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41 証拠

 深夜。

 ある立派な屋敷に、二人組の男が盗みに押し入らんとしていた。

「ソワソワするんじゃねえ」

 兄貴が子分に向かって叱咤する。

「だって、兄貴。こっちの世界じゃ、あっしらにとっちゃ初めての仕事。さっきから、どうにも足が地につかねえんで」

 子分の声はふるえていた。

「なあーに、心配することはねえ。証拠さえ残さなきゃあ、ぜったい捕まりっこねえんだからな」

 兄貴の方は自信たっぷりである。

「ですが、前にドジふんだじゃねえですか」

「あんときはたしか足跡から……。こっぴどい目にあったな」

「ええ、はりつけの死刑になっちまって。ですんで……」

「心配すんな、今度はだいじょうぶだ」

「ほんとですかい?」

「もちろんだ。オレたちには足がねえ。だから、アシがつくことはねえのさ」

 兄貴は大きくうなずいてみせた。

 閻魔の屋敷を見上げ……。


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― 新着の感想 ―
[一言] 現生で死刑になっても諦めないということは、閻魔さまに地獄の沙汰を下されても、まだ諦めずに泥棒稼業に勤しむような気がします。どうしても間の抜けた雰囲気が否めない二人が可笑しかったです。
[気になる点] もう一つのシリーズでもOKねw [一言] ”その後幽霊のとりついた宝石は、呪いの宝石としてプレミアがついました”とか?ww 泥棒さんの執念に脱帽
[一言]  ――しかし、入った場所が悪かったかもですね。  最初に死んだ亡者である閻魔には、お足が(かねが)無さそうですから。  盗むなら、金目の物がありそうな場所に入らないと……。  
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