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古今無双の傭兵が異世界へと行っちゃった話  作者: やまだ和興
ツバキが里帰りする
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第312話―避難所を整備する―

 マルドを飛び立ってしばらくすると、街道の先に森が見えてくる。

 その森を抜けた所にスーラン村があるのだが、上から見下ろす村の様子が、今日は違っていた。


「お……やってんな……」


 見ると、村の周りをぐるっと穴が開いており、村の入り口からその穴に、大きな丸太を杭のように入れていく者達が見えてくる。数は、二十人弱くらいだ。

 格好から、冒険者だとすぐに分かった。皆、剣やら、槍やらを身に着けている。

 すでに柵を作る作業は始まっているらしい。この人数にツルギ達が加わると、六十人弱。作業自体は速めに終わるかも知れないな。


 何となく安心しながら、地上へと下りて行き、神人化を解いた。

 そして、村へと近づいていく。すると、作業をしていた冒険者の男と目が合った。筋骨隆々のその男は、手を止めて、こちらに話しかけてくる。


「ん? 補充の冒険者か? それとも、「ムソウ一派」って奴らか?」

「いや、俺は冒険者のザンキ。補充でここに――」

「あ~、アンタが、ザンキさんか。グレンさんはあっちだ」


 お、どうやら、俺の話は伝わっているようだ。一応、ここでも、俺は冒険者のザンキで通している。あまり目立ったことはしたくないので、依頼主も、グレンとサーラの連名でまとまっていた。

 俺は、「商人グレンの紹介で、スーラン村からの依頼を任された冒険者ザンキ」という肩書をここでは持っている。

 事情を知らないツルギ達以外の冒険者に、どう説明したものかと思ったが、これなら丁度いいかと思い、男に礼を言って、ひとまずグレンに会いに行った。


 グレンの店の前に着くと、何人かの冒険者を前に、地図のようなものを広げたグレンが、何かを説明しているという光景が目に入る。


「じゃあ、アンタ達はこの辺りから、土塁を作ってくれ」

「わかった。だが、この広さだと、あっという間に魔力切れになっちまうが……?」

「魔力回復薬の在庫は大量にあるから心配しなくて良い。無論、割安で売ってやるぜ」

「くださるのではないのですね……」

「こっちも仕事だからな。悪く思わないでくれ」

「は~いはい。じゃあ、行ってくる。昼飯時になったら、また来るからな」


 大量の魔力回復薬を受け取った冒険者達は、その場を後にしていく。恐らく、魔法か何かで、村の周りに土塁を築いたり、これから杭を打つところに穴を開けたりするのだろうな。

 なかなか、どいつも大変な作業になりそうだ。


 グレンはやれやれと頭を掻きながら、店の中に戻ろうとした。すかさず、声をかける。


「グレン! 来たぞ~!」

「ん? おお~! む……じゃなかった、ザンキ~!」


 振り返りながら、手を振るグレン。子供みたいな奴だと思い、苦笑いしながら近づいた。


「作業の方は順調そうだな」

「ああ。一応、受注を受けた冒険者達はさっきので全員だ。後は、ムソウ一派とお前待ちだったな」

「そうか。どんな感じに進んでいるんだ?」


 俺の問いに、グレンは頷き、この村一帯の地図を広げて説明を始める。


 村の様子を見て、予想していたように、現在行っているのは、村の周りに穴を開けて、そこに丸太を差し込み、更に丸太を組み、壁を作る作業と、土魔法でその周りに更に土塁……ではなく、村の周りをぐるっと流れる小川を作っているらしい。

