第1話―トカゲを斬る―
つたない文章ではありますが、頑張って更新していきますので、よろしくお願いします!
「いてえッ」
突然地面に叩きつけられ、困惑する俺。目を開けると、太陽が煌々と輝き、灼けた大地を照らしていた。
おかしいな……先ほど居た場所とは状況が違い過ぎる。こんな場所、見たことがない
「何だ? ここ……」
その場を起き上がり、身に着けているものを確認した。着物……は着ているな。鎧も付けてある。非常食や、水、道具などが入った袋もあることを確認し、俺はとりあえず安心した。
そして、手に持った愛刀の存在も確認し、ひとまず落ち着く。
傭兵として生活している俺は、黒い着物に身の丈ほどもある大刀を振るうさまに、周りの奴らは俺を“死神”だの呼んでいた。敵を斬ることにしか頭が働かない俺は物心ついた時から敵を斬り続けていた。
そして、気づけば大陸中から畏れられた俺は、“古今無双の傭兵”と呼ばれるにまで至るようになっていた。
今回も、王からのとある依頼で戦っていた。いつものように眼前の敵を斬って斬って斬りまくっていた時、辺りが真っ暗になった。
そして、気づいたら…………
まあご覧の通りだ。
闘っていた場所は草原だったが、目の前に広がるのは荒野だ。こんな場所、大陸にあったっけかなと、首をひねる。
ここはどこだろうか。敵が持っていた爆弾が爆発したことは覚えている。それによる衝撃で吹っ飛んだことも覚えている。空中へと思い切り飛ばされ、落ちていきながら、ああ、これは死ぬなあと考えていた瞬間だ。
俺は、こうやって見知らぬ土地に気付いたら、居た。夢か? ……そう思って、馬鹿らしいが、頬を殴ってみる。……起きない。夢じゃない……そもそも、これが夢から覚める方法なのかどうかも怪しい。
どうしたら良いのだろうかと、思っていた時だった。ふと、空から大きな叫び声のような雄たけびが聞こえてくる。パッと空を見上げると、そこには、大きなトカゲのようなものに、翼が生えたような見た目の奇妙な生き物が空を飛んでいた。
「……あ?」
呆然として、ぽかんと口を開けてそいつを見ていると、その怪物と目が合ったような気がした。
「……あれ? なんかこっち来てるなあ」
その翼の生えたトカゲは俺を見るなり急降下してきた。
ドスンと俺の前に降り立ったそのトカゲは、俺をにらみつけ咆哮をあげた。
「グオオ~~~ッッッ!」
そして、鋭い爪を俺めがけて振り下ろしてくる。
「あぶねえ!!!」
俺は後ろに跳び、それを回避する。俺を捉え損ねた大爪は俺が立っていた場所の地面をえぐった。食らったら死ぬな……あれは。
そして、俺はその生き物を見て、ある結論に達した。どうやら俺は、何かの拍子に、今まで居た世界とは違う世界に来てしまったようだ。だって、こんなの見たことがない。こんな奴が居たら、大陸なんぞ、あっという間に制覇される。
自分でも訳の分からないことを考えているなと思っていると、トカゲは大きく口を開くと、そこから、なにやら得体の知れない光線を吐いた。
「ガアアアアアア!」
「うおっ!?」
とっさに俺は、愛刀である大刀、「無間」でそれを弾いた。大きな衝撃だったが、耐えられないことは無い。正直な話、無間の耐久力に驚いてはいるが、思いっきり振ると、光線は、バチっと音を立てて、俺から逸れた。
「あぶねえ! 死ぬところだったじゃねえか! というか弾けるんだな。ならばっ・・・!」
俺は躊躇なく、そのままトカゲに斬りかかっていく。熱線を吐いた後の反動なのか、トカゲは、その場で動きを止めている。その場で跳躍し、トカゲの咢めがけて無間を振るった。
見た目の通り硬い鱗だったが、予想以上に簡単に切り裂けた。
「ギャオオオオオオ!?」
トカゲは信じられないとばかりに苦痛の叫びをあげる。見たことが無い存在ではあるが、しょせんトカゲはトカゲか……。
「「斬れる」ことが分かったいま、逃げる必要はないな。状況を確認する前に、取りあえず、俺を襲ってきたお前を殺すとするッッッ!!!」
俺は暴れまわるトカゲの上に跳び、再び、今度は首の部分めがけて、先ほどよりも強い力で無間を振るった。鱗を砕き、肉を引き裂き、トカゲの首は落ちた。
トカゲの胴体と頭の部分から血が噴き出る。浴びるのも嫌だから、素早く死骸から離れて、無間についた血を払った。
「ふぅ~~~、疲れた~~~」
トカゲに近寄り、絶命を確認する。……こうしてみるとでかいな。胴体だけでも馬車並みにある。よく倒せたもんだ。なによりこの鱗、無間じゃなかったら斬れたかな? 少なくとも、俺の身に着けている鎧よりは硬い気がする。
…………剥ぎ取って防具に付けようかな。今つけてる胸当て不安なんだよなあ。昔、仲間から貰ったものだから大切にはしているが、やはり無茶もしているようで、ガタはきている。
捨てたくはないが、この世界にこんなのがゴロゴロいたら、生きていける自信がねえな……。
「……剥ぐか」
トカゲの死骸を処分する前に、防具用にと鱗、何かに使えそうだなと爪、牙、肉の一部、翼の一部を剥ぎ取り、残りを燃やした。
……にしても、本当に、俺は違う世界に来たのかも知れないな。鋼鉄よりも固い鱗を持ち、地面を難なく破壊する生物、そして、見たことも無い場所。あの時、爆発に巻き込まれて、既に死んでいるという可能性もあるが……。
そう思い、俺は胸に手を当てた。……うん、まだ動いている。死んではいないようだ。
―……まあ、ここが死後の世界なら、あいつらも居るはずだしな……―
さて、ここが俺の生きていた世界ではないのだとしたら、どこなのだろうか。さっきの、怪物とも呼ぶべきものは何なのだろうか。俺は、元の世界に帰ることが出来るのだろうか。
分からないことが多すぎるし、確認したいことが山積みだな。
「……さて、行くか。まずは情報収集だ。近くに村は……見えねえな。まあ、道に出れば、町でもあるだろうし最悪の場合人くらいはいるだろうな」
俺は取りあえず人のいるところを目指して歩いて行った。よく見ると、遠くの方に、緑色の平野が続いているのが見える。食料も少ないし、さっきみたいな奴が今度は大群で来られたらやばいかも知れない。このまま荒野を進むよりは、あっちの方が良いかもしれないな。
そう思い、俺は歩みを進めていった。
ちなみに主人公は、日本で言うところの戦国時代くらいの人間なので、横文字が一切使えません。ドラゴンのブレス攻撃も、変なトカゲの、得体のしれない光線としか書きようがないので、ご了承ください。




