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ブラック企業の空に  作者: 山木 拓
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2019年2月の出来事−1

 宮本さんが家庭教師になってから半年近く経ち、受験も終わった。結果としては第二志望の学校には合格したらしい。


「第一志望は残念でしたけど、よかったですね。全部落ちるなんてことにはならなかったし。高校の浪人はなかなかしんどいと思いますし」


「んー、まあそれもそうだけど、第二志望が実質第一志望だったからな。これでよかったとも思ってるよ」


 支店長の娘さんの話では、志望校は勝手に決められていたらしい。確かにあの人ならやりかねない。語学留学があって、女子校で、自転車で通える距離で、将来に役立つ、とかお前のためを思って、とか。色々言われて第一志望にさせられていたのだ。しかし全部が全部決められた志望校はイヤだと主張し、第二志望にバスケの強豪校を選んでいて、本当の第一志望はそちらな訳で。


 宮本さんが娘さんに、『行く学校は君が選ぶんだ。君が選んで、君がその道に自信と責任を持てばそれでいいんだよ』なんて深い事を話したとか。普段から酒とタバコと風俗とパチンコとあとは野球と、それ以外の話をしているのを見たことがない私からすれば、にわかには信じがたい。




 その後しばらくして、宮本さんも退職した。



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