 いざという時の防備という意味合いもあるが、主に生活用水の排水の為に新たに作って欲しいと村から要請があったようだ。


 それが済むと、東西南北に設けた門の側に、見張りの為の櫓を作るという。ここに住むことになっているツルギ達に四六時中、外敵からの警戒を行ってもらうためのものだ。

 無論、ツルギ達の住む家も作るのだが、これに関しては、ムソウ一派が全員揃った頃に始めたいという。

 全ての作業終了は、おおよそ、ひと月を目標にしている。集まった冒険者は二十七人。そいつらに毎日銀貨十枚。それがひと月……ガーレン、結構頑張ったな。


「作業自体は以上だな。後の細かい仕事は、また、この仕事が終わった後考える」

「はいよ。それで……俺は、何をしようか。この中だと、川を作るために地面でも削っていようか?」


 大工仕事が出来ない俺に、現在この村で出来ることはそれしか無いと提案すると、グレンは、首を横に振った。


「あ、いや。ザンキには、別の仕事がある。着いて来てくれ」


 そう言うと、グレンは家の裏手にある森の中へと俺を促す。どこへ連れて行く気かと尋ねると、歩きながら説明してくれた。

 何でも、今、俺達が歩いている森の先に、一応、有事の際の避難場所として用意した洞窟があるという。道は整備されているので問題ないが、有事の際というものがここ最近起こっていないということで、洞窟の中はどうなっているのか分からないらしい。

 結構広く、奥の方まで入り組んでいるということだし、中に魔物が居ても困るということなので、内部調査と魔物が居たら殲滅してくれとのことだ。


「他の冒険者に頼みたい所なんだが、アンタは大工が出来ない、にもかかわらず、村の防衛の作業は進めないといけない、って条件なら、アンタだけが適任だと思ってな」

「なるほど……腑に落ちんが、確かに俺が適任だな」


 大工仕事が出来ないということはグレンに話した覚えは無いが、どこかから仕入れてきた情報らしい。流石、商人の情報網は侮れない。

 洞窟は、元々鉱山だったらしく、広いしかなり入り組んでいるらしく、更に迷宮のように幾つもの横穴から更に深く続いているらしい。

 なので、どこに何があるのか、全体像は分からないということで、冒険者達にも頼めないとのことだ。

 グレンの頼みを承諾し、俺は洞窟の中に入る準備を行う。その際に、灯を灯す魔道具を受けとる。ついでに、いくつか同じ魔道具を中に設置して欲しいとのことなので、同じものを数十個貰い、異界の袋に収めた。


「じゃあ、行ってくる。中では時間の感覚も無いかも知れないが、一通り確認できたら戻ってくる」

「はいよ……って、今日はマルドに帰らないのか?」

「ああ、初日だからな。明日帰るつもりだ」

「了解。気を付けてな。魔物が居たとしても、出来るだけ洞窟を破壊しないようにな」


 崩れたら俺も生き埋めだからな。それは分かってると、グレンに頷き、洞窟内に足を踏み入れた。


 中は、元々人の手が加わっているということで、整備はされているようだ。だが、暗いので、グレンから貰った魔道具で辺りを照らし、更に壁にその魔道具を置いていく。魔力を込めると、ほのかな明かりを灯すので岩肌や地面がよく見えて安心だ。

 そして、そのまま歩いていくと、広間のように大きな空間に出る。そこかしこに穴が開いていることから、ここで堀った鉱石などをいったん集める場所になっていたのだろうと推測出来た。


 一つ一つの穴を調べていては、時間もかかりそうだと思い、俺は神人化し、いつものように光葬針を武者の形にして、それぞれの穴に突入させていった。

 何かが居れば倒す。居なければ、灯の魔道具を設置すると言った具合に、光葬針と共に、洞窟内を整備するとともに浄化していった。

 俺は、一人で大広間を明るくするために、壁や天井に魔道具を設置し、魔力をつなげる為の管も同時に設置する。

 一通りの灯を設置し、管を一つにまとめて魔力を通すと、暗かった広間は明るくなり、外と変わらないように、過ごすことが出来るようになった。

 これで、有事の際でも、ここで安全に過ごすことが出来るだろう。

 しばし、この状況で落ち着いていると、光葬針が何体か戻ってくる。先に戻ってきたことから、通路もそこまでの長さではないということを確認できた。

 やがて、次々と光葬針は戻ってくる。光葬針が出てきた横穴にも魔道具は設置してある。それぞれが持つ管を、先にまとめておいた管と共に一つにして、魔力を込めると、確認が済んだ横穴から光が漏れるようになった。分かりやすいなと安心し、その後も作業を続けた。

