表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界に勝利した皇国よ新世界に勝利せよ  作者:
世界に慣れ始めた
62/72

降伏

特に書くことがなくなってきた

上陸軍司令部・臨時設営テント。

第一軍、第二軍、第三軍――計30万が同時展開する前線を、巨大な戦況図が覆っていた。

幕僚たちが慌ただしく動く中、通信卓の前で異常が起きた。

通信兵「司令官殿! 緊急受信、識別信号……敵司令部からです!」

上陸軍総責任者・安東中将がゆっくりと顔を上げた。

安東中将「敵の反撃か? 状況を報告せよ。」

通信兵「い、いえ……降伏信号です。[第12方面軍司令・ダラグ少将、全戦闘行為停止。全面降伏の意志あり]と!」

幕僚たちの手が止まる。

前線の喧騒とは対照的に、司令部は静寂に包まれた。

作戦参謀「降伏……? 完全にか?」

通信兵「はい。複数周波数、複数回の確認信号。誤信の可能性は極めて低いと思われます!」

安東中将は戦況図に歩み寄り、潰れた前線部をじっと見つめた。

そこは海軍のミサイル攻撃を受けた地域――まさに、戦線が消えた地帯だった。

安東中将「……海軍の一斉射撃が、よほど効いたか。」

副官「第一軍、第二軍とも前進を続けていますが……そもそも交戦そのものがありません。

第三軍も背後を塞ぎましたが、こちらも敵影ゼロです。」

幕僚同士が視線を交わす。

砲兵参謀「……つまり、我々陸軍はまだ戦闘を開始してすらいないということに?」

副官「前線に到達する前に、海軍が決着をつけてしまった形ですね。」

安東中将は短く息を吐き、現実を受け入れるように静かに頷いた。

安東中将「……勝因を取り違えてはならん。

今回の主役は、我々ではない。海軍だ。」

そこへ別の通信兵が駆け込む。

通信兵「司令! 敵司令部から追加信号!

白旗掲揚の上、降伏代表を派遣し、正式な投降手続きを行いたいとのことです!」

幕僚がざわつき、誰かが小声で言う。

幕僚A「……交戦ゼロで敵軍司令部が降伏とは……前代未聞ですな。」

安東中将は迷いなく命令を下した。

安東中将「全軍へ通達。[攻撃行動を一時停止。ただし警戒態勢は維持せよ。] 降伏代表の受け入れ準備に入れ。」

通信兵「了解!」

安東中将「あわせて海軍へ伝えろ。

[敵第12方面軍、全面降伏の意志を確認。海軍の作戦は完全に成功した]と。」

伝令たちが走り出す。

安東中将「……陸軍の損害はゼロ。

だが、この後の海岸線の防衛兵器の建設、後方整理はすべて我々の仕事になる。手を抜くな。」

テントの外で、白旗を掲げた一団がゆっくりと近づいてくる。

安東中将は静かに立ち上がった。

安東中将「戦闘は海軍が終わらせた。だが、戦争を終わらすのはいつも我々だ。」

そう言い残し、降伏代表を迎えるため前線へ向かった。

感想や評価をくれたら作者が喜びます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