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青空坂上 3条線 ~ハツネとくるみの連絡帳~  作者: 中村千歳
3条2丁目 ハツネちゃんが生まれた日
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3条2丁目-1

3条2丁目 ハツネちゃんが生まれた日


 [side-REIKO]


「怜ちゃん怜ちゃん!」

 6月5日火曜日、2限が終わって昼休み。食堂に着くと、星野ほしの初音はつね、通称ハツネが走ってきた。


 本郷市立ほんごうしりつ大学浅間せんげんキャンパス。工学部情報工学科、石崎いしざき怜子れいこ。文学部心理学科、星野初音。どちらも2年生。

 入学初日に食堂で一緒になって以来の友達。学科は違うし、好きなことも違うけど、なんとなく気が合う友達。


 それで、今日はどうしたんだ?

「さっきくるみちゃんのブログ見てたんだけどね、くるみちゃんが歌を作ってね、あいにゃんっていう歌い手さんに送ってね、一緒に歌いませんかって」

 ここまで要領を得ない説明だと、本当に心理学科なのか疑いたくなってくる……って思ったけど、心理学科ってそういう学問じゃないか。


 5分くらいかけて、ゆっくり状況を聞いてみた。

 ハツネには、歌が好きな妹がいる。名前はくるみ。そのくるみが作った歌詞を、ブログに投稿したら、あいにゃんという歌い手さんが曲を付けてくれることになった。その流れで一緒に歌いませんかって言ってみたら、まさかのOK。7月2日に投稿する予定だから、投稿したら怜ちゃんも聞いてくれると嬉しい。

 これだけのことを説明するのに、5分掛かった。ハツネの日本語力、大丈夫か。


「あ、歌うのはハツネちゃんじゃなくてくるみちゃんだからね」

 5分掛けて説明したのに、肝心なところを忘れていたハツネ。日本語力大丈夫か。

 一人称が「私」でも「あたし」でもなく「ハツネちゃん」っていうのも、地味に気になるんだよな。

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