第335話 ツバキ奮闘編 ―冒険者と闘う―
階段をゆっくりと進みながら、見取り図を確認するツバキ。階段を下りると、港から運ばれた商品を仕分けする大部屋が二つある。
更にその先に、もう一つ、大きな部屋がある。イーサンは、何の為の部屋なのか分からなかったが、今日の件で、恐らく闇市場や、今回のような闇オークションが開かれている場所だと推測した。
階段を下りるツバキは、気配を探りながらそれが確信のものに変わっていくが、それと同時に、困ったことになっていると頭を抱える。
一つ目と二つ目の大部屋に何人かの気配を感じる。恐らくは、先ほどの冒険者達と同じ様な、自分を足止めにする冒険者だろうと推測。
そして、三つ目の大部屋からは、更に多くの気配がしていた。予想通り、そこがオークション会場だとしたら、ツバキは少なくとも二回の戦闘を行わなければならない。
多分、一つ目の大部屋を突破すると、オークションも中止され、アマン達も逃げるのだろうと思ったツバキは、出来るだけ急いで片付けると決めた。
「ですが……そうも言ってられないようですね……」
しかし、一つ目の部屋にはそれなりの量の気配が感じられる。そして、二つ目の部屋からは、数こそ少ないが、一つ目の部屋から感じられるよりも強い、殺気のような嫌な気配を感じる。
時間はかかることになりそうだと唇を噛む。エンヤを出して共に戦うという選択もあるが、オークション会場である最後の部屋に残る腕利きの冒険者や護衛の事も考えると、今使うのは得策では無いと判断した。
大きな扉の前に立ち、斬鬼を抜くツバキ。目を閉じて、大きく息を吸った。
「貴女は私の……私達の切り札です。その時まで、見守ってください……」
そして、斬鬼に力を込めて、大きな扉を切り裂く。
轟音と共に扉が崩れ落ちた瞬間、ツバキに向けて、幾本の矢と、様々な魔法が飛んできた。
「ッ!」
臆することなく、ツバキは前進し、大部屋に入る。スキルの力で、それら全てを防ぎ、中に居た者達と対峙した。
中に居た数十人の冒険者と、人相の悪い浮浪者のような男達は一斉にツバキに向けて技を放ってくる。
「来たぞ! これ以上は進ませるな!」
「遠距離攻撃の奴らは間断なく技を使え! 奴の得物は刀だ! 近接戦闘には持ち込むんじゃないぞ!」
冒険者達はなおも遠距離から攻撃してくるが、神怒をも防ぎ、更にそこから鍛錬によって強度も増しているツバキの障壁の前では無意味だった。
徐々に矢も魔力も尽き始め、攻撃が緩んできた時、ツバキは前に出る。
「行きます!」
斬鬼を振り上げ、飛んでくる魔法や気を躱しながら、冒険者達に近づいていく。
年長者らしい、鎖付きの鉄球を持った冒険者の大男は、その場に居る全員に、指示を出した。
「撃つのは辞めろ! ここからは乱戦だ! 砲術スキル持ち以外は近接戦! 苦手な奴は、強化魔法で味方の支援だ!」
「「「「「了解!」」」」」
「オラ、テメエらも前に出ろ! 俺達ばかりに戦わせるんじゃねえ!」
怖気づき、高見の見物を決め込んでいた浮浪者たちに冒険者の大男が鉄球を振り回しながら怒鳴ると、ビクッと体を震わせた男達が短刀を持って、ツバキに向かってくる。
一階に居た冒険者達よりは、強力な装備を纏っている冒険者に比べると、戦いには慣れていない様子だ。恐らく借金を負った者達が、言うことを聞かされているのだろうと察したツバキは、まず浮浪者たちから片付けた。
「ガフッ!」
「グハッ!」
「オブッ!」
軽い身のこなしで浮浪者たちの攻撃を躱し、腹に一撃を入れていくと、浮浪者たちはその場で気絶していく。
「ムソウ様の死神の鬼迫……こういう時は便利なのでしょうね……」
いちいち、一人ずつを相手にしていたツバキは、ムソウの変な能力、死神の鬼迫を思い出し、苦笑いする。
