第355話―モンクで起こったことを説明する―
俺達は、モンクで起こった事件の事を話していく。ツバキの里帰りがてら、ちょっとした休暇をとるつもりが、転界教絡みの事件に巻き込まれていったことなどを説明した。
まあ、そんな中でもリエンという信頼できる繋がりも出来たし、現地の冒険者達とも交流を図ることが出来たことなどを伝えると、ジゲンは朗らかに笑った。
「ふむ……ムソウ殿らしく色々とあったらしいが、実りある旅ではあったようじゃの」
「まあな。それに、リンネやツバキは辛い目に遭ったが、邪神族についての調べも進みそうだからな。収穫ある旅と言えば、そうなんだろうな……」
「リンネもおともだち、たくさんできた~!」
結果的に今回の旅で一番ひどい目に遭ったリンネが、満面の笑みでそう言うと、ジゲンはそうかと言って、リンネの頭を撫でる。
ツバキの方も、両親に自分の顔を見せることが出来たし、両親の無事を知ることが出来て良かったと語っていた。
「邪神族……か」
と、ここでショウブがボソッと呟く。
あ、しまったな。ショウブは邪神族の事を知る人間では無かった。うっかり口にしてしまい、どうしようかと思っていると、俺が慌てている姿に気付いたのか、ショウブがこちらに視線を移した。
「む? ああ、邪神族だの、ムソウ殿とシンジ殿達の関係などは、妾達も聞かされておる。安心して良いぞ」
「え、そうなのか?」
確認の意味も込めてジゲンに目を向けると、コクっと頷いていた。
話を聞くと、アヤメが今のうちにと言うことで、信頼できるショウブ、ナズナ、シロウの三人には、かつてこの世界で起きていた100年戦争というものは無く、代わりに邪神大戦という戦いが勃発していたこと、この世界の起源について、かつての俺の仲間達が関わっていること、その中の一人、エンヤがクレナの祖であることなど、全て話したという。
アヤメ曰く、邪神大戦の事については、現在行われている天上の儀にて、公表されるという方向で間違いないとのこと。
事前に説明していれば、今後の動きも素早く出来るだろうし、何より、転界教は今の所邪神族と深く関わっているとみられている。
クレナで起こった騒動に巻き込まれた者達としては、知っておく必要があると判断したようだった。
そして、ジゲンとコモン、それにサネマサが立ち合いの元、トウショウの祠にて、アヤメは自らの刀精であり、クレナの初代領主タカナリを三人に紹介、ついでにコモンはトウヤを、サネマサはエイシンを連れて、俺やクレナを取り巻く邪神族との関係について、一から説明したという。
「妾達も最初は信じられんかったが、最終的に雷帝龍様が事実じゃと言うものじゃからのう。信じる他あるまい」
「そうか……まあ、そういうわけだ」
「ふむ……そして、ムソウ殿の育ての親殿がツバキ殿の刀に宿っておると言うことも聞いておる。此度の一件、ツバキ殿が大活躍じゃったと聞いたが、エンヤ殿も大いに活躍したのではないか?」
「仰る通りです。凄く頼りになりました」
ツバキは斬鬼を撫でながら頷いた。ショウブの考えでは、エンヤのおかげでツバキが活躍したと思っていそうだが、それは違う。
エンヤ自身も言っているが、アイツが力を振るうのは、ツバキの存在があるからで、アイツはツバキの力の一部である。今回の事件は、ツバキが全て解決したと言って良いだろう。
日ごろから、ツバキの鍛錬の世話をしているジゲンは、よくやったのお、とツバキを褒めていた。
「ふむ……それにしても、転界教絡みの事件がモンクでもか。もはや世界中で発生しておる、もしくは発生しそうじゃと考えた方が良いかも知れぬの」
「ああ。だから、正直俺も、今回の天上の儀では、邪神族の存在と、転界教の繋がりは公表するべきだと思っている」
