木は思わず笑みを浮かべた。
しかしすぐに顔を引き締める。
佐々木「ふむこれは記録的な戦果だ。陸軍の手柄はなくとも、我が国としては勝利に変わりない。柏木、お前の報告、よく伝えてくれ。海軍の功績もきちんと記録しておけ。」
柏木「了解しました。すぐに報告書を作成します。」
佐々木は資料に目を落としながら、静かに呟く。
佐々木「待て待て、少し話をしよう。参謀総長である君とね」
その言葉聞いた官僚は全員席を外した。
柏木「で、全員をどけてどうした?」
佐々木「いろいろと報告があってな、それの共有をしておこうと思って」
柏木「どのような報告だ?私もこの後前線で指揮するため、急ぐのだが」
佐々木「先に一つ先ほどの戦果を大本営発表で発表しといてくれ、あぁ陸軍も少しは活躍したことにしてな。」
柏木「分かった」
佐々木「本題は元の世界に戻る方法が見つかった」
柏木「…マジかよ、方法は、方法なんだ!」
佐々木「落ち着け、戻ることは出来るが、それには大量の魔力がいる。魔族なら100万人近くの魔力が必要だ」
柏木「100万も!?」
佐々木「この数字は効率的に魔力を獲得した場合だ」
柏木「効率的?」
佐々木「一言で言えば、100万人の魔族が死んだ事を前提とした数字だ。」
柏木「敵の半分近くを殲滅しないとできないということか、このことを知っている人物は?」
佐々木「ごく一部の上層部しか知らない」
柏木「この情報をどうする?」
佐々木「隠しとさ、戦争が終わったら奇跡的に元の世界に戻れたということにしとくさ。」
柏木はしばらく沈黙し、最後に静かに問うた。
柏木「勝てば帰れるか…お前はどの様な感情でこの報告を聞いた」
佐々木「何の感情もない、2億人という臣民を返す為なら、異世界人100万人を代償にしてもよいだろう、私は大日本帝国内閣総理大臣として、感情より、国益の方が大事だ」
柏木「ばれたら軍法会議ものだな」
佐々木「確かに、帰るためにも戦争で勝たなければならんな。…私は死んだら地獄行きかな」
柏木「その際は俺も一緒に落ちてやるよ」
佐々木「ありがとう、さて君も前線で働けよ?帰るためにも」
柏木「了解」
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