 そして、光葬針が大体戻ってきたことを確認したが、いつまで経っても、戻ってこないものが一つあることに気付く。結構入り組んでいるのか、何かあったのか定かではないが、気になったので俺はその横穴に足を踏み入れた。


 その時だった……。


「ッ! 何だ……?」


 通路の先から、何か、強い気配を感じられた。そこらの魔物とは比べ物にならないくらいの大きく、強い気配だった。それも、一瞬だ。ふっと感じられたかと思っていると、すぐにまた、何も感じなくなる。

 殺気や、魔物が持つ独特な、人族に関する敵意でも無いようなので、ひとまず魔物では無いことは確かだ。

 しかし、これほどの大きな気配というのは、久しぶりな気がする。これくらい大きな気配というのは、モンクに来てからは初めてだ。十二星天や、雷帝龍カドルに匹敵するくらいの大きな気配。

 何かが居る……そう感じた俺は、通路を進むことにした。殺気は感じないが、何か強大な力を持つ何かが居るのだとしたら、ここを村の避難場所にするわけにはいかない。

 今のうちに対処しておこう。一応、神人化は解かない。光葬針を展開させ、辺りを照らしつつ、万一の為に万全の態勢で進んでいく。


 そして、狭い通路を進んでいった先は、先ほどの広間よりも一回り大きな空間だった。

 この先には進めそうにないので、ひとまず辺りを見渡す。ここには地底湖のようなものがあり、光葬針と、俺から発せられる光を反射させて、辺りをゆらゆらと照らしていた。


 何か居たのだとしたら、ここだろうと思っていたが、見た限り何も無い。気のせいだったのかと思い、灯の魔道具を取り付けようとした時だった。


 再び、すぐ近くから、強い気配が発せられる。


「……ほう……神族……いや、神人……か。珍しい者が来たようじゃの……」

「ッ!?」


 気配と共に、今度は声も聞こえてきた。威厳があり、迫力のある女の声。俺は声がした方向に向き直り、無間を抜いた。

 だが、そこには何もなく、先ほどまでとは変わらず、洞窟の岩肌が見えるだけだった。

 しかし、気配に声と、確実に何かが居ると感じた俺は、無間に気を溜めて戦闘態勢に入る。


「誰か、居るのか? 魔物ならば、相手になってやる!」


 当たりに殺意をばら撒きながら気配の主の様子を伺う。すると、感じられてきた気配が若干揺らいだように感じた。


「むぅ!? 本当に神人なのか!? 何じゃ……この気配は……!」


 やはり、声はする。迷彩龍のように、姿を隠せる魔物も居るし、スキルを使う魔物も居ることだ。今更、姿が見えないことに驚きはしない。先手必勝と思い、俺は無間を振り上げた。


「何者かは知らないが、見過ごすことは出来ない……行くぞ!」

「待つのじゃ! ひとまず、話しを聞け!」


 次の瞬間、俺の目の前の空間がゆらゆらと揺れ始める。すると、そこから巨大な何かが突然と姿を現した。

 それは、四つん這いのトカゲのような形をした生き物だ。深緑の鱗に覆われた巨大な胴体から、長い首が伸びている。鬣を生やし、緑色の眼光で、俺のことを見ていた。

 姿を現したことで、一層強くなる気配。警戒を解くことなく、俺はそいつに話しかける。


「何だ、テメエは? こんな人里近くに居座りやがって……返答によっては切り伏せるぞ!」

「落ち着くのじゃ! そんなに気を荒立てるでない! 妾は懐かしき、天界の波動を感じたから、少しばかり力を蓄えようとここに寄っただけじゃ! 怪しい者ではない! お主や、この近くの集落に危害を加える気など毛頭ない!」


