第13話「惑星セイルにおけるA1の戦闘データの感想」
A1は惑星に対する強襲軌道へと偏移していた。腹を大気との圧縮で真っ赤に染め上げながら、幾つもの、何百もの機動兵器を投下する。惑星上の優れた有機資源の収穫のためだ。大気圏内で展開した機動兵器は衝撃銃で対象を無力化しながら、次々と母船A1へと転送していく。
惑星防衛システムの打ち上げる反物質兵器による対宙砲撃群は大きな効果を発揮できずに、射点を暴露し、そして蒸発した。
A1-500、統合案A1の五〇〇隻目には、“聖なる晩餐”と名前をつけられた。“聖なる晩餐”は新鮮な資源を安全に収穫し続けた。
惑星内では阿鼻叫喚であるが、“聖なる晩餐”では、祝福の言葉がまじわされていた。これは祭典なのだ。
悲鳴と断末魔に満ちた収穫が続く。知恵ある者たちが最優先の収穫対象だが、時に“聖なる晩餐”を沈めようと攻撃を仕掛けてくる。収穫されたと見せかけて、自爆攻撃を仕掛けてきたり、意図的に病原菌や遺伝子汚染を広めたりだ。だがその全てに対応しきった。
“聖なる晩餐”は数々の傷を負いながらの収穫は、手厚い支援と補修によって遂行しきれたのだ。
艦内での戦いには、機動兵器さえも迎撃可能な防衛システム群の急速展開を可能としたことで、内部からの破壊工作を最小限に抑えてきた。
数少ない弱点である、近接格闘戦時でのバランス能力の問題も、バランサーの強化と武器の改良によって劇的に改善された。
“聖なる晩餐”は日夜進化し続けている。