「サネマサも同じ考えじゃと言っておったのう。これまで後手に回っておった転界教への備えから脱却するには、それしかあるまい」
「じゃが、妾達のように簡単には信じる者もおらんじゃろう。しばらく大地は荒れるかも知れんのう」
ショウブの言葉に一同頷く。天上の儀で何が決まるのかは、まだ定かではないが、シンキ曰く、邪神族の復活も近い。クレナやマシロのように、奴らが世界に打って出るということも各地で発生していくかも知れない中で、民草の間にも不穏な空気というものは流れるだろう。
どんなことがあっても、それぞれが出来ることをやって、出来るだけ被害を少なくしようと、俺達は決めた。
「さて、話を戻すが、今回の事件はツバキ殿の手によって解決され、ムソウ殿にもリエン商会と言う大きな繋がりが出来たのじゃったな。コモン君達にも聞いたが、その者は本当に信頼できる人物じゃったのか?」
「ああ。それについては俺が保証する。なかなか、良い奴だったぜ」
「ふむ、そうか……モンクの商人や博徒は、金の為なら手段を択ばない者達と言う印象も変わってきたようじゃの」
それを言ったら、クレナの人間はどうなのだとはなはだ疑問に思う。噂とは違うが、あちこちで流れている噂を体現していたような男がよく言うものだなと、少し呆れた。
ツバキも同じ思いらしく、クスっと笑って口を開いた。
「それを仰られますと、私の両親はどうなるのでしょうか?」
「む、それは……失礼したな」
「ギランおじちゃんもジゲンさんがお相手していた頃に比べると、真面目な人にもなりましたよ」
ツバキは、ジゲンが難色を示していたモンクの博徒も昔に比べて変わってきているということを伝えたく、かつてクレナでジゲンに痛い目に遭わされたギランの名を出す。
ジゲンが、ギランと言う名を聞いてどういう反応を示すのかと、実は楽しみにしていた俺は、何を語るのかと期待して待っていた。
ジゲンは、ツバキの言葉を聞いて、目を丸くした。
「ギラン? 誰じゃ?」
「へ? あ、あの……一応、私の友人のお父様なのですが……?」
「その者も博徒をやっておるのか?」
「え、ええ。今は、カジノを任されていたり、私の故郷の商人達の組合長をしておりまして、私も今回だけでなく、昔からお世話になっております」
「ふむ……そうか」
ジゲンは茶をずずっとすすって、ツバキの言葉に頷く。
何か様子がおかしいと、ツバキと顔を見合わせて、俺の方から確認してみた。
「爺さん、ギランという名に聞き覚えは?」
「はて……儂も知っておる者なのか?」
「ギランは、昔、クレナに来た時に、爺さんに世話になったと言っていたぞ」
「正確には、トウショウの里で住民の皆さんを相手に賭博で巻き上げていた所を、ジゲンさんに叱られたと……」
「おじいちゃんにおびえてた~!」
俺に続き、ツバキとリンネまでもが、ギランの事を教える。あの様子から、嘘では無いという確信があっただけに、今のジゲンの反応は、何か違和感がある。
ジゲンは首を傾げたまま、何かを思い出そうとしていたが、そう言われると、と言った感じに口を開く。
「ふむ……確かに、妓楼もあり人も集まるこの街に来てから悪さをする博徒も居たが、儂が懲らしめた中にその男が居ったかどうかは覚えておらぬのお……」
「は? 懲らしめた中、ってのはどういうことだ?」
そう言うと、ジゲンの代わりにショウブが口を開く。
「昔、妾達も幼かった頃……つまり、若いアヤメに代わって貴族達がこの街の実権を握っておった頃などは、そういう輩も多くての。そんな者が現れる度に、ジロウが家から飛び出て行ったということは何度もあったのお」