そうこうしている間にも、攻撃は飛んでくる。スキルの力でそれらを防ぎつつ、今度は向かってくる冒険者達を相手取った。
「オラァッ!」
「ハアッ!」
文字通り、一番槍の男の攻撃を躱して、後頭部に斬鬼の一撃。それでも耐えた男の腹に更に一撃入れて、男を気絶させる。
次いで、向かってきた大剣の男の攻撃をいなし、腹に一撃……。
やはり、この場に居る冒険者は、それなりに腕利きだ。強化魔法のおかげで、攻撃が当たると思い衝撃が手に伝わり、一撃では気絶も困難な者が多い。
隙を見つけると飛んでくる矢や魔法。少しばかり本気を出す必要があるとツバキは判断した。
「強い……」
特に厄介なのは、先ほどから的確な指示を出し、冒険者達を指揮する鉄球の大男。普段から多人数で依頼をこなしているのか、それぞれの役割にあった指示を出しては、前に出させたり、退かせたりして、ツバキの体力を奪いつつ、兵力を温存している。
騎士団にも引けを取らない男の采配に、ツバキは下唇を噛む。
「まずは……あの人から!」
ならば、先に指揮官を討とうと、ツバキは近づいてきた冒険者達の得物を斬り砕き、戦闘不能にした後、男に向かって突撃する。
「俺の槍が! このアマ!」
「ぜってえ、許さねえッ! 剛掌波ッ!」
得物を斬られた冒険者は憤り、ツバキの背後から気の塊を撃ってくる。それを見たツバキはそのまま跳躍し、大男に向けて突っ込んで行った。
これにより、地上からは冒険者が放った剛掌波が、上空からツバキが突っ込んで行く形となる。
追い込められた男がため息をつくと、そばから魔法使いの女が現れた。
「あの馬鹿……あれは私が防ぐから、アンタは上だけに集中して」
「りょ~かい!」
魔法使いの女は、手にした杖の先から炎で出来た大きな槍を作り出し、冒険者の放った剛掌波を迎え撃つ。
大男は、鉄球を構えてツバキに向き直り、ニヤッと笑った。
「こりゃ、報酬割り増しだな。フンッ!」
男は鉄球をツバキに向けて放ってくる。ハッとしたツバキは、空中でスキルを展開、男の鉄球を防いだ。
しかし、男の間合いには入ることが出来ず、すぐそばで着地する。着地したツバキを、補助魔法を受けた男の鉄球と、その間を縫って女の魔法使い、横に居た別の槍使いが攻撃してきた。
「ハアッ!」
ツバキは少し力を入れて強化した二枚の障壁で鉄球と魔法を防ぎ、槍使いと対峙する。腕は良いが、ツバキには劣る槍使い。他の二人の援護も無く、段々とツバキに詰め寄られる形となる。
「良い腕前ですね。これからも精進してください」
「そ、そりゃ、どうも……グハッ!」
ツバキの一言に薄ら笑みを浮かべる男は、そのままツバキに一撃を与えられてその場に倒れる。
そして、ツバキの障壁に怯んでいた大男と魔法使いの間に、素早く潜り込み、浮足立つ魔法使いの女の腹に一撃を入れた。
「くッ……! お、女にも……容赦ないのね……」
「私も女ですから」
「フフッ……そう……ね……」
そのまま女は意識を失い、その場に倒れる。次にツバキは大男をと思い、そのまま向き直った。
「やるじゃねえか! 侵入者にしては良い戦い方だし、やるのは惜しいが、勘弁してくれ!」
仲間がやられてもすっきりとした顔の大男は、他の魔法使いに、自らの鉄球に魔法を込めるように指示を出す。
わずかに残っていた魔法使いは、男の鉄球に向けて火球を当てた。熱く燃え上がる大男の鉄球。大きく振り回しながら、ツバキに向けて放ってきた。
「奥義・流星豪焔壊ッッッ!!!」
下手な魔法使いが生み出す火球よりも大きく、質量もある攻撃がツバキに迫っていく。大男の切り札だと感じたツバキは、慌てることなく、障壁を展開した。
轟音と共に、男の鉄球はそれに阻まれる。
