その段ボールの中身って何ですか?
俺の名前は『田代 拓馬』25歳、近所のコンビ店員。
俺のマンションの右隣の206号室の住人が昨日、空室だった部屋に
引っ越して来た。
引っ越してきた人は、俺の部屋に挨拶に来てくれた。
【ピーポーン!】
俺の部屋のチャイムがなる!
『すみません! 隣の206号室に引っ越してきました中村です!
これからよろしくお願いします!』
『あぁ~よろしくお願いします! 何かあればいつでも言ってください!』
『はい、ありがとうございます!』
206号室に引っ越してきた女性は、、、?
見た目は、20代前半で可愛らしい女の子だった。
まさかまさかの!? 若い女の子が隣の206号室に引っ越して来るなんて!
嬉しくて、少し俺は興奮している!
でも、あれだけ可愛い女の子なら彼氏がいるよな、と思ってしまった...。
一人で、いろいろ想像してガッカリしている俺がいる、、、!
その日は、何故か、、、?
直ぐに、何処でもいつでも寝れる俺が寝付けなかった...。
▼
このマンション、実は俺は訳ありなのかとずっと思っていたからだ、、、!
隣の女の子が引っ越して来るまでは、、、、?
本当に、俺がこのマンションに引っ越して来た時は、誰も住んでいなくて
部屋がガラガラだった。
あれから5年が経つが、このマンションに引っ越して来たのは1人だけ!
302号室の戸田さん。
101号室は、管理人さんが住んでいる。
このマンションに住んでいるのは3部屋だけだったのに、、、!
隣の部屋にしかも、、、若い女の子が引っ越して来たら、、、?
そりゃ~テンション上がるでしょ?
▽
でも、隣の206号室の部屋に毎日その日から、配達員の人が行き来する
ようなった!
必ず、小さな段ボール箱が最低でも2.3個はあるみたいだった。
この段ボール箱の中身は何なのだろう、、、?
それに、206号室の彼女はほとんど外に出ない!
ご飯も、宅配のピザだったり出前のモノばかりで、俺の働いている近くの
コンビニすら行かないのかと俺は少しガッカリしている...。
彼女と会える機会がないから、、、寂しい。
ただ、数日経って思うのは、彼氏はいないのかなとも思う。
それは男の気配がないからだ!
でも、一日中家の中で何をしているんだろう、、、?
俺は隣の壁に耳をあてて、彼女の話し声が聞こえないか聞いているが、
全く話し声もしない!
ただただ、配達員の人が小さな段ボール箱を手に持って彼女が受け取る
そんな事が1か月ぐらい続いた時のこと、、、。
▼
そしてこの日、、、。
206号室の彼女が俺の部屋のチャイムを押した。
『えぇ!? どうしたんですか、、、?』
『ちょっと、水道の水の出が悪くて、、、少し見てくれませんか、、、?
業者さんを呼ぼうと思ったんですけど、、、? 簡単に直るかもしれないし!
田代さん、男性だからこう言うの得意かなと思って? 無理だったらいいんで
すけど、、、?』
『いやいや? 俺でよければ見るよ~!』
『ホントですか?』
『うんうん、どこ? どこ?』
206号室の彼女の部屋に入って俺はびっくりした!?
配達員の人が持って来ていた小さな段ボール箱が部屋にぎっしりと積まれて
いるではないか、、、!?
【この箱なんなんだ、、、!?】
しかもよく見たら、、、開けられていない!
俺はついつい気になって彼女に聞いてみた、、、?
『あのさ? ずっと気になってたんだけど、、、? この段ボールの箱さ?
何なのかなって思って、、、! 毎日来てるでしょ? 配達員の人がさ!
だから気になっちゃって、、、! それに箱開けてないんだね? どうして!』
『この箱の中は開けなくていいんです! 逆に閉じ込めてるから!』
『何を、、、?』
『貴方をですよ! 田代さん!』
...彼女がそう言うと、、、?
綺麗な瓶のひょうたん型の蓋を開けた!
【ヒューーーーッ!】
...と俺は肉体を残して魂だけが瓶の中へ吸い込まれた!?
これはこの女の【コレクション】なのかもしれない、、、!?
この日から、、、肉体は、別のモノが入っている。
今まで通り、何もなかったように生活をしている。
▽
数日後、、、。
また206号室の彼女の部屋に小さな段ボール箱を配達員の人が持って来た。
隣の205号室の田代 拓馬の部屋はその日から別のモノが生活している。
101号室の管理人さんも何も気づいていない!!!
302号室の戸田さんは、何か俺の雰囲気がおかしいと感じ取ったのか、、、?
直ぐに引っ越していった。
206号室の彼女の部屋には、毎日今も小さな段ボール箱を配達員の人が
1日2.3個持ってくる。
『これからも、ずっとそうなのだろう、、、。』
最後までお読みいただきありがとうございます。