「正直、どのくらいの人数が居ったのか、儂も覚えておらん。博徒、ごろつき、的屋、売人……妙な人間も増え、それらを追い出すのも一苦労じゃった。確か、その頃から、クレナの人間は暴れん坊が多いと噂されるようになったのお」
「その中にギランという男が居ったのか。今では“大博徒”と呼ばれておるそうじゃが、流石に妾も知らんのお」
ショウブまでも、ギランの事を知らないという。
何となくツバキと共に拍子抜けな気分となった。ギランにとっては忘れられない、人生を変えられたような出来事だったのだが、ジゲンにとっては、昔クレナを訪れていたならず者の「その他大勢」の一人に過ぎなかったようだ。
「なるほど……その頃のこの街には、毎日のように爺さんの雷が落ちていたと言うことか……」
「そうなるのお。まあ、何にせよその男が今は立派な人間となっておるのなら良かったではないか。ツバキ殿も、安心して故郷を任せられるというものじゃの」
「え、ええ、そうですね……しかし、ジゲンさん。本当におじちゃんの事は……?」
「覚えておらぬの。何じゃったら今なら、この街に呼んでも良いぞ。新しい妓楼のカジノ区画の教育係としてのお。その際に、当時の事を語りながらサイコロでも振ってもらおうかの……」
「そ、それは……考えておきます」
苦笑いのツバキ。考えるまでも無く呼ばないつもりだ。向こうは新体制になって忙しいだろうし、何より、ギランにとっては人生を変えた人物であるジゲンが、当人の事を本当に覚えていない様子だ。
ある意味、ギランにとっては嬉しいことなのだろうが、これを伝えるのは辞めておこう……。
さて、取りあえず、俺達がモンクでやってきたことはあらかた説明し終わった。
続いて、今度は俺の方から、俺が居ない間の屋敷や街の事について聞いてみた。
「何かあったか?」
「そうじゃのお……祝言の事やロロ殿の件についてはすでに聞いておるな?」
「ああ。本人から聞いた。祝言についても、執り行われるまでの間は、俺達もどこにも行かないということにしている」
「それはありがたいのお。日取りについては、後で決めるとしよう。さて……ムソウ殿が居ない間の家の事じゃが、一つ、変わったことがある」
「ん? 何だ?」
「勝手で申し訳ないのじゃが、高天ヶ原含め、花街で遊ぶことを許可した」
おっと……先にジゲンの方から、皆へ解禁していたか。まあ、これについては俺も考えていたことだから、特に言うことは無いが、何故そうなったのか経緯を聞いてみた。
話によれば、花街が新しくなったからと言って、客が戻ってくることはやはりしばらくなかったという。
気合を入れてこれからという時に出鼻をくじかれた結果となった高天ヶ原のナズナとコスケは、各地に宣伝の意味も込めて、闘鬼神の皆に、まず遊んでもらうことを頼んできたという。
一応、頭領である俺の言葉もあって、最初はどうしようかと悩んでいたが、確かにこのままだと、トウショウの里に冒険者や商人達が集まることも無いだろうと思い、ジゲンが禁を解いた。
ダイアンなどはともかく、心のどこかで花街で遊びたかった者達は、期待に胸を躍らせ、花街を楽しんだ後、依頼などで知り合った他の冒険者達に高天ヶ原の事を宣伝していった。
それにより、人も徐々に集まるようになり、また、他の領地よりも報酬が上がっているという効果もあり、冒険者達も多くギルドを訪れるようになったという。
「ああ、そういう事情があったなら、俺の方からも特に何も言うことは無い。羽目を外して、前みたいになるなとは、後で言っておくがな」
「かたじけない、ムソウ殿」
「それにしても……そういうことなら、爺さんも大変なんじゃないか? 遊びに来て~とか言われるんじゃ……?」
そう尋ねると、ジゲンは分かりやすく落ち込んだ。
「うむ……大変じゃよ……サネマサやコウシ達も喜んでおるし……」