「なッ!? ハ、ハハハ……強え女だな……」
唖然とした大男だったが、鉄球の炎が収まると、ため息をつきながらも笑っていた。
ツバキはそのまま、障壁を組み合わせて作った小さな箱を、男の腹に何発も打ち込む。
「グフッ……や、やるなあ……」
大男は腹を抑えながら、膝をつき、そのまま動かなくなった。装備のおかげか気絶はしていないようだが、内臓を痛めたようで、口からは血が零れている。
「すみません……」
つい、漏らした言葉は男に対する謝罪だった。倒した敵に謝るというのは、初めての経験だった。
それほど、ここで対峙する冒険者達からは、悪い印象を受け取られなかった。今は、違法なオークション会場を護るという依頼の為に動いているのだが、根は優しい人たちなのだろう。
そう思ったツバキは、その後、指揮官を失って動揺する他の冒険者達も一人残らず、殺めることなく、気絶と言う形で、行動不能にしていった。
「ハハ……まいったぜ……」
最後にツバキが気絶させた冒険者も、どこかすっきりした顔で、そのまま目を閉じていく。
このままだと、この冒険者達は依頼不達成で、確実に損をする羽目になる。だというのに、全員、穏やかな顔をしてその場に倒れていた。
クレナの妓楼で、散々、酷い冒険者達を見てきたツバキ。だからこそ、冒険者と言うのは、本来はこうあるべきものと感じたツバキは、全員に頭を下げた。
「こちらにも事情があるとはいえ、本当に、申し訳ございませんでした……」
こういう戦いは、何時にも増して嫌だ。ムソウは、こういう経験をしたことがあるのだろうかとふと思った時、ツバキに声がかかる。
「気にすんな~……」
声のする方を見ると、冒険者達の指揮を執っていた大男だった。ツバキはそっと近づいて、苦しそうにしている男の顔を覗く。
「あの……気絶されていたのでは……?」
「俺も、そうしたかったが……腹が痛くて無理だった……」
はあはあと、荒い息をしながらも、口からこぼれ出る血を拭いながら大男はニカっと笑う。
ツバキは急いで、懐から回復薬を取り出し、男に飲ませた。
「お、おい……敵にそんな情け……良いのか?」
傷を治された大男は、ツバキの行動に眉を顰め、困惑した顔を向けてきた。ツバキは、男の身体についた傷に包帯を当てながら、コクっと頷く。
「貴方方は、敵とは思えませんので……」
「ククッ……そうか……変わって……は、居ねえのか。姉ちゃん、騎士みたいだからな。立派だぜ……」
傷の手当ても終わり、大男はむくりと体を起こす。その場で伸びをすると、ツバキに顔を向けた。
「……さて……俺達は姉ちゃんに負けた……てことで、姉ちゃんはここを突破したってわけだが、次の部屋にも行くんだろ?」
「はい……」
「ふむ……てことは、この先で何が行われていて、どんな人間が居るのかも知っているようだが、姉ちゃん、大丈夫なのか?」
先の部屋に居るのは、各領から集まった貴族や名士達。一騎士が立ち入るべきでは無いと大男は忠告する。
しかしツバキは、大男の顔をまっすぐに見つめて、強く頷いた。
「行きます。こちらにも、目的がありますので」
その目は全て、覚悟の上という意味が込められた強い目だった。大男はしばらく熟考した後、ツバキに向き直る。
「何か、事情がありそうだな。良かったら、聞かせてくれねえか?」
「……実は……」
ツバキは、自分の思いを話すことにした。先ほどまで闘っていた相手だが、この大男には話しても大丈夫だという漠然とした思いがあった。
リンネの事、アマン商会の事、これまで集めてきた情報を全て話し、自分の目的は、攫われたリンネを助けるためだと大男に説明した。
大男は、話しを聞き終えた後、そうか、と頷いていた。
