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古今無双の傭兵が異世界へと行っちゃった話  作者: やまだ和興
最強傭兵異世界に落とされる
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第3話―便利なスキル―

「なあ、何であんたは俺が迷い人だってわかったんだ?」


 まず最初に思った疑問だ。ついさっき会ったばかりの男がやけに俺に詳しいのが引っかかる。こいつが俺を呼んだわけでもあるまいし。


 すると男は、


「そりゃ、俺の鑑定のスキルだよ」

「スキル?」


 聞きなれない言葉に首を傾げる。


「アンタ、スキルも知らないのか? それとも、アンタの世界にはなかったのか?」


 そんなもんはないな、と言うと、男は説明する。


「スキルっていうのは、まあ簡単に言えばこの世界の生物が持っている特殊な力のことさ。いろいろあるが、俺の持っているスキルは鑑定。見たものの性質を見極めることが出来る。物でも生物でも、何でもな。

 極めれば、ただ人を見るだけで、そいつの嗜好や、どれだけの力があるか、体力はどれくらいなのかまで全て視ることが出来るが、俺の場合はまだそいつの表面的なことぐらいしかわからねえな」


 なるほど。つまりこの男はスキルを使って俺を視たわけだ。てことは、俺よりも、この世界の俺自身のことについて詳しいのかな。


「なあ、その鑑定スキルによると俺はどんな状態なんだ?」


 そう尋ねてみると、男は頷き、俺の顔を再度じっくり見てきた。何か視られているという感覚はない。不思議な力だなと思っていると、男は紙を取り出してなにやら書き始めた。


 しばらく経った後……


「これが、俺が視たものだ。もうすこし鍛えればあんたのスキルとかもわかるんだが……」


 と、その紙を俺に見せた。


 名前:不明

 年齢:39

 出身:異世界

 職業:なし

 種族:人族(迷い人)

 所持武器:大太刀

 スキル:不明(現段階では視れない)

 技:不明(現段階では視れない)


 紙にはこう記されていた。


 名前は……やっぱり無しか。まあ、親に捨てられた身だからな。名付け親も居ねえし。年齢までわかってる、すげえな。この世界では若作りするのは無駄だな……。


 そして、出身が異世界で種族に(迷い人)とあるな。

 これでこの男は俺が迷い人だってわかったといことか。


「スキルとか技とかはどうなってるんだ?」

「文字通り現段階では視れない。さっきも言ったが鍛えれば視れるようになる」


なるほど……この世界の人間はこういうことが出来るのか。正体を隠したりも出来なさそうだし、使いようによっては、結構危険なのかも知れないな。少し、気をつけよう。


「スキルって鍛えられるもんなのか?」

「ああ。例えばお前さんの剣術も鍛えて強くなるもんだろ。それと一緒だ」


 技能というのは個人差がある。個人によって鍛え方や鍛えた量、経験によって優劣ができるからな。スキルもそんな感じか。しかし、このスキルっていうのは危険かも知れないが面白いものだな。もっと聞いておくとしておこう。


「なあ、ほかにはどんなスキルがあるんだ?」

「そうだな……。俺の知る限りでは眼力とか調理、採集などの一般的なものから、剣術、砲術、気功などの戦術的なものくらいだな」

「それぞれどんなスキルなんだ?」

「眼力は単純に目が良くなる。視力が衰えることがなくなる。極めれば細かい細工から、遠くのものを見ることが出来るようになる。あと暗闇でも普段と変わらないように見えるようになる。

 調理は料理がうまくなる。極めれば食べられないものでも食べれるように調理できるようになったりする。

 採集は、薬草や鉱石などの採集がはかどるようになる。極めれば採集したものの質が上がるなどがあるな」

「戦術的なのは?」

「剣術は刀剣の扱いがうまくなる。極めれば初めて触る武器でもすぐに扱えるようになる。

 砲術は飛び道具の扱いがうまくなる。極めればどうやっても、相手にかならず当たるようになる。

 気功は大地から集める力を体内に集約し己の力とする。俺はよくわからんが、極めれば素手で離れたところの敵に攻撃することが出来る……とまあこんな感じかな。スキルはこのほかにもまだまだあるが……」


 ……面白い話を聞いた。なるほど、このスキルはいろいろと使い道がありそうだ。ただ……


「スキルってどうやって身につけるんだ?」

「基本的には生まれた時からすでに身についている。他人が鍛えて強くなることはあっても、その他のスキルを後から身に付けることは基本出来ない。魚が馬に泳ぎを教えるようなものだからな」


 俺の質問に男は即答。この男から鑑定ってスキルを教えて貰って自分の状態を知ろうとしたのだが、無理らしい。


「なら、どうやって自分のスキルを調べれば良いんだ?」


 このままだと、どうすりゃいいのか分からない。敵を知り己を知れば百戦危うからずってな。まず、自分のことがわからねえと、この先不安だ……。


「う~ん……だったら、この先にマシロって町がある。そこならあるいはわかるかもしれんな」

「本当か!?」

「たぶんだけどな。行ってみて損はねえと思うし……」


 そこまで言って、男は口ごもる。なんだ? と聞くと、


「実は、俺もそこ目指してるんだけど、さっきみたいなことがあると不安だ。一緒についてきてくれねえか?」


 男は申し訳なさそうにそう言ってきたが、俺にとっては渡りに船だった。


「それならお安い御用だ。いろいろ教えてもらったし、これ以外にも、いろいろ聞きてえからな!任せとけ!」

「助かる。俺の名前はグレンだ。道中よろしく頼む」


 ということで、俺はこの世界のこと、自身のことを知るために、このグレンという男と、街道の先にある、マシロという街を目指すこととした。ひとまず街には行ける。宿もあるだろう。金は……まあ、何とかしよう。野原で寝るよりはマシだな、と俺はこの世界に来て、恐らく初めて安心していた。


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