自然の要塞
あと一つ
8月10日
伊賀瀬中将(暗い壕内から報告)「将軍、敵の機甲部隊、今朝も活動中です。シャーマン戦車は150両程度に減った模様ですが、エイブラムスはまだ10両が稼働中です」
高橋大将「完全に島内部に展開してきたか。狭い火山帯の道は、狙い所だ。地形を上手く使わなければ」
空は曇り、硫黄の匂いと湿気が陰惨な空気を漂わせる。
南部山岳地帯
シャーマン戦車群が煉瓦積みの古びた岩壁に沿ってじりじりと進む。エイブラムスは砂煙を巻き上げながら接近するが、その甲高いエンジン音にも微かに焦りが感じられた。
敵兵「この地形、まるで誘われているみたいで気色悪いな……戦車も進みにくいぞ」
敵兵「周囲から狙撃や砲火が飛んでくるかもしれないぞ。誰か、周囲を確認してくれ!」
山頂の日本軍隠蔽陣地
小隊長「奴らが揚陸した戦車を狭い谷間に誘い込む。設置した地雷帯も機能しているな」
兵士「流石に地雷の位置バレますかね?」
小隊長「いや、相手が動きを封じられている。今だ!砲兵隊」
兵士「敵戦車、数両が大破しました」
地下司令部
伊賀瀬中将「戦車数両、絞り込んだ谷で停止。歩兵が接近中です」
高橋大将「徹底的に潰せ。歩兵と狙撃班も同時投入、奴らに“地獄とはどういうことか”教えてやれ」
敵軍・戦車中隊内部
敵将校「…全く、ここまで地形が敵になるとはな。火炎放射は無理…ってか、資材が届かない!」
整備兵「砲門が泥詰まりしています。修理班が狙撃されて撤退も無理です…」
敵将校「くそ!黄色い猿だと聞いていたのに!」
夜、硫黄島・日本軍壕
伊賀瀬中将「将軍……敵戦車の前進は完全に止まったようです。混乱している模様」
高橋大将「うむ、この島は足がかりのような簡単に落とせるような島ではないと奴らに教えてやれた。しかし、これが序章……まだまだ長い夜だ」
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