「なるほど……この先で貴族たちを招いた競りが行われているというのは、聞いていた。だから、侵入者等が居れば、ここで撃退してくれという依頼だったが、まさか、盗品や違法に入手した魔物を扱う競りだったとはな。たまげたぜ……」
「ということは、貴方方は、貴族直属の護衛では無いと?」
「ああ。俺達は、依頼主……隠す必要もねえか……アマンの依頼に応えた冒険者だ。人手が足りないから、手伝ってくれっていうな。浮浪者共は、アマンに借金している奴らだ。
昼間は、荷物の搬入を手伝って、今みたいにオークションが開かれている時は、会場の守護をしてくれって内容だ。一日だけだが、報酬の割が良かったから、受注したんだが……こりゃ、割り増し請求しないと……って、駄目か。違約金を払わねえと……」
「……すみません。私の所為で……」
「だから、気にすんなって。依頼に出て失敗したって話は、冒険者にはつきものだ。今回はたまたま、運が悪かっただけだ」
再度頭を下げるツバキを、ニカっと笑って許す大男。
その後も、今の状況について、大男はツバキに説明する。
自分たちは、依頼に応えた冒険者の中でも、特に強いパーティの連合軍で編成されており、小遣い稼ぎに集まった上の連中とは、一線を画していると豪語する大男。
ツバキとしても、最初に闘った冒険者達よりは強いと判断していたが、分けた理由が分からない。
詳しく聞くと、一階の冒険者達はある意味、捨て駒のような役割で、侵入者を制圧できれば、それで良し、突破された場合、その連絡を受けた大男たちが万全の態勢で侵入者を迎え撃つという作戦だった。
事実、仮にツバキがEXスキルを使えなかった場合、この部屋に入って来た時点での集中砲火で、決着はついていた。
そう考えると、この作戦も間違っていないのかと納得するツバキ。
「では、この先に居るのは、どういう方々なのですか?」
「今の所、敵である姉ちゃんに、こちらの内部事情は……と、言いたいところだが、違法オークションを開いているってんなら、構わねえか」
取りあえず自分たちは、依頼に失敗して、違約金を払うことが確定している。もう、どうにでもなれといった感じに、大男は、この先の様子について、ツバキに教えた。
「まず、次の部屋にも、貴族直属の護衛や、他領からの冒険者が居る。モンクの他の領で活躍している腕利きだから、それなりに名も通った人間が居るから、気を付けた方が良い。
で、最後の部屋、オークション会場には、客とそれを護る護衛、更にアマンの店の奴らがアマンも含めて居るだろうが、姉ちゃんがここに来た時点で、避難行動をとっているだろうな……」
「そうですか……ならば、急がないと」
大男の話を聞いたツバキは立ち上がり、先へと進もうとした。しかし、大男はまだ話があると言って、ツバキを呼び止める。
「少し、待ってくれ。早く済む」
「何でしょうか?」
「この先の部屋に居る奴ら、普通じゃねえ。まるで、侵入者は必ず殺すという一点の目的の為に動いているようだった。用心しろよ」
顔色を悪くする大男。それを見たツバキは、その情報は本当だろうと思い、通路から続く、次の部屋の気配を探る。
最初に感じていた嫌な気配は寧ろ強くなっている。ここに居た冒険者は、あくまで依頼を達成するという目的で動いていたが、次に場所では、自分を必ず殺すという目的で動いて来る。
大男の言うように、気合を入れて、歩を進めた。
「ご忠告、感謝します」
「お~よ。俺はお前の仲間って奴らが来たら、おとなしく捕まっておくつもりだ。姉ちゃんは、何も気にせず、突き進めよ」
「はい。ありがとうございます」
最後に、ニコッと笑って大男に手を振るツバキ。少しばかり気が楽になったツバキは、そのまま進んでいった。
