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世界に勝利した皇国よ新世界に勝利せよ  作者:
世界に慣れ始めた
31/72

作戦会議

この章を書いて次も書くことを考えたらいつ終わるのか分からなくなった。作者です。

激しい雨音がコンクリートの天井を叩く中、会議室には泥だらけの軍装をまとった六人の影が集まっていた。机の上には、雨で増水した大河の衛星写真と地図が並び、水没した仮設橋の箇所には赤い×印が走る。

南雲正治「……では状況を報告しろ。各戦線、今の現場を正確に話せ。」

第一師団長・赤城宗久「第一軍、南東側丘陵にて包囲陣形を継続中。増水により渡河は不可能。こちらに戦車の投入余地あり。ただし泥濘地帯の影響で移動速度は三分の一以下。敵は未だこちらの進軍方向を誤認しており、陽動の余地は残されております。」

第二師団長・宇喜多勝吾「第二軍、川の中央に展開。兵は――動けずに待機中。だが、“待たされている”という感覚こそ士気を削ぐ。 総司令、渡らせてくれ。濁流の中でも、我が兵は泳いででも敵地に辿り着く!」

第三師団長・黒江成臣「第三軍、北岸にて舟橋の建設中。今朝、2隻流され、死傷24名。現在の流速は秒速8メートル、通常の3倍。戦車はもちろん、渡河歩兵の70%が溺死する試算です。正直申し上げて、強行突破は無謀です。」

南雲正治「……たかが雨だ。川ひとつ、越えられぬ道理はない。この遅れが、全戦線の崩壊を招くぞ!」

作戦司令・嶺木敬一郎「……総司令、お気持ちは理解します。だがこの流速では、兵の命が戦う前に水に呑まれる。我らは勝つためにここにいるのであって、沈むためではありません。」

作戦参謀・城戸輝道「今、敵は勝利を確信している。雨が我々の足を止めたと。ですがそれこそ、罠とするべきです。 “動けぬ敵”と油断させ、全ての備えを甘くさせるのです。」

工作司令・綾瀬和馬「そのための裏工作は、既に進行中です。神殿側の貴族と神官に“帝国軍壊滅”の偽情報を流し、一部で降伏交渉を演出。敵はすでに、勝ち誇る寸前です。」

南雲正治「……なるほど。よかろう。」

「ならばこうしよう――敵に勝てぬ時は、敵に勝たせるのがいい。だが、我らが与える勝利は、死よりも重く償わせる勝利だ。」

「敵に希望を与えよ。雨が止んだその瞬間に、それが絶望へと変わるようにな。」

第一師団長・赤城「渡河のタイミングをあえて遅らせ、反撃のタイミングを同時に絞る。作戦次第では全軍同時突撃も可能です。」

第二師団長・宇喜多「……兵には訓示を出します。“雨が止む時が、お前らの時だ”とな。なら我らは待つ。だが――吠える準備はもう整っている。」

第三師団長・黒江「こちらも、舟橋ではなく仮設滑走筏を試作中。夜間突破時の一時的輸送には耐えられるかと。」

南雲正治「――いいか貴様ら。この作戦はもはや“戦い”ではない。“見せる勝利”だ。」

「作戦名を改める。今からこの戦いは《霧中の雷鳴作戦》。静けさの奥に、我らの雷を潜める。」

「よし、解散! 各軍は準備を継続。天が晴れた瞬間、敵の心臓を撃ち抜け!」

会議、終了。

重く沈んだ空気の中、それでも兵たちは動き始める。

雨は、まもなく止む――そしてその時、本当の戦争が始まる

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