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青空坂上 3条線 ~ハツネとくるみの連絡帳~  作者: 中村千歳
3条3丁目 君と一緒なら
34/69

3条3丁目-9

 [side-HATSUNE]


 翌日の昼休み。いつものように、怜ちゃんと一緒に食堂に来た。


 怜ちゃんがハツネちゃんの顔を覗き込んで、「なんか良いことでもあったか?」って聞いてきた。

 良いことっていうと……あれしかないか。


 くるみちゃんが作った「約束の歌」の話はしたよね。

「それは聞いた。あいにゃんが曲を付けて、一緒に歌うんだよな」

 うん。あいにゃんが作った曲が、昨日届いたんだ。

「どんな曲なんだ?」

 携帯に入ってるから、一緒に聞いてくれる?

「うん」


 あいにゃんが作った、ピアノ伴奏&ボーカル打ち込み音源を、怜ちゃんと一緒に聞いた。

「なんか、あいにゃんらしい曲だな」

 あいにゃんらしい曲って、怜ちゃん、あいにゃんのこと知ってるの?

「知ってるっていうか、あいにゃん、私の妹なんだ」

 えっと……初耳にも程がある。なんか日本語がおかしいけど。


 あいにゃんが歌い手を始めたのは、去年の7月2日。

 受験勉強に飽きたから新しいことを始めてみたいって、中学3年のあいにゃんが、大学1年の怜ちゃんに相談した。6月上旬の話。

 元々カラオケが趣味だったあいにゃんに、情報工学科音声工学専攻の怜ちゃんが、歌ってみた動画の撮り方、編集の仕方を教えてあげた。収録するための機材も、1台だけ買ってあげた。

 それから歌の練習、収録の練習、編集の練習をして、7月2日、「輝きはいつまでも」を投稿した。

 つまり、あいにゃんの歌い手デビューの陰には、怜ちゃんの手助けがあったんだ。

 あいにゃんっていうハンドルネームも、元々は怜ちゃんが使ってたあだ名なんだって。


 怜ちゃんは、今でもあいにゃんと連絡取ってるの?

「毎日ってわけではないが、時々話をするくらいだな。機材が壊れたら直し方教えたり。もしかしたらくるみの方が仲良いかもしれない」

 なるほどね。

「ハツネとくるみは仲良いのか?」

 キーマカレー1つ。3辛でお願いします。

「話をそらすな」

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