◇◇◇
ツバキの背中を見届けた大男は、辺りに転がる冒険者と、自らの得物を眺めながら項垂れる。
「はあ……久しぶりに使ったからか、調子は出なかったな……違約金……いくらかかるんだ……?」
最近まで、借金の所為で鉄球ではなく別の得物を使っていた大男は、ようやく貯めた金で、借金のかたになっていた、自身の得物、アダマンタイトで出来た鉄球を取り戻した。
それを持ち、勇んでここに来たのは良いが、現れた侵入者の騎士にやられて、報酬を貰うのではなく、違約金を払う羽目となった。
報酬の割が良かった分、相当な額に行きそうだと頭を抱える大男。しかし、その顔は悲観に満ちてはいなかった。
「まあ……これも仕方ねえか。また、バッカスとか、ザンキのおっさんと一緒に、討伐依頼でもこなせば、何とかなるな……」
危うく、違法なことをしている者達を護り、自らも悪事を働くことになる所を止めた先ほどの女騎士には、感謝こそすれど、恨みはない。怪我も治してくれたことだしと、腹をさすった。
その時、もぞもぞと動く音と、女のうめき声のようなものが聞こえてくる。声のあった方に大男が顔を向けると、仲間である女魔法使いが、腹を抑えながら目を覚ましていた。
「お。起きたんだな、シータ」
「う……ん? ああ、無事だったんだね……痛たたた……」
起きながら、腹をさする魔法使いに、大男は回復薬を投げ渡した。女はそれを受け取り、傷を癒すと、大男に近寄って来る。
「あの人は?」
「先に進んだ。完敗だったぜ……」
「にしては、元気そうだけど?」
「あの姉ちゃんに治してもらったんだよ。強いが、話してみりゃ良い女だったぜ?」
「まあ、そうね……これだけの人数を、誰も死なせず制圧するなんて……悪い人、ではなかったかな」
倒れている冒険者達を眺めながら、頭を掻き、深くため息をつく魔法使い。その場に座り、大男の顔を覗き込む。
「ひょっとして、違約金の心配してる?」
「まあな。相手はアマンだし、貴族も居るし、どれだけ行くのやら……」
「ここ最近のカジノの勝ちもパーね」
「はあ……やっぱり、俺、運、悪いのか?」
「今更……まあ、最近はバッカスも居ないし、あのおじさんも居ないからね。運も逃げたんじゃない?」
「こんなことなら、俺もスーランに行くんだったな」
落ち込む大男の背中を、魔法使いはやれやれと思いながらポンと叩く。
「心配しなくても、私の貯蓄が残ってるし、例え、どれだけ高い違約金を払うことになっても、あの鉄球だけは、手元に置くようにするわ。流石に、“破産鉄球”のジーゴが、いつまでも違う得物使っていたら、他に示しがつかないからね」
魔法使いに励まされた大男は、ゆっくりと顔を上げてボソッと呟く。
「……“破壊鉄球”な」
自らの異名をもじったあだ名を呼ばれて少々不機嫌になっている大男に、魔法使いは再び、やれやれと肩をすくめる。
「稼ぎたいならさ、私達も今度クレナに行く? さっきの人も、クレナから来たっぽかったし……」
「クレナには、強い女も男もわんさか居そうだな……バッカスの奴、大丈夫か?」
「あはは……まあ、そうね……」
最近まで「クレナから来た男」と依頼をこなしていた魔法使いと大男は、クレナ領は、今行くと、他の領よりも稼げると言いつつ、実際に行くかどうかは微妙なところと、思いながら、苦笑いをしていた。
そうこうしているうちに、他の冒険者達も目を覚ましたようで、それぞれ、すっきりした顔の者や、得物を破壊されて、悔しがっている者など、それぞれの顔色は十人十色だった。
二人は、ひとまず事情を説明しようと、冒険者達を癒していく。
大男、“破壊鉄球”のジーゴは、ツバキが進んでいった通路を見つめながら、ツバキの無事を祈っていた。




