プロローグ
おとぎ話の中にいる主人公は、とてもかっこいい。
誰しも、憧れを抱いた主人公はいるだろう。
名も無き青年が、いつしか皆から慕われる。
なんて素敵な話だろう。
空を見上げれば、太陽が登っている。
太陽も、宇宙の中では主人公なのだろうか。
多くの惑星を照らす存在、太陽がいなければ光を感じることさえ出来ない。
今思えば、俺はちゃんと太陽を見たことはあっただろうか。
いつも暗闇を生きているせいか、いつしか光を求めなくなっている気がする。
俺は一生、暗闇の中で生きていくものだと……。
だけど、それは違うのか……?
「おい、またそんなの読んでんのかよ。飽きねえな」
「まあね、俺の1番好きなものだから」
「はっ、理解出来ねぇ。ほら、さっさと行くぞ」
「ああ」
理解されなくて構わない。
これは俺にとって、宝物なんだ。
俺の唯一の光であって、俺の太陽だから。
いつか俺も、誰かの太陽になれるだろうか。
物語の主人公のように、なれるだろうか。
自分の力で、愛する者を守れるだろうか。
考えても、答えは一切かえってこないけれど、その可能性を切り開くのは自分自身だ。
春の風が吹き、輝くこの世界を彩っている。
太陽に照らされたこの世界は、今日も笑顔で溢れている。
明るい日差しの元で、今日は何をしようか。
お菓子を食べるか、お茶をするか、子どもたちと遊ぶか。
まあ、自由にするのが1番だろ。
ああ、それか…………。
俺の太陽である君に、
今日こそ会いに行こうか………………。
初の小説投稿です。
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