立役者
もうすぐでメリークルシミマス
ミサイル艇艦隊・旗艦通信室。
第二波の発射を終えたばかりで、まだ甲板に硝煙の匂いが残っていた。
通信士が慌ただしく駆け込み、息を切らしながら報告する。
通信士「艦長! 陸軍司令部より報告!
[敵第12方面軍、全面降伏。
なお――陸軍側の交戦記録はゼロ]とのことです!」
管沢艦長は一瞬だけ沈黙した。
次の瞬間――
管沢艦長「……交戦ゼロ? はは……」
肩が震え始める。
副艦長「艦長……?」
管沢艦長「――ぶはははははははは!!!!!」
艦橋に大笑いがこだました。
管沢艦長「陸軍、まだ一発も撃ってねぇのか!?
上陸しただけで敵が降伏!? なんだそりゃあ!!」
砲撃長「艦長、少し落ち着いてください。マイク拾ってますよ。」
管沢艦長「落ち着けるか!
おいおい、俺たちミサイル艇140隻で攻撃したら――
陸軍が着く前に決着がついちまったってわけだろ!?」
彼は机を叩き、腹を抱える。
管沢艦長「ふはは! 陸軍の奴ら、今頃驚いて目ぇ白黒させてるだろうな!
[敵影なし]も何も、影どころか地面まで吹き飛ばしたんだからな!」
副艦長「まぁ……実際そうですが、あんまり言うと陸軍に怒られますよ。」
管沢艦長「怒らせとけ! 今回は俺たち海軍の手柄だ。
条約の余り呼ばわりしたやつらに見せてやりたい戦果だ!」
砲撃長が小声で囁く。
砲撃長「……まあ実際、陸軍が何もしてないってのも珍しい話ですけどね」
副艦長「敵味方どころか、味方にも容赦ないな……艦長は。」
管沢艦長は豪快に笑いながら、腕を組んだ。
管沢艦長「よし! 全艦へ通達!
“敵軍、全面降伏。陸軍の損害ゼロ。
海軍ミサイル艇艦隊――作戦目標、完全達成”だ!」
通信士「了解、全艦に配信します!」
管沢艦長「ふっ……
次の会議じゃ、陸軍に[まだ戦ってもいないだろ?]って言ってやるからな!」
副艦長「艦長、それはやめておいた方が……」
管沢艦長「言うに決まってるだろうが!」
艦橋に再び笑い声が響き渡った。
その笑いは、海の勝者としての誇らしさと、戦いを終えた安堵が混ざっていた。
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