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第15話「工廠価値」

新型艦の、統合案A1に名前をつけようという活動があるらしい。そんな動きがある、という程度の段階だが、もうそんな時期なのか、と思った。


新しい子供に名前をつけるのは、親の特権だ。いろんな思いが込められているだろう。あるいは親しみを込めてか。


六六工廠だけが、新型艦の送り出しているわけではない。名前付きが新しい宇宙に新しい名前を広めつつある。帝国から独立して民営化した、工廠独自産の航宙商品群だ。


各工廠で、新しい規格に挑戦しているのが面白いな。スタンダードテンプレートの更新がなくなった以上はこだわる必要もないが、迷いなく新規格に振り切る思い切りのいい奴らばかりだ。


ただ中には、従来品の規格のままの派閥にわかれた工廠もあった。大コストを前提にした、大型艦を現代に適応させた設計を成功させているものもあった。現代宇宙で普及している技術負荷を無視できる環境であれば、優秀であることに変わりはないからだ。探査艦隊などに根強い顧客をもっているようだ。


色々あるものだ。


色々あるせいで、グリンチ方面での売れいきが伸び悩んでいる。新しいもの好きだからな。無理もないか。


期待に応え続けるには、どうすればいいのか。顧客は一〇キャッシュの支払いで、一一キャッシュの価値に喜んでも、九キャッシュの価値に怒るものだ。価値観か。価値を売りつける。


私の中ではぐるぐると思考が回り続けていた。グリンチ方面での価値は、パクト王家のエム・ラーが保証してくれたからこそ、六六工廠の首が繋がったんだ。どこでも使える手ではないな。自分たちで価値を高める宣伝をしないといけない。良い商品を作っても売れるわけではない必要とさせた商品が売れるんだ。

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