ショウブが吹き出したように笑っている前で話を聞くと、闘鬼神の皆が遊んで良いなら俺達も、と牙の旅団やサネマサ達も、「視察」と言う名目で花街を満喫したという(無論、エンミたちから白い目で見られたらしい)。
そして、サネマサにより王都からも客が来るようになったのだが、あいつらも良いなら、ジゲンもと、コスケまで乗り気になって、高天ヶ原に誘ってくるようになっているらしい。
一応、たまの情操教育の為とジゲンは断り続けているが、しつこい時などは、刀に手を置いて、半ば脅したりもしているという。
流石に気が引けることを何度もやらされて、それなりに疲れているらしい。
何となく、可笑しな気分になって笑ってしまった。
「ハハハッ! そいつは面白いな! 爺さんも領主代理として、今は自由に遊びに行っても構わねえぞ。たまの事は俺が見ておくから!」
「むぅ……今日の帰りは気を付けるんじゃぞと言おうと思ったが、辞めた。先回りしてコスケに一言言っておくとしよう」
「いや、この後はツバキとリンネが土産持って行くからな。俺は、別に用事がある」
用事とは? という顔でジゲンは俺に目を向ける。横のツバキも、リンネも不思議そうな顔をしていた。
ああ、これは言ってなかったな。一応話しておこう。
「この後、トウショウの祠に行きたいんだ。確認することがあるからな……」
そう言って、ツバキが首から下げている人形に視線を移す。ツバキはなるほど、と頷いた。
一応、人形にコウカが宿っているのか確認するため、そして、改めてこの大地で何をしたいのか聞くために、この後、祠に行くつもりだ。エンヤが宿っている斬鬼と、ハルマサとちっこいツバキが宿っている簪も持って行って、改めてコウカと三人を会わせてやりたい。
今も目の前にコウカが居ると言うことは、ジゲンには話さないでおく。また、驚かれそうだし、証明のしようが無いからな。また、日を改めるとしよう。
その間に、ツバキ達には高天ヶ原に行ってもらい、土産を渡してもらうことにする。ついでに、リンネも飯が食えるから、万事解決だ。俺が高天ヶ原に誘われることも無いし、行く事も無いと言うと、ムスッとした表情になるジゲン。
「覚えておれ、ムソウ殿……必ず、儂と同じ目に遭わせるからのお」
「その時は爺さんも一緒だ。道連れにしてやる」
そう言って、顔を見合わせて笑い合う俺達。どこまで本気なんだか、とショウブは呆れているようだった。
「さて、花街の件はもう良いとして、他に何かあったか?」
「特段変わったことは無い。花街を解禁したと言っても、皆、以前と変わらず、依頼に出たり、鍛錬を行ったりしておる。今日も何人か出ておるのお。今日、戻らぬ者もおるぞ」
「そうか……まあ、それは良いことだから気にしないがな」
「そう言えば、ロロ殿も、現在王都に行っておる。ジェシカ殿の正式な弟子として他の十二星天の者達に紹介すると言っておったの」
ほう、それは大役だなロロ。聞けば、十二星天に新たな弟子が出来た場合、有事の際はその者が後継者とみられる可能性もあるので、他の十二星天や、領主達、果ては人界王にお目通りになることがあるらしい。
ちなみに、サネマサはロウガン、コモンはヴァルナをすでに紹介していて、他の何人かも自分の後継者を王に紹介しているらしいが、今回、新たな弟子を連れて行くのはジェシカとミサキらしい。
と言うことは、ウィズ達がミサキの弟子として、認められたのかも知れないな。ロロが帰ってきたら、三人の様子などを聞いてみるとしよう。まあ、リエンにも言ったが、そこまで詳しくは聞かないがな。
「てことは、ロロが帰ってくるのも一週間後か。こう言うことなら、王都土産でも頼んでおくんだったな」
「儂から頼んでおる。リンネちゃんやたまの為に美味しいものを、と頼むと、喜んでと言っておったぞ」
