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破綻寸前ギルドを追放冒険者のゴミ拾い能力が救います  作者: shiyushiyu


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第16ゴミ拾い 月影のギルド

「そっち行ったぞ」


「分かりました」


 鋭い声の後に、やや柔らかい口調で女性が答える。


 アドとシャラだ。


 2人は今、本格的に穏風のダンジョン1階層攻略へ向けて修行に励んでいた。


 まずは、即兎を倒すこと。そして次に土角を倒すことを目標としていた。


「土角をしっかりと倒せないと他のダンジョンでも通用しない」


 という村人の意見に従ったのだ。


 今2人は即兎を追いかけている。


 しかし、このスピードに追い付くのが難しい。


 お互いのスキルも一向に現れないので、少し焦ってもいた。


「全く捕らえられないね」


 小休止でアドが口にする。


「一度土角にターゲットを変更してみますか?」


 シャラも心が折れかけているようだ。


「土角かぁー……」


 アドは過去に一度だけ戦って苦い経験がある。


 できればもう少しスキルアップしてから戦いたい相手である。


 しかし、ドドでは物足りなく即兎は捕まえられない現実が目の前にある。


 穏風のダンジョンの1階層、草原の間にはこの3種類しかモンスターは出現しない。


 即兎と土角を倒せなければ次に進むのは当然難しい。


 しかし、倒さなくてもダンジョンを攻略することは可能だ。


 戦わなければいい。


 それをしないのは、2人がスキルアップを目指しているからである。


「一度土角と戦ってみようか」


 シャラの提案をアドが受け入れた。


 ●


 月影のギルド――


 ギルドの規模としては小さい。


 積極的に領土拡大をはかる、メリダのギルドとは遠く離れている。


 ギルドの規模としても大きな差がある。


 そんなギルドが、大義名分もなく世界征服を目論むメリダのギルドに対抗措置を取った。


 1。月影のギルドはメリダのギルドとの全ての取引を停止する


 2。メリダのギルドに所属する全冒険者の月影のギルドにおける全ての活動を禁止する


 3。メリダのギルドと戦う他のギルドに全力で支援する


 これに当然メリダのギルドは怒るが、世界の意見は月影のギルドと同意見であった。


 月影のギルドと同盟を組むギルドが多く現れたのだ。


 このままメリダのギルドは大人しくなるかと思われたが、メリダのギルド周辺のギルドはメリダのギルドに攻められることを恐れてメリダのギルドと同盟を組み始めた。


 こうして、巨大な同盟が世界にいくつか現れてしまったのだ。


 更には、メリダのギルドが好戦的なギルドのため、ギルド同士の同盟が抑止力になることはなかった。


 こうして世界は、月影のギルドの声明を発端にギルド大戦へと突き進むこととなった――

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