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第19話「知らない参加者」

パン諸藩同盟には、巨兵を戦わせるトーナメント競技が人気を博している。星をあげたスポーツだ。一勝でもすれば、どんな根無し草も一目置かれるほどだ。外から来た人間でも、もっともてっとりはやく信頼を得られる方法だ、らしい。


だがまさかそれに、六六工廠のバルドが参加しているとは思わなかった。私は何の報告も受けていないということだけは確かだ。体張ってるな。


貴賓席からトーナメントを観戦できるように、ソーが取り計らってくれた。まず参加者が死ぬことはないのだそうだ。だが、初戦でバルドの操る巨兵は、対戦相手の巨兵の操縦槽が丸々入っている頭部をジャンプユニットの重力加速で破壊力の増した脚で踏み潰した。


「申し訳ありません、サラザールさん。完全に私の独断で飛び込みました」


私はただ、理由だけを訊いた。


「六六工廠が売り込むための信頼を作りたかったのです」


私は頭が痛くなりそうだ。ただ、体張ってんなぁ。棍棒の代わりに電卓で殴る蛮族なのか。バルドの目はキラキラしていて、完全に私情であることは間違いない。だがバルドが、パン諸藩同盟で信頼を築きつつあるのは間違いない。


だが罰は罰だ。他の工廠との衝突もありえたのだ。独断での先行には、工廠間の紛争を招く危険があった。これは見逃せない。


あまりにも罪が重い。


六六工廠そのものの存亡をかけさせかけたのだ。


バルドの支工廠責任者としての地位を剥奪した。許されない行為だ。ある程度の自由を私は尊重している。だが、それには最低限のルールがある。違う販路へに介入は特に厳しく取り締まらなければいけない。それは直接、他との利権に触れる行為だからだ。調整をするためにも、必ず私に報告しなければいけない。どれほどの成功があろうとも、その罪は問われなければいけないのだ。


バルドは支工廠責任者の地位から降りた。ただ何も追い出したいわけではない。思慮が足りず支工廠責任者に相応しくない、それだけだ。

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