第4ゴミ拾い 冒険者の洗礼
背後から声をかけられてアドが飛びあがる。
どうやら声をかけてきたのは、3人組のパーティ―だがアドの力を借りたいようだ。
「烈火のダンジョンを何度も踏破してますよね?」
アドとイリの想像以上に2人は、メリダのギルドで有名になっているようだ。
この3人組のパーティ―は、烈火のダンジョンを純粋に踏破したいようだ。
「俺のスキルとかアイテムを使えば踏破するのは楽勝だけど?」
ちょっと自慢げにアドが言う。
「ちょっと」
イリがアドに耳打ちをするも、アドは聞く耳を持たない。
「どうなっても知りませんからね!」
アドには理解できないが、イリはぷりぷりしながら自分のギルドに戻って行った。
アドは自慢げに自分の能力やスキルを説明した。
3人組はアドの話しを真剣に聞き、アドのチートスキルに驚いた。
「では、アド殿の能力を使って便利なアイテムをたくさん入手しつつダンジョンを踏破していくということでよろしいでしょうか?」
パーティーのリーダー、ガローが提案するとアドは何の考えもなしに即頷いた。
そのまま3人組のパーティ―にアドが加わって、烈火のダンジョンに足を踏み入れた。
●
異変を感じたのは、ダンジョン終盤になってからだ。
アドの能力は今現在、戦闘では全く役に立たない。
それに比べて3人組は上手に連携も組めていて、烈火のダンジョンくらいならばそこまで苦戦するようには見えない。
アドはダンジョンを探索するのに便利なアイテムをスキルで生成し、それを仲間にどんどん渡していた。
そして――
いよいよダンジョンを踏破することに成功した。
「ありがとうございました。アド殿のおかげで無事ダンジョンを踏破できました」
ペコリ。とガローが頭を下げてそのままアドと別れた。
「ん?」
ここでアドはようやく異変の正体に気がついた。
一緒にパーティーを組んだのに、何の報酬も貰っていないのだ。
それどころか、アドが生成したアイテムは全てあの3人組が持って行ってしまった。
「きっとアイテムが目当てだったんでしょうね」
口惜しそうにイリにそのことを話すと、冷静にイリが答えた。
「アドさんの能力を聞いて、使えると思ったんじゃないですか?」
堂々と自慢げに能力をひけらかしていた。
そのつけが回ってきたのだろう。
「仲間を探そうにも難しいものがあるな……」
アドは頭を抱えてしまった。
●
それからもアドは、見知らぬ冒険者に声をかけられることが多かった。
その全てがアドの能力目当てであり、便利で高価なアイテムを作ってもらうことを目的としていた。
しかも、アドが仲間を探していることが、この街には既に広まっていたようだ。
「もうこの街は辞めた方がいいかもしれないですね」
イリも絶望の表情を見せた。
「烈火のダンジョンを何度も踏破するのは、そんなに珍しいことなのかなぁ?」
2人は、この街を後にして同じギルドが管理する別の村に向かった。
その村には、初心者向けのダンジョンがあると噂で聞いたことがあったからだ。
「簡単なダンジョンなら何度踏破しても目立たないもんね」
こうして2人は、とある村にたどり着いた。
しかし、その村はどう見ても寂れた村だった……




