第15ゴミ拾い アイギルドの復興へ
寂静村がアイギルドになったことは、今のこの世の中のご時世で大きな話題にはならなかった。
どこの都市がどこのギルドに鞍替えしたなど、当たり前になってきているからだ。
穏風のダンジョン――1階層。
今回アドたちは、ダンジョン内で素材を収集して便利アイテムに変換させて村を復興させるアイテムや道具を入手しようとしている。
アドが目を付けたのは、アイ村の荒れ果てた田畑だ。
「この辺は作物が育ちにくい」
寂静村の住人がそう言っていたのを思い出したのだ。
「まずはしっかりと食糧を確保したいから。ダンジョン内のモンスターの肉と田畑の野菜を有り余るくらい手に入れよう」
というアドの提案により、アドとシャラはひたすらにダンジョンに潜り、素材を入試していた。
狩りの目標はドドだ。
「ドドはいい食用品だよね」
にこりとアドが微笑むと、シャラが疑問を口にした。
「田畑の野菜はどうするのですか?」
「本当はダンジョンで手に入れられたらいいんだけど、とりあえず今のところ俺のスキルで入手しようかなって考えてるよ」
ダンジョンで入手できれば、アドがいない間も入手できるので、本来であればその方がいい。という意味だ。
今ではすっかりドドを狩れるようになった2人は、穏風のダンジョンの1階層では難なく過ごせていた。
既に2階層へ向かう階段も発見しており、この階層全てのマッピングも終えている。
「どこへ進めばどこにたどり着くのかもう覚えちゃったね」
これだけ長い間滞在している場所だ。
アドが言うのも頷ける。
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「くっ!」
1人の戦士が苦しそうな声を出す。
「今までの恨みだ。思い知れ」
別の深い声が言うと、ヒュッ。という空気を切る音と共に戦士の首が切り落とされた。
メリダのギルドに所属する冒険者の人生はこれで終わった。
「終わったか?」
深い声の主とは別の声が言うと、深い声の主は首を横に振った。
「オイラの父ちゃんと母ちゃんをやったのはこいつらじゃなかった」
その様子を見て別の声の主は、小さく呟いた。
「誰がやったのかすら知らないのに……負の連鎖が続く世界になってしまったな……」
「どうか救世主様が現れますように」
その隣で、白のローブを目深まで被った女性が祈りを捧げていた。
世界は今、救世主を求めていた――
そんな時、月影のギルドが世界に向かって立ち上がったのであった。
そして、このことがギルド大戦へと突き進むことをまだ、誰も知らないのであった。




