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第12話「使い心地の報告」

新型艦の戦闘データが報告書にあがってきた。統合案A1は、ラオ武装教会から、エルドラの母なる水連合にも伝わったようだ。知ってた。発注数がもう少し増えた。細かな改造にも色々と対応中とも、報告されている。


それよりも、戦闘データだ。収穫艦としての戦闘だから、正直、見るのが怖いところもあるが、六六工廠の責任者としては、航宙商品を見極めておかなければいけない。シルバスタインとエルドリッヒの統合案だ、硬い技術ばかりなのだから、画期的新兵器ではないが、そこそこの活躍は保証されたも同然だろう。


戦闘データを拝見した。


なるほど。


現地での要望も、たばね改修可能範囲だ。大きな欠点はなく、細かな仕様を改めてくれ程度の問題が数百くらいあるが、問題は小さいと言える。エルドラ連合およびラオ武装教会側利用者によるA1の欠点は、大別してしまえば数える程度。


一つ。

近接武装としての重力アンカーは破壊力絶大かつ近接戦闘において同士討ちをなくす兵器だが、大質量を振り回す際にA1は著しく均衡を崩し、各部の姿勢制御装置に多大な負担をかける。これによる破損や消耗品の消費速度が速いのが問題になっている。


二つ。

推進器の故障の多発により、全速運転が実質不可能。複数の推進器を持つゆえに故障時にも航行可能だが、逆にいつもどれかは故障しており、数値上の加速度を得られない。大きな問題だが、これはすでにエルドリッヒが「過密に配置した推進器同士による量子レベルでの影響がエーテル衝撃としての悪影響を伝播させている」との指摘から、対策の再設計が進行中だ。


三つ。

艦内環境維持能力の低さ。これは反応炉からのエネルギーラインの不備だ。エルドラ連合では、大量の生命維持装置や停滞フィールドなどを維持する為の内装を取り付けるが、エネルギーラインの過剰分岐がしばしば、負荷となって生命維持装置の一部に深刻な能力低下を起こしかけていたというもの。元々の設計では、主要システムに繋がるエネルギーラインの幹は重視しても、そこからの枝葉を考えていなかったがゆえの欠点だ。サブエネルギーラインの引き直しを再設計中だ。


他はたばね良好な感想が多かった。好意的なものに関しては、そのまま設計やら建造の部署にデータをまわす。大袈裟なぐらいに褒め称える一文を添えてだ。


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