第一話:侵入- Invasion -
初めまして。Soraです。
1週間に2話ずつ更新していきます。
皆さんに楽しんで頂ければ嬉しいです。
感想もいただけると励みになります。
まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします!
それはいつもと変わらない平凡な日々。
いつも通り学校に通い、授業を受け、帰宅する。
そんな何でもない一日を送るはずだった。
その日、僕らの見知った世界は突然崩れ落ちていくのであった。
「おーい、席に座れ。ホームルームを始めるぞ」
教室の扉が勢いよくあき、体格の良い大柄な男が入ってきた。
担任の山田だ。それを合図に生徒はぞろぞろと席に戻りだす。
一クラス三十名のこのクラスは三学年でも優等生のクラス。
クラスごとに学力、能力で部類わけしているこの学園は国内でも屈指の進学校だ。
特別能力養成学校(Special Ability Development School)
別名、SADS
頭が良いだけでは入学はできない。
潜在能力も評価され、選ばれた者のみが入学資格を手に入れることが出来る。
そして選ばれた者は入学した後にさらにふるいにかけられ、卒業出来るのは毎年ほんの一握りしかいない。
まさに、戦場だ。数多くは挫折し自ら辞めるか、強制退場を余儀なくされるかのどちらかである。
そんな戦場だけに生き抜いた恩賞は大きい。
自分がなりたい職業のポストが用意され、それに至るまでの道まで用意されるのだ。
それは将来が約束されているのと等しい。
日本を動かす自分を育成することを目的として作られたこの学校は教育機関としてはかなり異色でもある。
国が運営するこの学校は子供を入学させる代わりに大金が親に支払われる。
その代わり一枚の誓約書を書かされるのだ。
1.教育方針には口を出さない
2.卒業するまで連絡は取れない
3.子供に何があっても自己責任とし、学校側に責任を問わない
入学したら最後、卒業するかリタイアするまでは抜け出すことは出来ない。
普通に考えれば人権無視も甚だしいが、それが許されているのは国家プロジェクトという名目だ。
そこまで力を入れているSADSはまるで要塞である。
入口には24時間体制で監視がおり、全方位をモニターできるよう監視カメラを至るところに設置している。
国の権限のもと、侵入者に対する迎撃のため配備されている特殊自衛官にはライフルの携帯が許可されており、独自の判断で発砲可能としている。
侵入を試みた者も過去に何人もいたが、その場で射殺されている。もちろん無断で脱走しようとした生徒もである。
出入りできる人間は限られており、特別な通行証を持っている人間だけ。
それは偽造が出来ず、安保(安全保障局)が管理している。
いつもと同じように荷物の搬入のため一台の大型トラックが学校の門のところにやってきた。
「IDの提示をお願いします」
運転手はIDを取り出し警備員に渡すと、ICデータを照合し入口のロックが解除された。
IDを受け取り車を発進させ、荷下ろし場に向かう。
停車位置に止め、運転手が車から降りると一人の自衛官が近づいてきて膝をつく。
「お待ちしておりました、道化師」
帽子をとり、そこに立っている男は先ほどの運転手のとは別人だった。
不敵な笑みを浮かべ男はつぶやいた。
「さあ、ゲームを始めよう」




