敵の援軍、味方の絶望
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8月9日
波間を揺らして、巨大な揚陸艦が接近していた。
その甲板から、シャーマン戦車が次々に下ろされ、砂浜へと走り出す。数は――およそ180両。
それに続き、エイブラムス戦車が20両、唸りを上げて現れる。
敵将校(通信)「第7機甲師団、陸揚げ完了。シャーマン第一陣、進行開始。エイブラムスは中央突破に備え、温存する」
日本軍・前線壕
兵士「……うそ、戦車だ。バカみたいな数が……!」
小隊長「シャーマンか……まさか、あんな博物館モノをここで見るとはな」
兵士「でも、あれだけの数なら、脅威です。……どうしますか?」
小隊長「火炎瓶で止められるか?
兵士「馬鹿ですか?」
小隊長「冗談だ。流石に地雷帯まで誘導するしかないな」
地下司令部
伊賀瀬中将「シャーマン180、エイブラムス20。南部から一斉展開開始」
高橋大将「……火力にモノを言わせる気か。相手は、戦術より数の暴力を選んだようだな」
伊賀瀬「我々の砲陣地は、まだ温存しています。地形を利用して……」
高橋「地形……そうだ。山、谷、火山帯――硫黄島の自然を奴らに喰らわせてやれ」
硫黄島・南部火山帯沿いの谷間
敵シャーマン戦車群が谷間に入った瞬間
ドガアアアアン!!
斜面に設置されていた対戦車砲が一斉に火を吹いた。1両、また1両と爆炎に包まれる。
続いて、谷の底に誘い込まれた戦車列の前方で地雷が炸裂。後続は狭い道で立ち往生する。
兵士「はまったぞ! 奴ら、身動きが取れない!」
小隊長「狙撃班! 指揮官狙え! 砲兵、次弾装填!」
敵軍後方陣地
敵指揮官「中央突破は不可能だと? 冗談はやめてくれ、我々は数で押せば…」
部下「戦車が次々に谷に誘導され、撃破されています。上空偵察も阻害され、地形が読めません!」
敵指揮官「まるで…待ち伏せされていたような…くそッ、あの地下に何が潜んでいるんだ!」
日本軍 地下壕
伊賀瀬中将「第一防衛線突破されず。敵の突撃、足止め成功」
高橋大将「旧式戦車を盾にして、エイブラムスを温存しているな。だが、奴らは“硫黄島”という地獄に踏み込んだのだ」
この日、敵軍は戦車部隊を前面に押し出し、圧倒的火力での制圧を試みた。
だが日本軍は、自然地形と地下陣地を巧みに利用し、敵の突破を阻止。
硫黄島の“罠”は、まだほんの序章にすぎなかった。
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