 大きなトカゲは、怯えた目で必死に訴えかけてくる。よく見えないが、若干涙目にもなっているようだ。

 いまいち、信用出来ないが、襲うのだったら、姿を現すことはしないよなと納得し、死神の鬼迫を止めて、無間を収めた。

 すると、トカゲは安心したような顔つきになっていく。


「む? 信じて貰えたようじゃの……やれやれ、今の人界には恐ろしい人間が居るものじゃの……」


 大きなため息を吐きながら、首を下ろす。

 未だ、油断などしないまま、俺はトカゲに話しかけた。


「お前は……何者だ? 何で、こんなところに居る?」

「ここに居るのは、さっきも言ったように、天界の波動を感じたからじゃ。少しばかり体がだるくてのう。

 そして、妾のことじゃが、名はアティラ。人界の言葉じゃと、地帝龍と云われておる存在じゃ。まあ、信じられぬと思うがの……」


 ふむ……どうやら、このトカゲは純粋な龍族のようだな。どういう経緯でここに居るのかは知らないが、俺が作業の為に飛ばした光葬針の気配につられてここに来たという感じか。

 そして、弱っていた力を取り戻すために、天界の波動の塊である光葬針を吸収したということか。

 先ほど感じた一瞬だけの気配は、その時のものだということだな。


 にしても、「地帝龍」か。他にも居るかも知れないとは思っていたが、まさか、こんなところで会えるとは思わなかったな。

 語感としては、カドルが雷を司っていたように、コイツは、大地を司るのかも知れない。なるほど、深緑の鱗は、まさしく、空から見た大地そのものだと感じるな。

 そして、コイツにも種族名とは別に、個体名があるようだ。


「てことは……カドルと似たようなものか……」


 天界の波動に寄せられてきたというくらいだからな。コイツも、邪神大戦の頃から生きているのかも知れないなと、一人納得していると、地帝龍アティラは興味を示すように顔を上げた。


「む? カドルとな? お主は、雷帝龍の知り合いか何かかの?」

「ああ。友人だ」


 すると、アティラは目を見開く。


「ほう……カドルの友人か。長く姿を見ておらんが、何をしておったのかの?」

「壊蛇の時の傷を癒すために、雷雲山に引きこもっていた」

「なるほど……人界広しと言えども、カドルが姿を隠すとなると、あの山くらいしか無いからのう。

 ……しかし、友人とは……人族であるお主とカドルの接点が分からんのう。何があったのじゃ?」


 アティラは不思議そうな顔をしている。やはりカドルの知り合いというのは間違いないようだ。

 俺は、カドルとの関係を全て話した。九頭龍の核になったところから、邪神大戦の事、それから、俺自身のことまで全てアティラに話した。

 アティラは、終始、驚愕した様子で俺の話に耳を傾けている。

 そして、全てを話し終えると、すっかり混乱した様子で、目を回している様子になった。


「訳が分からんのう……ケリスという邪神族の末裔に、九頭龍にされ、それをお主が倒し、カドルを救い……そのお主が、シンラ殿の親で、最近になってこの世界に……そして、今は、シンキ殿達と協力し邪神族に備えておる……という話で相違ないかの?」