「わ~い! たのしみ~!」
満面の笑みで応えるリンネ。俺達もモンクで大量に買ったのにな。まあ、それはそれとして、ロロの帰りを俺も楽しみにしておこう。
「家のことについては以上じゃ。また帰ったら、ダイアン達と共に祝言の事や、コウシ達の後継者についても話すと良い。すでに皆の心も決まっておるからのお」
「分かった。なら、俺も爺さんやサネマサも居ないことだし、皆との鍛錬も積極的に参加するとしよう……あ、ツバキはどうする?」
「そうですね……ジゲンさんは領主としてのお仕事が大変そうですから、私もムソウ様と一緒に皆さんと稽古を続けます」
「すまぬのう、ツバキ殿。そのあたりについては、シロウとも話し合って、儂の技を使えるようになるのじゃぞ」
「フフッ、かしこまりました」
ひとまず、話したいことも聞きたいことも終えたので、俺達は部屋を出ようとする。
その前に、確認したいことがもう一つあったので、ショウブに尋ねてみた。
「そういや、ショウブ。クレナに訪れている冒険者の中に、バッカスと言う男は居るか? 天宝館の運送依頼について来たと思うんだが……?」
「む? “影無し”バッカスか? 一応、この街に居ることは確認しておるが、その男がどうかしたのか?」
「モンクで知り合った冒険者なんだが……“影無し”ってのは?」
ジーゴに続いてバッカスにも異名が付いているので聞いてみると、ショウブ曰く、バッカスもジゲンとまでは行かないまでも、戦闘では素早い身のこなしを軸に闘う者らしく、ついた異名が“影無し”。文字通り、影すら残さず相手の懐に入り素早い攻撃で敵を倒したり、かく乱させたりするらしい。
「へえ、そうだったのか」
「知り合いの割には詳しくは無いようじゃの」
「まあ、知り合った途端にモンクからクレナに行ったからな。ソイツが、普段どこに居るかとか分かるか?」
「一応、このギルドで寝泊まりしておるが、今日明日は依頼に出ておるのお。何じゃ、何か用じゃったか?」
「いや、居ることが分かったから良いんだ。ありがとう」
ひとまず、バッカスがこの街に居て、依頼に取り組んでいることは分かった。ギルドに足を運んでいれば、いずれ会うこともあるだろう。
その時は、可能ならば一緒に依頼をこなそうと思っている。その日を楽しみにしながら、二人と別れた。
「じゃあ、ショウブ。また、依頼に取り組む時はよろしくな。それから爺さん、残業せずに帰ってこいよ」
「家でお待ちしております」
「たまちゃんと、おりょうりつくっておくね!」
「うむ。では、また後程の」
「またの、ムソウ殿、ツバキ殿、リンネ。いつでもここを尋ねるが良い」
そう交わした後、俺達は執務室を出た。
そして、俺が姿を現した途端、若干視線を向けてくる冒険者達を取りあえず無視しながらギルドを出た。
「じゃあ、お前らはこのまま高天ヶ原にな。取りあえず、人形と刀、簪は預かっておくぞ」
「はい。コウカ様によろしくお伝えください」
「リンネも~!」
「分かってる。では、行こうか」
俺達は、まずお土産を渡すために高天ヶ原を目指して歩いていった。
何だか懐かしくなる気になるが、そう言えばと変わった個所が一つ。上街から花街を隔てていた門が無くなっていた。
もう必要ないと言うことで撤去されたのだろう。自由に行き来している人間達を見ながら、やはり気持ちの良い光景だなと、二人と一緒に笑い合いながら、花街を進んでいく。
そして、高天ヶ原に到着し、ツバキとリンネは中に入っていった。俺は、二人を見送ると、誰にも見つからないようにと急いでその場を離れ、下街へと下りていく。
家には帰ってないが、既に帰宅した気分になった俺は、何となく足取りも軽く、祠を目指していった。




