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第17話「ビジネスチャンス?」

見たことのある女性を見つけたので声をかけてみた。セレネだ。たまの休日でも会うときには会うものだ。


「セレネー!」

「ちょっと!?外で大声で呼ばないで!」


三つ編みにぶかぶかセーターという、凄まじく地味な格好だったセレネだが、一応、先進技術投資育成委員会の役員の一人だったりする。つもり帝国がお抱えにしたい、仲良くなりたい技術開発を支援してくれる委員会の偉い人の一人なわけだ。


「ちょっとお茶でもと声をかけたんだが」

「ナンパ師か!」

「他意はなかったんだけど……」


えらい怒られようだ。


で、近くの店でお茶を一緒に飲んだ。ちょっと世間話だ。


「六六工廠の運営はどうなの?」

「節約して、グリンチとエルドラを太い顧客になってもらって日銭を稼いで工廠の人間を守ってる」

「グリンチ侵略共和国にエルドラの母なる水連合?……そういえば貴方、パクト王家にパイプがあったんだったわね。人食い連中でしょ、危なー」


セレネに呆れられてしまった。自覚はある。


「なら、セレネのほうから誰か紹介してくれないか?」

「無茶言わないでよ」

「グリンチは良い技術集団だぞ?情熱が違う。投資すれば投資に見合った成果をあげてくれる」

「食われるでしょ、うちの人間が」

「私がいるだろ」

「六六工廠に投資して、間接的にもグリンチにも?」

「異種族の技術は興味深い」

「趣味や玩具に国費ってのはねぇ」

「そういうこともある、その程度のことだと考えてくれ」


お茶を飲みながら、お菓子をひとつまみ食べた。うん、やはりお菓子は苦いのではなく、甘くなくてはな。


「グリンチはともかくだけど、貴方、ちょっとパラセウス腕まで営業にいってみない?」

「またどうして」

「現地調査」


セレネはあっさり言ってきた。パラセウス腕といえば、パン諸藩同盟だ。


「六六工廠の営業が食い込めるのか」

「営業ついでに、あの辺の技術基盤もと言いたいのだけれど、そんなものよりもよ。向こうさんとの橋渡しをやってほしい」

「……繰り返すが、六六工廠は新参者だぞ。私だって、パン諸藩同盟に友人なんていない」

「だからよ、サラザール」


セレネは不敵に笑ってみせた。私は不安の気持ちのほうが強まるが、パラセウス腕、パン諸藩同盟に売り込みにいくことになった。私が必要なのだ……。

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