「まあ、ざっくり言うとそんな感じだな。カドルもだいぶ元気になったよ。コイツでな」


 混乱するアティラに、俺は光葬雨を浴びせた。混乱していたアティラの顔が段々と緩んでくる。


「おぉ~! これじゃ、これじゃ……癒されるのお~」


 カドルと言い、コイツと言い、見た目は魔物染みても、どこか人間味があって、好感が持てる。


「……しかし、その身から天界の波動を放つ人間か……妾から見ても、お主は奇異な存在じゃの……そんなお主がシンラ殿の実の父で、サヤ殿の夫とは……」


 緩んできた顔も、徐々に訝し気な顔つきになる様は、何となくだが、面白かった。

 まあ、あまり気にするなと言って、ひとまずアティラを落ち着かせる。

 取りあえず、俺の事は話したので、次はアティラの事情を聞いてみることにした。


「さっきの話からすると、この洞窟は、べつにお前の棲み処というわけではないんだな?」

「うむ。妾には決まった棲み処というものは無い。いわば、大地そのものが棲み処のようなものじゃからの」

「じゃあ、普段はどうやって過ごしているんだ?」

「妾は、大地の力そのものを操ることが出来る。カドルが雷雲に棲み、雷そのものになれるように、妾も大地そのものになることが出来る。こうやっての……」


 アティラはフッと目を閉じて瞑想を始めた。すると、アティラの足元が地面と同化し始める。

 同時に、アティラの肉体が地面へとのめり込んでいった。

 呆気にとられながらその光景を見ていると、あっという間に、アティラは地面の中に消えていく。


「え……どこに行った?」

「ここじゃ」


 きょろきょろと辺りを見渡すと、俺の背後の壁からにょきッとアティラの首が伸びていた。

 驚いているのも束の間、アティラはフッと笑うと再び壁の中へと消えていく。


「こうやって、大地と一体化して、移動しておるのじゃ」


 今度は天上から首を出して、俺を揶揄うように笑っていた。

 地面を掘削することなく、アティラはこうやって大地を移動しているというわけか。

 便利な力だなと感心していると、再び俺の目の前に姿を現した。


「じゃから、この洞窟をお主たちがどうしようと妾には関係ない。自由にすると良い」

「そうか、ありがとう。ちなみにだが、普段はどのあたりを回っているんだ?」


 俺は地図を広げてそう尋ねてみた。付近に何の影響もなく移動することが出来るのかと思い、聞いてみると、アティラは鼻先で、今居るモンク領と、その周辺の大地を示した。


「妾の行動範囲は、この大陸のこの辺りじゃの。地質が心地いいし、カドルの居たあたりは、あまり、良くなかったからのう」

「それは、地質がか?」

「うむ。毒気に満ちておる感じじゃ。先の話を聞くに、ケリスという神人が暗躍しておったからじゃろうな。魔物たちが増え、邪神族の波動が大地を汚しておったと考えた方がよいじゃろう」


 魔物が増えたことに良り、瘴気が大気や大地を蝕むということに関しては俺も心当たりがある。破山大猿の居た山や、クレナの樹海、それに、グリドリの森なども、それに当てはまる。

 壊蛇の侵攻とケリスの暗躍により、アティラが移動できた場所も少なくなったようだな。

 一応、俺の力で浄化はしたという話はしたが、アティラは苦笑いしながら、


「お主の力は凄まじいようじゃな。じゃが、しみ込んだ地質というのは、これから先、何百年かけねば、元の状態には戻らん。お主が綺麗にしたのも、表面だけじゃろう。その地中までは、効果は及んでおらんじゃろうな」


 と、告げた。事実、ここ最近は、クレナやグリドリの辺りに入っていないという。

 流石に、俺も地面を掘ってまで、大地の浄化というのはしたくない。結構な労力が必要になりそうだからな。

 その辺りは、アティラ自身が、何とかしていくと笑っていた。


「ちなみに、大陸の外には行けないのか?」

「そうなると、海を渡らねばならぬのう。深い所に戻るのはしんどいから、わざわざ他の大陸に行こうとは思わん。

 地上に出ても騒がれるからのう。妾はここだけで充分じゃ」

「なるほどな……」

「そう言えば、ムソウ殿はカドル以外にも龍族には会っておるのかの?」

「いや、アンタが初めてだな」

「ふむ……ならば、ついでに妾達以外の龍族について、カドルの代わりに伝えておこう」


 アティラは得意そうな顔をして、地図を指しながら、そこに居るとされる龍族について語り始める。

 一定の狭い場所にしか居ることが出来ないカドルでは、確かに分からないことかも知れないと思い、アティラの話に耳を傾ける。

 仕事は……後にするか……。


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