第3ゴミ拾い 仲間探し
アドのスキルが発現したことで、アドは不要なゴミを必要なアイテムに変換した。
アドの冒険者としての実力は乏しいが、レアアイテムをたくさん持っているという理由だけで滅亡のダンジョンの浅瀬は難なく攻略していた。
アドが使ったアイテムは、姿を隠せる姿隠しの粉やある系統のモンスターに大きなダメージを与えられるアイテムだ。
「最近は、どんなゴミからでも自分に必要なアイテムを作れるようにまでなったよ」
たくさんの戦利品を広げながらアドが言う。
既にアドは、収納のスキルも発現しているため、ゴミやアイテムをしまうためのバッグが不要になっている。
「俺はある程度ダンジョンの探索ができるようになったけど、やっぱりこのギルドに住人を増やさないとだね」
「そのためには、住むメリットがないとですね」
ふーむ。とイリが悩む。
「それにやはり1人でダンジョンに挑むのもどうかと思います」
不安そうにアドをイリが見る。
アドはいつもボロボロだった。
「とりあえず一緒に隣のギルドまで行かない? 他のギルドがどんな感じか見て参考にしてみようよ」
こうして、アドとイリは隣のギルドへ向かった。
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ギルドとギルドは縄張り意識が強い。
特に最近は新しいダンジョンの発見もなく、資源も限定的で本来協力し合うはずのギルドや冒険者が、こぞって競争し始めてしまったのだ。
そういう経緯もあり、他のギルドへ向かうというのはかなり珍しいことだ。
ギルド長が向かうなんてもってのほかである。
――メリダのギルド。
所属冒険者数は数知れず、中でもA級冒険者が2パーティー所属している有名なギルドである。
管理しているダンジョンの数は4つ。
中でも烈火のダンジョンは人気が高く、他ギルドから探索に訪れる冒険者もいるほどだ。
アドとイリはお金を払ってその烈火のダンジョンに潜った。
「ギルド長がダンジョンに潜るなんてことあるの?」
アドが訊ねると、イリがなぜか胸を張る。
「敵情視察のためには必要なことです」
とはいえ、イリは一般人であり冒険者ではない。
モンスターと戦えるはずもない。
「ギルドの中には傭兵システムを採用しているギルドもあるそうなので、本当に困った場合は傭兵を雇うのも考えた方がいいですね」
ダンジョンをサクサクと進みながらイリが言う。
アドのスキルでゲットしたアイテムを使うと、烈火のダンジョンに出現する火系統のモンスターに有効な水系統の攻撃ができる。
更にモンスターから姿をくらますアイテムも使っているので、踏破するだけなら簡単であった。
ただし、ダンジョンに潜る冒険者のほとんどが、踏破を目的としているのではなく、そのダンジョンで手に入るアイテムを目的としている。
アドとイリの場合は、どんな感じでダンジョン運営をしているのか視察するのが目的だ。
あとは――
「仲間探しですね」
イリが言う通り、アドのパーティ―を探している。
しかし、ダンジョンをソロで潜る冒険者は稀で、仲間を探すのは困難だった。
「こんな人気のダンジョンでも、ソロパーティーはあんまりいないんだね」
何度目かの踏破をしたアドがイリに言う。
「諦めて他のギルドを見てみますか?」
イリもここのギルドのやり方はだいたい分かったようで、他のギルドのやり方も見てみたいようだ。
しかし、烈火のダンジョンをたった2人のパーティ―で何度も踏破している冒険者は珍しく、実はアドとイリはメリダのギルドである程度目立っていた。
「あの――」
だからだろう。
2人の背後から声をかけられた。




